03 Cache Flow
キャッシュジオメトリのフローを解説します。
シミュレーションが完了したら、キャッシュを作成する準備をします。単純にキャッシュを取るのではなく、その後のフローで必要になるであろう準備もこの時点でしておくのが良いでしょう。また、今回は、FLIPとRBDを同時にキャッシュして、後で切り分けるフローにしてあります。
まずは、DOP Import SOPとDOP I/O SOPを使ってDOPから必要なデータを読み込みます【A】。FLIPのように重いジオメトリは、Fluid Compress SOP【B】を使って軽量化します。RBDも必要であればPackなどにしても良いでしょう【1】。
次に、キャッシュしたジオメトリを切り分け、それぞれをUnpackします【C】【2】。RBD側にはPointを新たに作成し、状態としてFLIPと同じ"pscale"を作成したFluidのようにします。これは、まとわりつくFluidを補足するものです【D】。それらを、Particle Fluid Surface SOPを使ってメッシュにします。今回は、SDFに変換したもの【3】をマニュアルで調整しています【E】。
最後にPolygonに変換して完了です【F】【4】。
04 Operators
主要ノードを解説します。
●Fluid Compress SOP&Particle Fluid Surface SOP
今回紹介するノードは、Fluid Compress SOPとParticle Fluid Surface SOPです。
これらは、FLIPのシミュレーションをする上では欠かせないオペレータたちです。それぞれ、PackとVDBという比較的新しいものを利用していますが、それらが登場する以前とは比べ物にならない速度や要領で作業することが可能になっています。
Fluid Compress SOPは、指定した深度以下を間引き、帯域制限をしVDBやPackに変換するため、非常に軽い状態にして保存することが可能です。これによってディスクスペースを確保することができ、またネットワークへの負荷も軽減されます。
併せて、Particle Fluid Surface SOPは、Fluid Compress SOPで失ったデータを再生成できるように設計されており、対にして使用することで、軽い状態でメッシュを張ることができます。Houdiniのメッシュ操作は、VDBの登場で格段に向上しました。さらにディテールを保持しやすいようなしくみを自分で組み込むことも可能なので、非常に汎用性が高いです。
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