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プロとして活動するために必要なこととは?<br>北田栄二(株式会社ModelingCafe 福岡支社代表)

プロとして活動するために必要なこととは?
北田栄二(株式会社ModelingCafe 福岡支社代表)

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今回『Maya実践 ハードサーフェスモデリング プロップと背景から学ぶワークフロー』(ボーンデジタル刊)を出版した北田栄二氏に、本書の出版経緯や海外CGプロダクション勤務経験から、これからの日本のCGプロダクションのあり方、そして北田氏が考えるプロフェッショナルの考え方をお伺いした。

Q.北田さんの経歴について教えてください

北田栄二氏(以下、北田氏):CGを始めたのは、高校を卒業して大阪のHALに入学したのが最初です。

HALを卒業したのち、エンタテインメント系のCGプロダクションで働きたかったのですが、当時どこも経験者の募集ばかりで新卒採用が中々なかったため、まずは実務経験をつけるということから、CG制作も扱っていた地元のDTP会社に入社しました。

その会社では3ds Maxをメインに、建築パースなどのCG映像を制作していました。4年ぐらい働いていたのですが、やはりエンタテインメントの仕事に就きたいという思いがあり、スクエア・エニックス ヴィジュアルワークスへ移籍しました。

その後6年半ぐらい在籍していたヴィジュアルワークスを2009年に退社して、2010年からオーストリア シドニーのAnimal Logic、Dr.D Studioでサーフェスアーティストとして勤務、2011年にはシンガポールのDoubleNegative Visual Effectsに移籍し、2014年11月に帰国して現在はModelingCafe福岡支社代表をしています。

Q.海外に行きたいと思ったきっかけは?

北田氏:海外に出たいと思ったのは、スクエア時代に一緒に働いていたヴィルマン龍介氏の影響が大きかったですね。 彼とのR&Dなどの過程でのやりとりとかがとても刺激的でした。

これまで日本ではやっていなかったようなシェーダーの開発であったり、レンダリング周辺のツール開発であったり、既存のソフトウェアを使うだけのCG制作とは次元が違うことをしていました。
そういう彼の仕事を見ていて、海外のアーティストと仕事がしたいと思う気持ちが強くなりました。

  • また、結婚して子供ができた時に、ワークライフとファミリーライフのバランスをとりたいと考え始めたこともあって、それなら海外で仕事したほうがいいのではないかと思って、海外のプロダクションに移籍しようと考えました。

Q.今回本書を執筆にあたった経緯を教えてください

北田氏:最初のきっかけはボーンデジタルでのCG Study Proセミナーの講師を頼まれたときに軽くオファーしていただき、翌年正式に出版が決まりました。

自分がこれまで海外で学んだハリウッド流のCG制作のノウハウを日本の業界に還元したいと思って執筆することにしました。

日本では、セルアニメから実写映画まで全く異なった分野でCGが利用されているため、本書の内容がそのまま活かせるというわけではないと思いますが、どのような分野でCGを利用するにせよ、ワークフローに関して多くの選択肢を持ってもらいたいと思っています。

多くの選択肢の中から自分に最適な選択肢を選ぶためにも、最低限の知識や技術が必要になってくると思います。

Q.本書のポイントについて教えていただけますか?

北田氏:本書の内容は大きく分けてプロップ編と背景編の二つに分かれています。

プロップ編では、田島光二氏に制作してもらったロボットのコンセプトイメージを基に、モデリングにおける基礎的な知識、標準的なモデリングルールや、コンセプトモデルとプロダクションモデルのちがいなどを解説しています。

背景編では、INEIの富安健一郎氏が制作した1枚のコンセプトアートから、制作するアセットをどのように解析してモデリングしていくかなどを解説しています。

プロップ編、背景編を通して解説していることは、プロジェクトを円滑に運用するためのクリーンなデータ制作を行う手法、標準的なデファクトスタンダードとなっているフィジカルベースでのデータ制作の手法に関しては特にページを割いて紹介しています。

アーティスト目線で書いているところと、マネージメント目線で書いているところと二つの目線で執筆しているので、幅広い読者に読んでもらえる内容になっていると思います。

モデリングの手法やテクスチャの描き方といった部分は、林氏や帆足氏の影響を受けていますが、データのマネージメント部分に関しては、ほとんど海外経験を基にして執筆しています。

海外では当たり前におこなわれれていることを書いているので、内容的にはほぼ海外のベーシックな知識を落とし込んでいます。

Q.本書をどのように読者に活用していただきたいですか?

