ゲーム以外の様々な業種でのUnity開発事例の講演や展示が行われる『Unityソリューションカンファレンス2015』講演内容の一部を発表。基調講演に「ハコスコ」の生みの親・藤井直敬氏が登壇、チケットの追加販売も開始。

マルチプラットフォーム向け統合開発環境「Unity」を提供するユニティ・テクノロジーズ・ジャパンは、近年急速に増加しているゲーム以外の分野でのUnity開発事例に関する講演やUnityユーザー同士の知見の共有、および新規ビジネスの開拓や異業種間の交流を目的としたイベント「Unityソリューションカンファレンス2015」の講演内容の一部を発表した。

Unityを導入してのアプリケーション開発や新規事業をお考えのビジネスパーソン、IT・情報系の学生にとっては今までにない有益な情報交換の場である。また、ゲームミドルウェア業界と関係の遠い企業に勤める方にとっても、コネクションを構築するビジネス交流の場となるだろう。

プログラマーやエンジニアは元より、Unityを詳しく知らないマネージャーや経営者でも昨今のアプリケーション現場で何が起きているかをその目で確かめる機会だ。

基調講演に理化学研究所／株式会社ハコスコの藤井直敬氏が登壇決定

理化学研究所脳科学総合研究センターの適応知性研究チーム・チームリーダーであり、株式会社ハコスコの代表取締役を務める藤井直敬氏が基調講演にて登壇。同氏は長年、適応知性および社会的脳機能の解明に向けた研究に取り組んできた傍らで、2014年には段ボールとレンズでできたHMDにスマートフォンを差し込むVR体験プラットフォーム『ハコスコ』を開発。現在もVR体験を用いたビジネスや、ハコスコを通じたVRマーケットの可能性について研究を続けている。

講演内容の一部を紹介

発表された講演内容は公式Webサイトで確認できる。

・基調講演：ハコスコによるVRビジネスの可能性
・講演者：藤井直敬＜理化学研究所/株式会社ハコスコ＞
・概要　：VRを用いたビジネスの出口は多くの事業者が模索している。潜在的なビジネスの可能性は巨大ではあるが、その突破口となるモデルは未だ構築されていない。そのような中でスマートフォンを用いたカジュアルなVR体験を柱とするビジネスは、そのターゲットとなるユーザー数を考えるとスケールしやすいだろう。本講演では、ハコスコという安価で誰もが楽しめる体験プラットフォームを通じたVRマーケットの可能性について議論したいと思う。

・講演名：UnityでCADデータを利用する！
・講演者：伊藤周＜ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社＞
・概要　：あらゆる産業で利用されている設計支援ツール（CAD）だが、Unityに直接持ってくることができない。しかし本セッションで紹介するソリューションを使えば、誰でも簡単に利用できるようになる。つまりCADを利用している全ての人が、特別なスキルを使うことなく、VRやスマホで自身のCADデータを閲覧できるようになるということだ。講演では実際に綺麗なコンテンツの作り方もレクチャーする。

・講演名：VOCALOID for Unity プロジェクトアップデート
・講演者：石川克己＜ヤマハ株式会社＞
・概要　：8月のCEDEC 2015で発表し、12月下旬にSDKの一般公開を予定している"VOCALOID for Unity"プロジェクトの概要をアップデート。Unity上でのリアルタイム歌声合成のアーキテクチャや開発ワークフローといったテクニカルな話題から、ビジネスモデル、アプリケーション、今後の展望等々のトピックについて、デモを交えながら説明する予定。

・講演名：宇宙・LED / 稲・プロジェクター
・講演者：杉野裕則＜チームラボ株式会社＞　福永秀和＜チームラボ株式会社＞
・概要　：チームラボでは、空間演出やインタラクティブサイネージ・アート作品など、さまざまなコンテンツの作成にUnityを使用している。5万個以上の光源を使ったインタラクティブデジタルインスタレーション作品やプロジェクター20台を使った空間演出作品など、最新の事例を紹介しつつ、詳細に迫る。

・講演名：Unityを活用したVR/ARによる災害想定没入疑似体験システムの開発と
　　　　　市民啓発への活用
・講演者：板宮朋基＜愛知工科大学＞
・概要　：日本は災害大国であり、各自治体でハザードマップの整備も進んでいる。しかし、地図に重畳された情報を読み取り頭の中にイメージできる人は多くはない。講演者はUnityを活用し、ヘッドマウントディスプレイやスマートフォンと紙製簡易ゴーグルを用いて、災害想定を没入疑似体験できるアプリを開発。リスクを直感的に理解できるため教育効果が高く、自治体主催の防災訓練などで多くの市民が体験し危機意識を高めている。