Epic Gamesは6月18日、Unreal Engine 5.8をリリースした。

今回のアップデートでは、新機能メッシュテレインやプロシージャル植生エディタ (PVE)の導入に加え、MetaHuman関連機能の強化などが実施されている。

また、UE6の作業を本格化させるにあたり、UE 5.8はロードマップで予定されている最後のメジャー Unreal Engine 5 リリースと位置付けられている。なお、UE5のバグ修正や不具合対応は今後も継続される予定だ。

Unreal Engine 5.8ー公式リリース

広大なオープンワールド制作に対応する新機能が追加

Unreal Engine 5.8では、オープンワールド制作向け機能が大幅に強化された。

なかでも注目となるのが、新たな実験的機能である「メッシュテレイン」だ。従来のランドスケープツールや2.5D高度フィールドシステムとは異なり、真の3Dメッシュモデルとしてテレインを構築できるため、オーバーハングや浮島、トンネルなどの任意の形状を作成できる。

メッシュはUnreal Editorで直接作成できるほか、外部アプリケーションからメッシュや高さマップをインポートすることも可能だ。さらに、実験的な「プロシージャル植生エディタ (PVE)」も導入され、木々が光を求めて競争したり群生したりするなど、高品質で生物学的に正しい、Nanite対応の植生をゼロから成長させることができる。プロシージャルコンテンツ生成(PCG)では、生成されたコンテンツへの手動編集(アートディレクション)に対応している。

キャラクターとアニメーションのワークフローの効率化

エンジン内のリギングおよびアニメーションツールセットにも複数の機能強化が実施された。

実験的機能である「直接メッシュ コントロール (DMC)」が追加され、アニメーターがキャラクターのサーフェスを直接操作するような感覚でリグを制御できるようになっている。

このほか、スタイライズドキャラクターやMetaHuman向けのブレンドシェイプオーサリングの強化、ベータ版へ移行し既存のアニメーションへ物理演算を重ねられるようになった「コントロール リグ物理」などが含まれる。

バーチャルプロダクション向け機能を強化

バーチャルプロダクション向け機能もアップデートされた。「Live Link ハブ」は正式版となり、複数ソースからのライブビデオフィード監視や、IP経由でのデバイス制御、エディタクライアントの同期を一元的に行えるようになった。

また、「ムービーレンダリンググラフ」が正式版となり、nDisplayサポートやライトごとのプロパティを変更したレンダリング機能などが追加されたほか、「蓄積被写界深度機能」も追加された。

MetaHuman関連機能の進化でリアルなデジタルヒューマンをスケーリング

MetaHuman関連機能も大きく進化した。

「Mesh to MetaHuman」はMetaHuman Creatorへ完全統合され、頭部だけでなくボディにも対応。任意の人間キャラクターメッシュを、完全にリギングされたMetaHumanへ変換できるようになった。

また、MetaHuman Animatorについても機能が拡張され、1台のオフアクタカメラのみで顔と体、またはその両方を同時にキャプチャできるようになった。さらに、新たな実験的アセットタイプである「MetaHumanコレクション」が導入され、距離に応じた高忠実度アクタと低忠実度インスタンスの切り替えによる、大規模な群衆表現を可能にする。

MegaLight正式版やトゥーンシェーダー導入などレンダリング関連機能を強化

リアルタイムレンダリング関連機能も強化された。正式版となった「MegaLight」では、シーンに大量のダイナミックなシャドウ付きエリアライトを配置できるようになったほか、大幅なノイズ低減によりビジュアルの忠実度を最大化できるようになった。

また、Substrateフレームワークをベースに構築された実験的な新しい「トゥーンシェーダー」が導入され、2Dやスタイライズド表現、アニメや漫画風のルック制作に対応するシェーディングモデルとして利用できる。


物理ベースアセット制作関連では、データフローが正式版となったほか、Chaos Clothも正式版となった。クロスオーサリングパイプラインが新しいデータフローベースのクロスパネルエディタへ移行され、パネル駆動型クロージングワークフローとの整合性が高められている。


このほか、Unreal Engine向けに実験的な「MCP (モデル コンテキスト プロトコル) プラグイン」も実装された。LLMシステムがエンジンやプロジェクトに接続して理解できるようになり、アセットやシステムの構築、テスト、最適化などに活用できるという。


Unreal Engine 5.8ー公式リリース

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