電通グループ(以下「電通」)、Roblox Corporation(以下「Roblox 社」)、文化服装学院は、ゲームと制作のための没入型プラットフォーム「Roblox」を活用した「デジタルファッションプログラム(以下、本プログラム)」を開講する。

デジタルファッション市場での将来のキャリアに必要となるスキル学習を目的とする本プログラムでは、4月に文化服装学院が新設した「バーチャルファッションコース」の後期授業(2024年10月~2025年2月)を提供する。

デジタルファッションプログラムについて

授業で学生は、Roblox上でのデジタルファッション制作のプロセスを総合的に学び、デジタルファッションデザインの職業に就くためのスキルを習得する。また、GeekOutの協力のもと、実践的なカリキュラムが提供される。デジタルファッション制作に加え、物理的なファッション制作も並行して行い、2025年2月の卒業制作発表会で成果を発表する予定だ。

2023年11月にRoblox社が発表したデジタルファッションに関するレポート「The 2023 Roblox Digital Expression,Fashion & Beauty Trends」では、デジタルでの自己表現とファッションが Z 世代にとって重要であることが明らかになった。Z世代の多くは、Robloxのような仮想プラットフォームで交流しながら成長してきた。Z世代の1,500人以上を対象とした調査では、回答者の半数以上(56%)が、アバター(自分をデジタルに表現したものであり、多くのバーチャル空間で同じものを使用できる)のスタイリングを行うことが、実世界の自身のスタイリングよりも重要だと回答した。調査対象となったZ世代の84%は、実世界の自身のスタイリングは少なくともある程度は自分のデジタルアバターのスタイリングに影響を受けていると答えており、88%はメタバース内で自己表現をすることは、実世界で自己表現する自信を持つことに役立っている可能性が高いと答えている。

また、このレポートでは、2023年の1月~9月にRoblox上で、ユーザーが自身のアバター用のデジタルファッションアイテムやアクセサリーを16億アイテム近く購入し、前年同期比で15%増加したことも明らかになった。併せて、ファッションブランドやラグジュアリーブランドの参入が相次いでおり、メタバース上でファッションコレクションを発表したり空間を発表したりしている。このことは、ファッション業界においてバーチャルファッションの影響力が増していることを示す更なる兆候といえる。

これらの背景を受け、デジタルファッションを提供するデザイナーの需要は高まっているが、デジタル知識とリアルなファッションの知識、その双方を兼ね備えたデザイナーは少なく、早期の育成が課題となっていた。特に昨今では、CGの知識のみでなく、デザイン、パターニングなどオーセンティックなリアルファッションの知識を持つデザイナーが求められている。

そこで文化服装学院、電通、Roblox 社は、新たなデジタルファッションデザイナーの育成とキャリア機会の支援を目指し、国内初のRoblox上でのデジタルファッションのプログラムを開講する。これは、2023年にRoblox社がパーソンズ美術大学(在米国NY市)と世界初のデジタルファッションコースを開始した取り組みに続く第2弾の試みであり、日本で初めてRoblox社が公式支援を提供するプログラムだ。

※GeekOutは、世界最大手の没入型ソーシャルプラットフォームを運営するRobloxおよび国内外Robloxワールド開発スタジオと連携して、メタバース進出支援サービスを提供している。

文化服装学院アパレル技術科3年次選択コース「バーチャルファッションコース」

本プログラムは、3D モデラー育成を教育の目標として、2024 年に文化服装学院にて開講。アパレル業界で使用されて いる3Dソフトを使用した実践的なカリキュラムを導入している。3Dデータを写真のように写実的に表現する方法を学ぶと同時に、ゲーム空間へのデータ転送など、3DCG でしか表現できないものを制作するクリエーションツールとしての活用方法を学ぶ。

Instagram:www.instagram.com/bunka_vf
Tiktok:www.tiktok.com/@bunka_vf 

電通について

株式会社電通グループは、国内約150社、海外約650社から成る企業集団を統括する純粋持ち株会社である。2023年度からは、Japan、Americas、EMEA、APAC の4事業地域を直接統括し、グループ全体の成長持続および競争力強化に向けた各種環境の整備と支援、ならびにグループガバナンスを推進している。社内には、電通グループ全体のR&D組織「電通イノベーションイニシアティブ」を擁している。

Robloxについて

ロブロックスはゲームと制作のための没入型プラットフォームだ。無数の方法で交流が可能で、ユーザーは、独自のバーチャル体験を無限に遊んだり、制作したり、共有したりできる。ロブロックスのビジョンは、安全性とマナーを基盤とした楽しい環境で、人々のつながりのあり方を変革することだ。そのために、社会基盤を強化し、世界中の人々の経済成長を支援する革新的な企業を、ロブロックスコミュニティと共に構築している。

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2023年6月、電通とRoblox社はグローバルパートナーシップ(Roblox Partner Program)を締結し、電通は国内外市場において Robloxの総合的なコンテンツ開発と運用支援を推進している。本プログラムは、電通が最近発表した「House  of Creators」プロジェクトの一環であり、プロジェクトパートナーであるRoblox社の公式サポートのもと、次世代のデジタルファッションデザイナーを育成することを目的としている。

Robloxのファッション、ラグジュアリー、小売りパートナーシップ責任者 Winnie Burke(ウィニー・バーク)のコメント

Robloxのようなクリエイティブな没入型空間に親しんで育った世代にとって、デジタルアイデンティティや、アバターが身につける服 やアクセサリーを通じて自己表現するという概念は、既に慣れ親しんだものであり、活力を与えてくれる考え方です。直近10年でRoblox上のデジタルファッションが急速に成長し、今では世界的に有名なファッションブランドから新進気鋭のデザイナーまで、誰もが自分の作品を求めるユーザー層を見つけることができるようになったのは素晴らしいことです。今回の文化服装学院、電通との提携により、日本から新しい世代のデザイナーが誕生することを期待すると共に、本プログラムに参加する学生たちが生み出す独創的なデザインを見ることを楽しみにしています。