3DCGアーティストのKou Nakamura(中村 航)氏は5月26日(火)、実写&VFX業界向けサービス「ロケハン3D」の提供を開始した。ロケハン作業を3D空間内で行えるサービスとして、3DGS(3D Gaussian Splatting)で取り込んだデジタルツインを用いて、撮影前の段階でアングルや焦点距離、ライティングなどの高度な事前検証を可能にする。公式サイトではWebビューアの利用と、デモデータのダウンロードが可能。
実写&VFX業界向けの、ロケハンを3Dで行うことができる"ロケハン3D"サービスを開始しました!
— Kou Nakamura (@Kou45388803) May 26, 2026
空間そのものを共有し、制作進行、撮影現場、クライアント、CG制作をWebブラウザで繋げ、クリエイティブの底上げを狙います!…
「ロケハン3D」は、データの取得には、LiDARと複数カメラを統合したSLAM(自己位置推定と環境地図作成)型のスキャナ「XGRIDS PortalCam」やドローン空撮を用い、屋内から街区スケールまで連続スキャンに対応する。標準入力フォーマットとしてPLY形式に対応するほか、軽量描画に特化したRAD形式もサポートし、それらを含む全10種類のファイルを読み込み可能。
オフライン動作も可能なChromeアプリケーションとして提供
ロケハン3DはChromeアプリケーションとしてブラウザ上で高負荷な処理を完結できるよう設計されている。スキャンしたデータをブラウザに読み込ませるだけで、最大200万点規模のキャッシュを活かした滑らかな視点移動が、スマートフォンやタブレット端末でも実現する。初回読み込み以降はインターネット接続がないオフライン環境下での動作にも対応するほか、内部処理は全てローカル環境で行われるため、機密データの漏洩リスクもない。
撮影部・監督向けの高度な各種機能も提供
撮影部や監督に向けた極めて実務的な機能として、実機と等価のレンズシミュレーション(仮想カメラ)も実装。センサーサイズや焦点距離、アスペクト比、ホワイトバランス、パンやティルトといった細かな設定をChromeブラウザ上で忠実に再現できる。これにより、ARRIやREDなどのシネマカメラを想定した画角を撮影前に絞り込むことが可能となる。
さらに、検証した構図はフルHD(1,920×1,080)のJPEG画像として書き出すことができ、画像外のフレームには撮影日時、座標、レンズ情報、ショット番号などのメタデータを焼き付けることができる(バーンイン)。この画像を再度ロケハン3Dに読み込ませることで、当時のカメラ位置や全設定を即座に復元する位置サルベージ機能も備えている。
主要DCCツールとの相互運用とVFXワークフローのシームレス化
取得した3DGSデータは、Unreal Engine 5、Blender、Maya、Houdini、After Effects、Nukeといった主要DCCツールにインポート可能。データは実空間スケールかつセンチメートル精度で取得されていることから、MochaやSynthEyesなどを用いた3Dカメラトラッキングのジオメトリ基準として直接利用できる。また、環境光を疑似HDRIとして再着色し、時間帯や天候ごとのライティング検証を行うこともできる。
■ロケハン3D公式サイト
https://web.locahun3d.com/
CGWORLD関連情報
●NVIDIA、物理シミュレーション対応の3D環境構築フレームワーク「Lyra 2.0」公開 長時間のウォークスルー動画生成と高品質な3Dシーン出力で大規模な環境構築を実現
NVIDIAのSpatial Intelligence Lab(SIL)が、探索可能な生成3D世界を構築する新たなAIフレームワーク「Lyra 2.0」を発表。カメラ操作の可能なウォークスルー動画を生成し、フィードフォワード再構成技術によって3D空間を生成することで、大規模で複雑な3D環境の構築を実現する。ソースコードはApache-2.0ライセンスでGitHubにて、モデルはNVIDIA Internal Scientific Research and Development Model License(非商用の研究開発用途限定)でHugging Faceで公開されている。
https://cgworld.jp/flashnews/01-202605-Lyra2.html
●World Labs、Web向け3DGSストリーミングLoDシステム「Spark 2.0」リリース Three.jsを基盤に構築、オープンソース
World LabsがWebブラウザ上で動作する動的な3DGS(3D Gaussian Splatting)レンダラ「Spark 2.0」をリリース。新たにLoD(Level-of-Detail)システムとストリーミング機能が導入され、巨大な3Dワールドを最適化し、あらゆるデバイスへ高品質にストリーミングするための高度なシステム設計を備える。GitHubでオープンソース(MITライセンス)として提供されている。
https://cgworld.jp/flashnews/01-202605-Spark20.html
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Niantic Spatialが従来から提供してきた「Scaniverse」を刷新し、ビジネス向け空間インテリジェンスサービスの入口となるプラットフォームとして新たに提供を開始。併せて、事前の空間スキャンなしで機能するグローバル規模の視覚測位システム「VPS 2.0」と、各種プラットフォームに対応する開発キット「NSDK 4.0」もリリースした。
https://cgworld.jp/flashnews/01-202604-Scaniverse.html