<3>モデル
GODTAIL氏によるキャラクターデザインを基にジャスティスのモデリングを担当したのは、竹山諒一氏率いるバンブーマウンテンだ。NHN PlayArtからゲーム版のモデルデータや設定資料といった参考資料の提供を受けつつ、短篇映像のなかでもゲームの世界観に寄せられるよう、攻撃のビームの色やカードの出現アクションといった細かな部分まで倣って作っていった。
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竹山諒一/Ryoichi Takeyama
バンブーマウンテン
(現・株式会社グラフィニカ 福岡バンブースタジオ)
代表
www.bamboomountain.co.jp
モデリングにおいてはGODTAIL氏のイラストをいかに再現できるかが要だったという。竹山氏自身GODTAIL氏のイラストを非常にリスペクトしており、「GODTAILさんのイラストを分析して様々な要素に解体し、"GODTAIL節"を再現するための手法を構築していきました」と制作をふり返ってくれた。
●モデル
ゲームモデル
バンブーマウンテンが制作した本作用のモデル。使用ツールはMayaで、ポリゴン数は約20万
●質感表現
完成
完成
ジャスティスの全身、およびアップの素材。これらの素材を全て合成ジャスティスのルックを構成している
●影とラインの表現
どの角度から見ても変わらない影はカラー素材のテクスチャに直接描き込まれている
「GODTAILさんの画は影が特徴。本作ではジャスティスの肌色が白っぽいので、より影が映えました。ただ、舞台設定が夜であったため、影の量が増えるとキャラクターが見えづらくなるおそれがありました。そこで、周りの輪郭を掘り起こして影に入っても線が見えるように、影に入った瞬間白黒反転させるといった措置を講じています」(竹山氏)。【A】テクスチャに描いたラインにMaya Toon機能で作成したアウトラインを合わせた黒ライン/【B】【A】の黒ラインに重ならないようボディと同じ色で描いた白ライン素材。この素材により、影の部分にのみ白いラインが見えるようになる/【C】完成画像
●強烈なパースの表現
GODTAIL氏の画は迫力ある誇張表現も魅力のひとつ。そのパースを再現できるよう、柔軟なリグが組まれている。また、スクリプトベースで構築されているため、アニメーション作業中でもリグの更新が可能で、他プロジェクトへの流用も容易だという
本作のCGモデルはカットの完成画面から逆算し、モデルを変形させることでこの表現を再現している。画像は変形前(左:カメラビュー/右:パースビュー)
変形後(左:カメラビュー/右:パースビュー)。左膝を伸ばしてカメラに近づけることで大きく見せたり、左肩パーツの形を整えたりしていることがわかる
完成カット
●メカ
本作に登場する敵のメカや小型のUFOは全てバンブーマウンテンがオリジナルで制作している。バンブーマウンテンからは竹山氏含め8名のスタッフが参加した(モデラー2名、アニメーター2名、エフェクト2名、コンポジット2名)。新人スタッフにデザイン段階から任せたモデルもあるとのこと
四足ロボのターンテーブルと登場カット。アニメーションの際には重心の位置と、動きがコミカルにならないように気を配ったという
終盤に登場するマザーシップのモデル。複雑なディテールは3ds Maxのプラグイン「Greeble」によるランダム押し出しを活用している