William Faucher氏は7月7日(火)、Unreal Engine用リアルタイムオーシャンシステムプラグイン「Easy Waterscape」をFabでリリースした。本ツールは、AAAタイトルの水面表現に用いられる数学的な波の計算モデル(TessendorfおよびJONSWAPスペクトラム)による真のFFT(高速フーリエ変換)海面シミュレーションを、単一のブループリントで手軽に実現できるツール。対応するUnreal Engineはバージョン5.7以降、価格は個人ライセンスが9,747円、スタジオ向けのプロフェッショナルライセンスが48,745円。
ブループリントだけで実現するリアルタイムFFT波シミュレーション
「Easy Waterscape」は、全パラメータ制御が単一のブループリントに集約され、ツールチップによる解説も完備。ループするノイズ画像で波を偽装するのではなく、波同士が重なり合って相互作用する実際の水面をシミュレーションする。
波の形状は、風速やフェッチ(風が海面を吹き渡る距離)を用いて波のサイズや周波数を制御できる。Faucher氏はWave Directionality(波の方向性)を0.75から0.95の間に設定することで、全方位からの不自然な波紋を防ぎ、一方向に向かう自然な波の広がりを得られると推奨する。
また、広範囲の海面を描画する際に生じるタイリング問題に対しては、波のキャプチャ範囲であるPatch Sizeを調整した上で、オフセットやBlend Rangeの数値を入力してパターンを人為的に崩すことで対応できる。
境界ボックスを用いたCoastMakerによる海岸線の自動生成
海岸線に沿って波が打ち寄せ、砕け散る表現を作成できるツール「CoastMaker」をビルトイン。レベル内にバウンディングボックスを配置し、サイズを調整することで内部のLandscapeデータをキャプチャし、海岸線の波やフォームを自動的にベイク処理する。入り組んだ湾など波の侵入が不自然になりがちな狭い地形においては、Blurパラメータ値を引き上げることで波のテクスチャマップを滑らかに補正することもできる。
処理負荷と用途に応じた3種類の浮力シミュレーション
水面にオブジェクトを浮かせる浮力(Buoyancy)機能として、処理負荷と品質の異なる3つのアプローチを用意。最も軽量な「Material Function」は頂点シェーダ(World Position Offset)に接続して疑似的に波の動きを拾うもので、遠景の単純なオブジェクトに適する。次に、GPU上で動作しパフォーマンスに優れる「Niagaraシステムブループリント」は、水面に散乱する瓦礫などの量産配置に推奨。そして、ゲームプレイのロジックや物理演算を必要とするメインアクター向けには、あらゆるオブジェクトにアタッチ可能な「ブループリントコンポーネント」を使用できる。
ライセンスと価格
Easy WaterscapeはWindows環境のUnreal Engine 5.7〜5.8に対応し、Mac環境については未テストながら動作する見込みとされている。ライセンス形態は2種類用意され、過去12か月の収益または資金調達額が10万米ドル以下の個人クリエイターまたは小規模チーム向けの「個人」ライセンスが9,747円、10万米ドルを超えるスタジオ向けの「プロフェッショナル」ライセンスが48,745円となっている。
■Easy Waterscape - Realtime Ocean & Water System(Fab)
https://www.fab.com/listings/ddd28113-6f59-4ba3-bf60-ad7b1920a547
■Introducing EasyWaterscape for Unreal Engine 5(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=dXuwb4PpodQ
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