2月21日(土)、ゆうばりホテルシューパロ・錦水の間にて「京楽ピクチャーズ.PRESENTS VFX-JAPANアワード2015」の授賞式が催された。今年で3回目となる「VFX-JAPANアワード」。2月19日(木)から2月23日(月)に開催された「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2015」内で表彰式が行われ、各部門の優秀賞4作品の中から最優秀賞が発表された。

劇場公開実写映画部門 最優秀賞『永遠の0』

劇場公開実写映画部門の優秀賞は『魔女の宅急便』、『永遠の0』、『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』、『テルマエ・ロマエ II』であった。その中から最優秀賞は『永遠の0』が選ばれた。代表として渋谷紀世子氏(白組/VFXディレクター)が登壇した。


「この作品は、現場でもとても多くのスタッフに支えられて、さらに仕上げでもたくさんのスタッフが一生懸命、ひとつになってつくったものだと思ってます。スタッフだけでなく、この作品についてものすごく詳しいマニアの方や、この時代の考証で協力していただいた皆様、そういった方たちの思いも全部背負って最後に仕上げていきました。なので、こういった賞をいただけてとても嬉しく思います」(渋谷VFXディレクター)

映画『永遠の0』VFXメイキング(1)巨大航空母艦「赤城」

劇場公開アニメーション映画部門 最優秀賞『STAND BY ME ドラえもん』

劇場公開アニメーション映画部門の優秀賞は『STAND BY ME ドラえもん』、『楽園追放-Expelled from Paradise-』、『劇場版「進撃の巨人」前篇~紅蓮の弓矢~』、『攻殻機動隊ARISE』であった。その中から最優秀賞は『STAND BY ME ドラえもん』が選ばれた。代表として八木竜一氏(白組/アニメーション映画監督)が登壇した。


「この作品はですね、藤子・F・不二雄先生の想像力のすごさをいかに立体化するかという翻訳ですね、それをずっとやってきたわけなんですけども、3DCGという"ひみつ道具"のおかげで何とか完成することができました。スタッフを代表しまして感謝を申し上げます」(八木監督)

『STAND BY ME ドラえもん』予告篇3

テレビ番組部門 最優秀賞『軍師官兵衛』

テレビ番組部門の優秀賞は『シドニアの騎士』、『軍師官兵衛』、『甲殻不動戦記 ロボサン』、『カラーでよみがえる東京~不死鳥都市の100年~』であった。その中から最優秀賞は『軍師官兵衛』が選ばれた。代表として兼沢将人氏(NHK軍師官兵衛VFXチーム/VFXスーパーバイザー)が登壇した。


「このような栄えある賞をいただけたことを本当に光栄に思っております。スタッフを代表してお礼を申し上げます。この作品は、そもそもVFXは"ほぼやりません"ということでスタートした企画です。なので非常に厳しい環境のまま1年間、全50話を制作しないといけない状況でした。そういう苦しみを何とか乗り越えられたのは、主演の岡田さんを"支えていきたい"という思いと、VFXの優秀なスタッフ達の知恵と工夫、それから例年の大河ドラマに比べてテクニカルディレクター、撮影、照明、音声、美術と撮影現場みんなの協力があったおかげです。そのことが、このような評価につながったんだと思います」(兼沢VFXスーパーバイザー)

ゲーム映像部門 最優秀賞『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII』

ゲーム映像部門では『メタルギア ソリッド V グラウンド・ゼロズ』、『グランツーリスモ6』、『KNACK(ナック)』、『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII』であった。その中から最優秀賞は『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII』が選ばれた。代表として生守一行氏(スクウェア・エニックス/ビジュアルワークス部)が登壇した。


「ゲームの発売が多少遅れたこともあり、かなり前につくった映像になるんですが、賞をいただくことができて非常にありがたいと思ってます。常日頃から3DCGというものをしっかり使って良いものをつくっていこうと、スクウェア・エニックスの映像部門では色々なテクノロジーにチャレンジしています。そんな自分たちが、このような賞をいただけたことが、非常にありがたいです」(生守氏)

『ライトニング リターンズ FFXIII』[Opening Movie(日本語版)]

CM・プロモーションビデオ部門 最優秀賞 サントリー『ペプシ 桃太郎 Episode. ZERO 篇/Episode.1 篇』

CM・プロモーションビデオ部門ではPanasonic『4Kソリューション ネイマール不死鳥』篇、サントリー『ペプシ 桃太郎 Episode. ZERO 篇/Episode.1 篇』、双和食品工業『餃子の王国 王国登場』篇、日清『カップヌードル SURVIVE 就職氷河期』篇であった。その中から最優秀賞はサントリー『ペプシ 桃太郎 Episode. ZERO 篇/Episode.1 篇』が選ばれた。代表として河西正勝氏(東北新社/プロデューサー)が登壇した。


「この企画は、実は2012年の頃からありまして、1回サントリーさんでプレゼンしたんですけども、負けちゃってるんですね。それでちがう案になってしまいまして、つくれないっていう悔しい思いをしました。ただ企画はすごく良かったので、何とか実現したいねってことで、実はちがうクライアントさんに持っていったりとか、色々なことをしてたんです。ところが、あるときサントリーさんから"あのときの企画でやってくれないか"と、逆に連絡がありまして......。『やっと、つくれることになった!』と飛び上がって喜んだ思い出があります」(河西プロデューサー)

『ペプシ 桃太郎 Episode. ZERO 篇/Episode.1 篇』90秒 小栗旬 サントリー CM

イベント・LIVE映像部門 最優秀賞 『real-time 3d facetracking & projection mapping OMOTE』

イベント・LIVE映像部門では『SUBARU Our gratitude to the Shinjuku area』、『ISSEY MIYAKE "3D Steam Stretch" Concept Movie』、『real-time 3d facetracking & projection mapping OMOTE』『鶴ヶ城プロジェクションマッピングはるか2014「庄助の春こい絵巻」』であった。その中から最優秀賞は『real-time 3d facetracking & projection mapping OMOTE』が選ばれた。代表として浅井宣通氏(P.I.C.S./プロデューサー)とクワハラヒロト氏(フリー/メイクアップアーティスト)が登壇した。


「本当に賞をいただいたことが嬉しいです。もともとこの作品は、仕事ではなく私的なプロジェクトとしてクワハラくんとつくったものだったんで、ただVimeoにアップしただけだったんですが、それが瞬く間に世界中の人に見ていただけて、色々と話題になったりして僕自身もすごくビックリしてたんですけど......本当にここまで評価していただけて嬉しく思います」(浅井プロデューサー、写真・左)
「僕はずっと顔にまつわるアートをやってるんですけど、顔というのはすごく繊細な苦労があってですね......表現の可能性として、顔がキーになってくるところもあると思います。これからもぜひ、"顔"というところに目を向けていただければと思います」(クワハラ氏、写真・右)

『real-time 3d facetracking & projection mapping OMOTE』 from nobumichi asai on Vimeo

TEXT_真狩祐志
PHOTO_弘田 充

  • 『ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2015』
    開催期間:2015年2月19日(木)~2015年2月23日(月)/会場:アディーレ会館ゆうばり(旧夕張市民会館)、ゆうばりホテルシューパロ、夕張市内会場/主催:ゆうばり国際ファンタスティック映画祭実行委員会、特定非営利活動法人ゆうばりファンタ
    公式サイト