制作:Gediminas Pranckevicius
Web: http://www.gedomenas.com/

はじめに

このメイキングを読んでいる皆さん、こんにちは。まず、読み始める前に、外に出て、太陽やもくもくとした雲、あるいは、小さな星々を楽しんできてください(外が真っ暗なら、家に居ることをお薦めします)。

イメージ

私はちょうど、家に戻ってきたところです。これから私の作品「Wasp Woman Returns(スズメバチ女の逆襲)」について、便利で面白い情報を提供できるようにベストを尽くします。この作品は CGSociety のコンペ XXV「B-Movie(B級映画)」出展のため作成したものです。当時、映画制作に従事していて、映画ポスターにとても興味があったので、このテーマにとても好奇心をそそられました。通常、映画のようなポスターは、とても印象的で明るくカラフルな色使いで、とても面白い構図になっています。悲惨で恐ろしい内容であったとしても、楽しめる部分が数多くあるのです。

やりやすくするために、私は映画タイトルを付けていませんでした。代わりに、インターネットで古いポスターを見つけてきて、その時代のスタイルから逸れないように刺激をもらいました。まず最初に、小さなスケッチをいくつか作成、元のイメージと異なる構図にします(図01)。

図01:小さなスケッチをいくつか作成、元のイメージと異なる構図にします

3ds Max を使って、背景にリアルなパースペクティブを作成しています。これは、ニューヨークのストリートやビルを作成する目安になります。また、3D の平面で道を作成、ディテールの代わりに、ビルなどにはボックスを追加しています(図02)。

図02:3D の平面で道を作成、ディテールの代わりに、ビルなどにはボックスを追加しています

Photoshop で、シンプルな小さい窓をペイントしていきます(図03)。

図03:シンプルな小さい窓をペイントしていきます

これらは超高層ビル、店舗や家などに追加、適用する素材になります(図04)。

図04:超高層ビル、店舗や家などに追加、適用する素材になります

続けて、キャラクターになる予定のオブジェクトを作成します。黄金比に従い、配置していきます(図05)。

図05:黄金比に従い、配置していきます

次は、3ds Max で窓にアンビエントオクルージョンをレンダリングして、着色を始めます。私は主に、[なげなわツール]と[グラデーションツール]で色を適用していきます(図06)。

図06:[なげなわツール]と[グラデーションツール]で色を適用していきます

この手順を終えたら、本チュートリアルの醍醐味に移りましょう。スズメバチ女の作成です。Photoshop の[ペンツール]で慎重に顔を描いたら、選択範囲を作成して塗りつぶします([Ctrl]+[Delete]キー)。次に、[ペンツール]とソフト円ブラシで、少しずつ、影、ハイライトを追加していきます(図07)。

図07:[ペンツール]とソフト円ブラシで、少しずつ、影、ハイライトを追加していきます

スズメバチ女の足、自動車、怯えて逃げ惑う人々は、すべて同じワークフローで作成しています。

正しい順序で作業を進めようとしましたが、これは、私にとって大きな実験的試みであり、正しいパスを見つけるために多くの時間を費やしました。そして、それらのほぼすべてが別々の要素に進化していきました。また、図08 のビルは一見の価値があります。ビルやその周りのペイントが素晴らしいルックになってきたので、3ds Max で、モデルにもっとディテールを加えることにしました。そして、リファレンスとするビルの写真を見つけて、3Dモデルを作成しました。アンビエントオクルージョンマップをレンダリングして、Photoshop でペイントしています。

図08:リファレンスとするビルの写真を見つけて、3Dモデルを作成しました

今回の制作で面白かったもう1つの作業は、スズメバチの身体や髪で使用したカスタムブラシの作成です(図09)。

図09:面白かったもう1つの作業は、スズメバチの身体や髪で使用したカスタムブラシの作成です

図10:最終イメージ

オリジナルURL(英語):
http://www.layerpaint.com/index_tutorial_detailed.php?id=1887

※このチュートリアルは、書籍『Digital Painting Techniques 3 日本語版』にも収録されています (※書籍化のため一部変更あり)。

翻訳:STUDIO LIZZ 編集:3DTotal.jp



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