『Framed Ink』シリーズ著者による初のオンラインコースで再登場!
『Framed Ink』『Framed Perspective』シリーズで知られるマルコス・マテウ=メストレ氏。
映画『ヒックとドラゴン2』『長靴をはいた猫:最後の願い』など数多くのハリウッド作品で絵作りを手がけてきた巨匠が、2025年6月に開催された「Let’s ART IN 田舎 ’25 鞆の浦」で披露したワークショップを、期間限定でオンライン再配信します。
映像・アニメーション・ストーリーボード・コミックなど、“物語を語る絵作り”の核心に迫る貴重な内容となっています。
講座の内容
『Framed』シリーズで知られる著名なアーティスト、マルコス・マテウ=メストレ氏は、ハリウッドでストーリーを追求した絵作りを映画制作に実践してきました。その集大成として、フレイムドインクシリーズの教本を執筆し、世界中で高く評価されています。映画製作において、絵作りのレイアウトは欠かせない要素です。
今回の日本での講座では、マルコス氏が彼の本をもとに用意した盛りだくさんの内容が提供されます。講義では、ストーリーテリングの技法を使い、受講生が現地で課題をこなす中で、マルコス氏の講評を受けることができます。特別にアレンジされた直接ハンドオンでのクラスと、毎回の講義に沿った課題をこなす午後のワーク時間を通じて、制作を学ぶ3日間のブートキャンプスタイルのコースが開催されました。本アーカイブ配信はマルコス・マテウ=メストレ氏の著書『物語の世界をデザインする』の発売を記念して特別に配信・販売されます。

本講義では、アニメーション、映画、ストーリーボード、コミックなど、映像表現のためのビジュアル・ナラティブの基礎を徹底的に学びます。業界で必要とされる理解力と自信を身につける絶好の機会です。
講義は以下の3つのフェーズに分かれて構成されています:
1.ライティングと構図
ライティングやカメラアングル、レンズの使い方、さまざまな画面フォーマットにおける構図の考え方など、ショットを構成するための技術と理論を学びます。
2.パース(遠近法)
キャラクターと背景が共存する空間を正確に捉えるためのパースの使い方を解説。ストーリーテリングを支える空間認識を深めます。
3.環境デザイン
物語世界の構築について掘り下げます。キャラクターの背景や周囲にある環境が、ストーリーの舞台・雰囲気をいかに効果的に作り出すかを、理論と実践の両面から探ります。
単なる「やり方(how)」だけでなく、「なぜそうするのか(why)」にも焦点を当て、理解と応用力を深めていきます。
カリキュラム
Day 1 – ライティングと構図
ライティングや明暗法(キアロスクーロ)を用いた物語的な構図の原則
事実を語ると同時に感情を伝えるマインドセット
その瞬間の「物語のポイント」に観客の視線を集中させる技術
レンズの使い方
形の言語(シェイプランゲージ)の活用
構図の実例分析
流れる線の効果
緊張と緩和(プレッシャーとリリース)
異なるフォーマットに合わせた構図の設計
緊張感の段階的な構築
同じ感情を異なる視覚要素で表現する
同じ要素を再構成して異なる意味を伝える
画面の分割とその意味づけ
意味のあるショットの構成法
クライマックスに向けた構図の盛り上げ
ナラティブ構図のさまざまなケースと実例
映像デモ
Day 2 – パース(遠近法)
パースの基本
一点透視図法
パース内で等分割する方法
パースがショットの印象をどう変えるか
二点透視図法
望遠レンズと広角レンズ効果の両立
パースで橋を描く
タイル床のパース(パースグリッドの作成)
パース面を等分割する別の方法
消失点が紙の外にある場合の対処法
多様な消失点の活用
三点透視図法(煽り・俯瞰)
傾斜面の描写
映像デモ
Day 3 – 環境デザイン
一貫性のあるビジュアル言語の構築
ビジュアル階層の構築と画面内の優先順位づけ
オブジェクトが「そう見える」理由
同じタイプのロケーションに対する2つのアプローチとその理由
・ロケーション#1:アメリカ北東部風
・ロケーション#2:地中海風
境界を押し広げるケースA:直線的な形の言語
境界を押し広げるケースB:曲線的な形の言語
異なる要素を並置することで独特の雰囲気を生み出す
スケール感の表現
雰囲気づくりが環境デザインに与える影響
ストーリーが進むごとに変化する環境
天候と時間帯の演出
映像デモ

マルコス・マテウ=メストレ 氏
マルコス・マテウ=メストレ(スペイン、パルマ・デ・マジョルカ生まれ)は、映画アニメーションの分野で30年以上の経験を持つリードアニメーションデザイナーであり、グラフィックノベルアーティストです。彼の映画クレジットには、『バルト』、『エジプトのプリンス』、『アステリックスとヴァイキング』、『サーフズ・アップ』、『ヒックとドラゴン2』、『長靴をはいた猫:最後の願い』などがあります。主にドリームワークス・アニメーション、ネットフリックス・アニメーション、ソニー・ピクチャーズ・アニメーションでの仕事において、彼は環境デザインやフレーム構図、ライティング、視覚的連続性といった映画的要素に注力してきました。また、ネットフリックスの壮大な長編アニメ映画『ウルトラマン:ライジング』ではプロダクションデザイナーを務めました。映画の仕事に加えて、マテウ=メストレは『フレームド・インク:ビジュアル・ストーリーテラーのための描画と構図』、『フレームド・パースペクティブ Vol.1』、『フレームド・パースペクティブ Vol.2』、『フレームド・ドローイング・テクニークス』、『フレームド・インク Vol.2』などの国際的ベストセラーを執筆し、これらの書籍は数多くの言語に翻訳され、さらに広い範囲に影響を与えています。彼はまた、10年以上にわたり、絵画、イラストレーション、ビジュアルストーリーテリングの技術を教えてきました。現在、マテウ=メストレはロサンゼルスに在住。