Nore Pollentier氏は、Unreal Engine 5を用いた背景作品「Ruined stairway - Unreal Engine scene」とそのブレイクダウンを自身のArtStationで公開した。自作アセットとMegascansのアセットを組み合わせつつ、ライティングとコンポジションによって視線を誘導する空間構築に焦点が当てられている。大気やフォリッジ、マテリアルの表現など、実践的な試行錯誤のプロセスをまとめている。
独自アセットとワールドアラインマテリアルの活用
シーンを構成する石造りのアーチや柱、破損した壺などは自身でモデリングとテクスチャリングを実施。石壁などの広範囲に適用されるベース素材には、World Aligned Materialを採用している。これにより、UV展開に依存せずワールド空間の座標を基準にテクスチャが投影されるため、モジュール式のアセットを繋ぎ合わせた際や、スケールを変更した際にもテクスチャの歪みや不自然な継ぎ目が発生しない。また、樹木などのフォリッジ表現については、UE標準のProcedural Foliageツールを活用し、葉などのアセットを効率的に配置して自然な植生を構築している。
Light Functionを用いた柔らかな影の生成と負荷の可視化
複雑な構造物や植物越しに落ちる影を表現する際、シーン全体で物理的に正確なソフトシャドウを計算しようとするとノイズが発生しやすく、描画負荷も高くなる。そこで本シーンでは、スポットライトにノイズパターンのテクスチャを適用したLight Functionを使用している。これにより、計算負荷を抑えつつノイズレスで柔らかな疑似的なソフトシャドウを地面に投影している。
また、ライティングのComplexityを示すヒートマップ表示を活用し、ライトのオーバーラップによるパフォーマンスへの影響を可視化して管理。コンポジションの観点では、最も明るい領域をフォーカルポイントとして設定し、明暗差を利用して自然に視線を奥へと誘導している。
World Position Offsetを用いた頂点アニメーションとブロッキングによる画面整理
植物の自然な揺れを表現するため、マテリアルエディタ内でWorld Position Offset(WPO)とSimpleGrassWindノードを組み合わせた頂点アニメーションを構築。処理負荷を軽減するため、全テクスチャ解像度を2K以下に抑え、さらにWPOによるアニメーションは近景のフォリッジのみに適用することで最適化している。
ライティング設計では、前景・中景・後景のレイヤーを明確に分離。特に背景の森のディテールが過剰なノイズとなって視線を妨げないよう、光を遮るための見えないボックスを配置し、意図的に背景のコントラストを落として情報量をコントロールしている。
リファレンスに基づくブロックアウトとイテレーション
制作の初期段階では、実在する廃墟や植物に覆われた階段などのリファレンス画像を多数収集し、2Dのアイデアスケッチから3Dのブロックアウトを作成。この段階で、鑑賞者の視線を奥のアーチへと導く導線を設計している。完成に至るまでのプロセスでは、作業中の画面に対してペイントオーバーを行い、露出の修正や色の追加、背景のノイズ軽減、アーチへのフォーカス強化といった課題を洗い出すイテレーションを繰り返したとのこと。
■Ruined stairway - Unreal Engine scene(ArtStation)
https://www.artstation.com/artwork/QKl30d
CGWORLD関連情報
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https://cgworld.jp/flashnews/01-202607-UE-BakedLight.html
●Stefan Vaskevich氏、UE5に3DGSを取り込み実用的なFPSで運用するローカルパイプライン解説動画を公開 プラグイン導入から外部ツール&生成AI活用まで
Stefan Vaskevich氏が動画「3D Gaussian Splats in Unreal Engine 5 Is Insane — and It’s Free」を公開。3DGS(3D Gaussian Splatting)のデータをUnreal Engine 5環境へインポートし、軽量かつリアルタイムに描画するため、AIモデルによるアセット生成、コリジョン付与、描画負荷最適化などのワークフローを解説している。
https://cgworld.jp/flashnews/01-202607-UE5-3DGS.html
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C-Animo Studiozが動画「Unreal Engine 5.8 Is Insane | Metahuman Animator Markerless Mocap | Dance Video」を公開。Unreal Engine 5.8の新機能「MetaHuman Animator Markerless Motion Capture Plugin」を用いて、単一の動画ファイルから動きを抽出し、MetaHumanにアニメーションとして適用するワークフローを解説している。
https://cgworld.jp/flashnews/01-202607-UE58-Mocap.html