7月3日(木)より韓国・富川市で開催される第29回プチョン国際ファンタスティック映画祭(BIFAN)において、串田壮史監督の最新作『ラストドリーム』(10分/SF/英語)が、「Bucheon Choice: AI Films」部門に正式招待され、世界初上映(ワールドプレミア)されることが決定した。
本作は、ピラミッドフィルムが新たに設立した「PYRAMID AI」による初のAI映画作品だ。全編にわたって生成AIによる映像・台詞・音楽で構成されたAI映画であり、AI技術の最前線を象徴する作品として、国際的な注目を集めている。本予告編も本日よりYouTubeで公開した。
AI映画の最前線でのワールドプレミア
第29回プチョン国際ファンタスティック映画祭(BIFAN)はアジア最大のジャンル映画祭。『ラストドリーム』が正式招待された「Bucheon Choice: AI Films」部門は、2024年に新設されたAI映像に特化した国際的なコンペティション部門である。AIによって制作された物語映画の革新性と完成度を競い合うこの部門は、昨年、フランスの『Where Do Grandmas Go When They Get Lost?』が最優秀AI映画賞を、韓国の『Snowfall』が技術功労賞と観客賞のダブル受賞を果たすなど、大きな注目を集めた。
今年、この部門の最前線において、串田監督による全編AI生成の実験的短篇『ラストドリーム』が世界初上映されることになる。

“46億年の地球の走馬灯”──あらすじ
新たなる世界⼤戦により地球が壊滅し、最後の⼈類となってしまった宇宙⾶⾏⼠。ひとりぼっちで光のない空間を漂う彼は、目の前に現れた神秘的な岩と共鳴し、ビッグバンによる地球の誕⽣から滅亡までのめくるめく46億年の⾛⾺灯を⾒る。壮大なSFフィクション。
監督ステートメント

串田壮史
1982年、⼤阪⽣まれ。ピラミッドフィルムに所属。
⻑編デビュー作『写真の⼥』(2020)は、東京国際映画祭、ファンタジア、フライトフェストなどに正式出品され、40の賞を受賞。続く『マイマザーズアイズ』(2023)は、「J ホラー第三の波」を切り拓く作品と評される。 三作⽬となる『初級演技レッスン』(2024)は、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭のオープニングのために製作された。
「死にゆく魂は、走馬灯によって人生の意義を見つける。」
この概念は、時代や民族を越えて語り継がれています。それは、人生の意味が“死”によって照らし出されるという普遍的な真理を内包しているからかもしれません。
では、地球という、この世界で最も長く生きている存在は、自らの“死”に何を思うのでしょうか? 絶え間なく生と死を繰り返してきたその身体にとって、死さえもまた新たな生命の始まりに過ぎないのかもしれません。
『ラストドリーム』は、パンデミックや戦争によって“絶滅”を強く意識せざるを得なくなった現代人類に対して、「地球という存在の走馬灯は、私たちに何を見せるのか?」という問いを投げかける作品です。
ピラミッドAIについて
『ラストドリーム』は、ピラミッドフィルムが新たに設立した「PYRAMID AI」による初のAI映画作品である。
PYRAMID AIは、創業47年を誇る老舗映像制作会社ピラミッドフィルムが、生成AIを活用したクリエイティブ領域に本格進出するために立ち上げた新組織。映像制作、AIプロンプト設計、コンサルティング、生成支援など、多岐にわたるサービスを通じて、AIとクリエイターの協働による新たな映像表現を探求している。
『ラストドリーム』は、その第1弾プロジェクトとして、AIによる物語生成・演出・音響設計を本格的に実装した、日本初の事例となる。
