Foundryは、韓国のVFXスタジオ「M83」が手がけたNetflixシリーズ『おつかれさま』のVFX制作事例を公開した。

全16話を通して約9,800ものVFXショットが制作された本作では、Nukeの2.5Dプロジェクション機能やトラッキングなどを活用し、1960年代から2000年代初頭の済州島とソウルの街並みを再現。その制作ワークフローを紹介している。

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歴史的な街並みの再現と時代の空気感を追求した映像表現

本作では、半世紀にわたる壮大な物語を描くにあたり、歴史的な環境を正確に再現することが最優先課題とされた。VFXスーパーバイザーのSong Yong-gu氏は「私たちは単に当時の風景を再現するのではなく、それぞれの時代ならではの空気感を表現することを目指しました」と説明する。


こうした映像表現を実現するため、3Dアセットと大規模なマットペインティングを組み合わせる手法が採られた。


Nukeの2.5Dプロジェクション機能やトラッキングを活用した街並みの再構築

多様な2D・3D素材を統合する工程では、Nukeを中心としたワークフローを採用。Nukeの2.5Dプロジェクション機能はプレート拡張や背景コンポジットに活用され、本来フル3Dレンダリングが必要となる工程の一部を効率化した。


また、マットペインティングを用いたショットではトラッキングを活用することで、多くのショットを従来のマッチムーブなしで処理。カラー管理にはACESパイプラインを採用し、2Dと3Dのアーティストが共通のカラースペースで作業できる環境を構築した。


Song氏は、「こうした多様な2D・3D素材を統合し、細部まで調整していくうえで、Nukeは間違いなく最適なソリューションでした」とコメント。さらに、「Nukeのノードベースのアーキテクチャによって、同じシークエンス内の異なるショットを複数のアーティストが担当する場合でも、色調やトーンの統一をスムーズに保つことができました」と、その利点を語っている。

暴風雨や荒れ狂う海を、SFXチームと連携して表現

制作の中でも難易度が高かったという海上シーンでは、嵐の表現に実際の台風の資料を参考に活用。オープンセットへ水を流し込む演出では特殊効果(SFX)チームと連携し、実際の水の動きとデジタル処理を組み合わせて制作を行った。

また、海の表現についても監督と調整を重ね、登場人物の感情に合わせて海の荒れ方を変化させることで、物語性を高める演出を行ったという。

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