Parth Shah氏は4月1日(水)、Unreal Engine向けプラグイン「Camera Techvis Pro」をFabでリリースした。バーチャル空間でのカメラワークから物理的な速度、アクターまでの距離、床からの高さ、レンズデータなどをリアルタイムに自動計算するTechvis(Technical visualisation)ツール。対応するUnreal Engineのバージョンは5.7、価格は個人クリエイター・小規模チーム(収益10万ドル以下)向け「Personal」ライセンスが11,154円、スタジオや法人向け「Professional」ライセンスが15,936円。
「Camera Techvis Pro」は、Unreal Engine内の「Cine カメラ アクタ(CineCameraActor)」にコンポーネントを追加することで、実写撮影時に必要となる物理的なデータを自動算出する。Target Characterを指定することで焦点面から特定のアクターまでの正確な距離を計算できるほか、ターゲットを指定しない場合はレーザートレース(仮想的な光線による測定)を前方に放ち、床の深度や対象物との距離を視覚化する機能を持つ。また、グローバルユニットコントロール機能により、メートル法(Metric)とヤード・ポンド法(Imperial)をワンクリックで瞬時に切り替えることができ、国際的な制作チームでのデータ共有を容易にする。
Camera Techvis Proは独自のヒューリスティックアルゴリズムを用いた「Grip Suggestion Engine(撮影特機提案エンジン)」を搭載する。これは、Unreal Engine上のカメラの高さ、物理的な移動速度、およびロール軸(カメラの左右の傾き)のテレメトリ(遠隔測定データ)をリアルタイムに評価し、現実の物理的なセットで仮想カメラの動きを再現するために必要な実際の撮影特機(グリップ)を提案するもの。
時速1〜7キロメートルの歩行速度であればステディカムやテクノドリー、高さ2.5メートルから9メートルのショットであればテクノクレーンやスコーピオといった具体的な機材が提示されるため、仮想空間でのカメラワークを現実の撮影計画へ実用的に落とし込むことが可能となる。
映像の出力機能として、Unreal Engineのムービー レンダー キュー(高品質映像出力機能)に統合されたバーンインシステムを備える。カスタムレターボックス(画面上下の黒帯)のアスペクト比や、アクションセーフ、タイトルセーフといったメタデータオーバーレイをエディタ上でデザインでき、最終的なレンダリング画像に情報を埋め込むことができる。画面上にはタイムコードやカメラオペレータ名のほか、マルチラインテキストボックスによるカスタムコメントを焼き付けることができ、監督や現場クルーへの直接的な指示書として機能する。
■Camera Techvis Pro(Fab)
https://www.fab.com/listings/68f8d712-bdbd-4242-bd21-e1da5852eecf
■Camera Techvis Pro Unreal Engine 5.7 Plugin Documentation(Googleドキュメント)
https://docs.google.com/document/d/1mVdrxZhBNf8Ulfoy-ZUmq0WUxyg8UhpuIPTjCftmgKY/edit?usp=sharing
Parth Shah氏について
Parth Shah氏は、イギリスのVFXスタジオDNEG(旧Double Negative)における、バーチャルプロダクション分野のクリエイティブスーパーバイザー。インカメラVFXやTechvisなどの技術に知見を持ち、国際的業界団体Visual Effects Society India Chapterのボードメンバーも兼任する。
2020年にはインド初となるLEDウォールを用いた撮影スタジオの設立を牽引し、同国のデジタル映像制作環境整備に貢献。業界メディアAnimation Xpressの「40 under 40」に選出されたほか、インド映画『Ramayana』でもバーチャルプロダクションスーパーバイザーを務める。
■Parth Shah(IMDb)
https://www.imdb.com/name/nm15221880/