北田氏:本書で取り上げている海外のベーシックなデータ管理の手法などは、プロジェクトの規模や予算の規模に関係なく実行することができる内容です。

決まった様式でデータの名前を付けましょうとか、決まったディレクトリでデータを管理しましょうといったことには、お金がかかりませんから。

よく海外と日本の予算のスケールのちがいが語らえることが多いのですが、日本と海外のプロダクションに勤務した経験から、予算がなくても効率をあげたり、クオリティをあげる方法というのが、絶対にあるはずです。そこはお金の問題ではない。

きちんとした工数の出し方を含めて、スーパーバイザークラスの人たちには読んでもらいたいと思っています。業界で5から6年ぐらいの経験を積んでいるシニアやリードレベルの人たちに是非読んでもらって、マネージメントについて何かしら感じてもらえると嬉しいですね。

  • あと本書では、作例に使っていた4GBに近い容量の実データを読者の方がダウンロードできるようにしています。モデリングデータとして、国際的にスタンダードなモデリングデータとはどういうものなのか、このサンプルデータを見て知って欲しいと思っています。

このモデリングデータは海外大手のスタジオやGnomonといった海外のCG専門学校で必ず教えているスタンダードなモデリング技法というのがあるのですが、そのルールに則ってモデリングしています。

このルールに沿ってモデリングすることで、モデリングにおけるレンダリング時のエラーを予防することが出来ます。(レンダリング時のエラーは複合的な理由で起こることが多く、各デパートメントでクリーンなデータを作ることが重要です。)

スタンダードな作り方を覚えておくことで、エラーが出たときにデータの解析に時間がかからないようになるし、モデリングした本人以外の人でも修正を行うことができるようになります。

結局のところ、ベースの部分をきちんとすることで、工数コストを下げることができたり、一人のタスクの量をコントロールすることができ、効率の良い制作をおこなうことができるようになると思っています。自分の技術の見直しやスキルアップに繋げて欲しいですね。何かしら変えたいと思っている人たちのヒントになればいいと思っています。

  • [Information]
    Maya実践ハードサーフェスモデリング
    プロップと背景から学ぶワークフロー
    著者:北田 栄二
    価格:4,968円(税込)
    ISBN:9784862462633
    サイズ:B5 / フルカラー

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Profileプロフィール

北田栄二/Eiji Kitada

北田栄二/Eiji Kitada

コンピュータ総合学園HAL 大阪校を卒業。大阪の映像プロダクションを経て上京、Modeler/Texture Artistとしてスクウェア・エニックス ヴィジュアルワークスへ移籍。
2009 年10 月に同社を退社し、以降フリーランスのDigital Artistとして国内外で活動を開始。2010年から活動の場をオーストラリアに移し、シドニーのAnimal Logic、Dr. D Studios でSurfacing Artistとして勤務。2011 年11 月よりシンガポールのDouble Negative Visual Effects へ移籍し、2014年11月に帰国。2015年1月からModelingCafe福岡支社代表に就任。幸せな家庭を築くため、世界に通用するDigital Artistを目指して武者修行中。

北田栄二の武者修行!!

Maya実践ハードサーフェスモデリング

Maya実践ハードサーフェスモデリング

著者:北田 栄二
定価:本体4,600円 + 税
発行・発売:株式会社 ボーンデジタル
ISBN:978-4-86246-263-3
Cコード:C3055
総ページ数:404 ページ
サイズ:B5版、フルカラー

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