>   >  『#コンパス』短篇アニメ制作部:初めて描かれる「ゲームシステム内部」を舞台に展開するアクションムービー/#02『Voidoll irregular』by トムス・ジーニーズ
初めて描かれる「ゲームシステム内部」を舞台に展開するアクションムービー/#02『Voidoll irregular』by トムス・ジーニーズ

初めて描かれる「ゲームシステム内部」を舞台に展開するアクションムービー/#02『Voidoll irregular』by トムス・ジーニーズ

NHN PlayArtとドワンゴが開発・運営を行う大人気対戦ゲームアプリ『#コンパス 戦闘摂理解析システム』(以下、『#コンパス』)を原作に、CGから手描きまで様々なアニメーションスタジオがそれぞれの「ヒーロー」を主人公とした短編アニメーションをつくり上げるという連作企画「#コンパス短編アニメ」。

プロジェクトの第2弾として公開された『Voidoll irregular』は、ゲームシステムそのものを物語の舞台として創造し、それを応援するニコニコ動画のコメントも演出として使うというメタ的な構造をとりながら、映像としても本格的なアクションとエフェクトなど見どころが満載の作品に。制作したトムス・ジーニーズを取材した。

INTERVIEW_日詰明嘉 / Akiyoshi Hizume
EDIT_小村仁美 / Hitomi Komura(CGWORLD)
PHOTO_弘田 充/ Mitsuru Hirota

●Information
#コンパス 戦闘摂理解析システム
ジャンル:リアルタイムオンライン対戦ゲーム
プレイ料金:基本無料(有料アイテム販売あり)
運営・開発:NHN PlayArt株式会社、株式会社ドワンゴ
https://app.nhn-playart.com/compass/

<1>短篇によって初めて描かれた『#コンパス』の内部

トムス・エンタテインメントのグループ企業で、グループ内の各プロダクションと連携した作品開発をはじめ、TVアニメ『猫のニャッホ』『ファイアボール』シリーズなどで知られるCGプロダクションのトムス・ジーニーズ。同社は高級ブランドが立ち並ぶ東京・表参道にスタジオを構え、近辺の雰囲気に溶け込むオシャレな内装。加えてモーションキャプチャ設備を社内に整えているのが特徴だ。


写真左から 小笠原俊介氏、圓谷章吾氏、岩井文吾氏、渡辺誠之氏、島田洋平氏、肖 雨青氏、中田英輔氏
jinnis.com

プロダクションのアサインを一手に引き受けたトムス・エンタテインメントの久保雄輔プロデューサーは、『#コンパス』のヒーローたちの中からトムス・ジーニーズが得意とするタイプのキャラクターとしてVoidollとリリカ、双挽乃保の3体を選び、『ファイアボール』シリーズでCG監督を務めた経歴をもつ渡辺誠之氏が『Voidoll irregular』の監督・脚本を担当することとなった。渡辺氏は「作品のコンセプトやストーリーから任せていただけたことは、とても嬉しく思いました。何かしらのカラーを出せれば」と意気込み、制作に臨んだという。


  • 渡辺誠之/Shigeyuki Watanabe
    監督
    トムス・ジーニーズ

Voidollは『#コンパス』のメインシステムを管理しているというキャラクター。その設定を活かし、ストーリーの骨子はシステムがハッキングを受け、普段はシステムを保守している警備ロボGuardollが攻撃を仕掛けてくるという内容に固まった。なお、これまで『#コンパス』のゲームにおいてシステム内部が描かれたことはなかったため、NHN PlayArtの監修を受けて作られたこの作品が初の"公式"のビジュアライズとなった。

その後、シナリオを詰める作業と並行して、美術設定の中田英輔氏にイメージボードを進めてもらいながらVoidollのモデルを制作。次のシナリオ打ち合わせの時点でルックを確認できる状態にまでもっていくという手際の良さで進められた。全体では4〜5名のスタッフによって4ヶ月ほどの制作期間で完成まで漕ぎ着け、昨夏に開催されたイベント「#コンパス ライブアリーナ千葉」にて初めてファンに公開された。


  • 中田英輔/Eisuke Nakata
    美術設定

本作は冒頭からニコニコ動画のコメントを模した実況コメントを演出として盛り込み、クライマックスのシーンでは改めて応援コメントを流すという、ファンの気持ちに寄り添った内容になっている。ニコニコ動画での配信では、この映像にさらに視聴者による本物の実況コメントが重なることでムービーが完成するという、ファンとの交流を体現した内容は好評をもって迎えられた。

「ショートアニメーションで時間は短いながらも、映画的な起承転結をしっかりと盛り込むことをチャレンジとして掲げていました。ファンの方の反応を見ると、それが伝わったようで嬉しく思います」(渡辺監督)。「背景デザインだけではなく、3Dモデルへの張り込みテクスチャや、劇中に登場するインターフェイスのグラフィックなど実際に画面に登場するものまで今回作ることができました。細かいところまでこだわりをもってデザインしましたので、そうしたところをユーザーに見てほしいと思います」(中田氏)。

こうした仕上がりに『#コンパス』開発チームのアートディレクターを務めるNHN PlayArt・藤田大介氏は「カメラと空間を上手に使って内部の広さや世界観を説明しているところや、中盤のカーチェイスのアクション等世界観とバトルを上手に演出されていたところに感心しました。開発も想像していなかった『#コンパス』の世界を創造していただきありがとうございました!」と絶賛。では、この作品がどのように作られていったのかを見ていこう。


  • 藤田大介/Daisuke Fujita
    NHN PlayArt株式会社
    アートディレクター

次ページ:
<2>プリプロダクション

その他の連載