ゲーム開発向けにハイクオリティなリアルタイムVFX制作を手がけるスパーククリエイティブが、新たにフライポットと業務提携を行なった。リアルタイムVFXの受注制作に留まらず、リアルタイムVFXアーティストの人材育成も進めていくという。業務提携のねらいと今後の抱負について、スパーククリエイティブ代表の岡村雄一郎氏とフライポット代表の秋山高廣氏に話を聞いた。

総合VFXスタジオとして
さらなる成長をめざす

ーー今回の協業に至ったねらいについてお聞かせ下さい。

岡村 雄一郎氏(以下、岡村):はい。もともとスパーククリエイティブは、スパークのグループ会社として2017年に起ち上げた会社です。スパークのコアビジネスがリアルタイムVFXツール「SPARK GEAR」の開発・販売なのに対して、スパーククリエイティブはVFXからエンジニアリングまで、総合的に制作できるVFXスタジオとなっています。

ーースパークグループということで、SPARK GEARに精通したVFXスタジオというイメージがありますが......。

岡村:実態は逆で、クライアントからの要望に応えて、様々なツールを使いこなしています。また、エフェクトだけでなく、スカルプティング・モデリング・アニメーションといった、ビジュアルアセット制作全般の受注業務や、オリジナルのシェーダ開発、コンサルティングなど、幅広い分 野で業務を推進しています。その上で今回、より一層の業務拡大を目的として、秋山さんにお声がけさせていただきました。

秋山高廣氏(以下、秋山):ちょうど自分の方も11月に法人化をしたところで、わたりに船でした。映像制作でコンポジットから入り、次第にVFXに関心が移り、ここ数年はスマートフォンゲーム向けの案件を中心に、フリーランスでリアルタイムVFXの仕事を行なっています。リアルタイムVFXはプリレンダーVFXと異なり、作業の結果がすぐに確認できるので、自分に向いていました。そのため、今回岡村さんから声をかけてもらって、光栄に感じています。

ーーお2人はお知り合いだったのですか?

秋山:セミナーか何かで、過去に1回お会いしたくらいでしょうか。

岡村:リアルタイムVFXのインフルエンサーとして、かねがね仕事ぶりは拝見していました。その際はタイミングもあり、お声がけできなかったのですが、今回満を持してという感じです。

ーー秋山さんには、どのようなことを期待されていますか?

岡村:UnityのShuriken、Unreal Engineのカスケード など、様々なツールを活用したエフェクトのチームメイクや、ディレクションをお願いしたいと思っています。自分はSPARK GEARの研究開発も並行して進めているので、目が行き届かない部分が出てきます。その場合でも秋山さんなら安心して仕事を任せられます。

秋山:自分もフリーランス時代、まさにそうしたツールで様々な案件をこなしてきました。岡村さんはSPARK GEAR、自分はそれ以外のツールでの案件といった具合に、うまく業務を切り分けられると思います。

ーー直近ではどのような開発事例がありますか?

岡村Aiming運営・開発の新作スマートフォンゲーム『CARAVAN STORIES』で、オリジナルのシェーダ開発や、カットシーン向けのツール開発などを担当しました。こちらはSPARK GEARを用いた案件でしたが、ほかにもShurikenやカスケードを活用した案件も数多く手がけています。

ーー秋山さんが参加されることで、スタジオとしても、さらなる成長が見込めそうですね。

秋山:そうなれるようにがんばります。

RPGゲーム『CARAVAN STORIES』の開発画面。高品質なデモシーンを作るために、エディター等をスパーククリエイティブで開発している
CARAVAN STORIES ©Aiming inc. caravan-stories.com

学生向けの人材教育にも進出
業界を盛り上げていきたい

ーーリアルタイムVFXは、ゲームの面白さを左右する重要な部分でありながら、今ひとつ地味な印象があります。VFXアーティストも目立ちにくいというか......。

岡村:ゲームの場合、各社で内製エフェクトツールを使う時代が長かったので、技術やノウハウが共有しにくかったという経緯があります。それどころか、ゲームにも映像と同じようにVFXアーティストという職種があることすら、知られていませんでした。実際に自分もモデラーからジョブチェンジして今があります。

秋山:自分もコンポジターからですね。

岡村:それが今、ゲームエンジンの機能に紐付いた汎用エフェクトツールが登場してきたことで、徐々に状況が変わってきました。

ーークリエイター同士が、お互いに学び合う環境ができてきたのですね。

岡村:そうなのです。そこも秋山さんにお声がけした理由のひとつです。VFXアーティストのコミュニティを運営されていらっしゃいますからね。

秋山:そこまで大げさなものではありませんが、SNS上でリアルタイムVFXとHoudiniのコミュニティを起ち上げて、運営しています。前者は80人、後者は200人くらいの規模にまで成長しました。ツールのエバンジェリストの方にも参加していただき、お互いが気軽に質問し合えるようにしています。

ーー実力派アーティストはたくさんいらっしゃいますが、コミュニティを運営されているアーティストは、そこまでいませんからね。業界 の活性化や人材育成にも役に立ちそうです。

岡村:今後は新人からリアルタイムVFXアーティストになるといった道も開けてくると思っていて、自分も微力ながら、専門学校のHAL東京でVFXアーティストの講師を行なっています。今はSPARK GEARを使ってエフェクト制作の基礎を教えている段階ですが、今後はもっと本格的なカリキュラム制作に取り組んでいく予定です。

ーーそれは興味深いですね。どのような内容になるのでしょうか?

岡村:リアルタイムVFXの基礎から応用までひと通り学べて、その上でSPARK GEAR、Shuriken、カスケードなど、それぞれのツールに適したやり方まで、自分の興味に合わせて学んでいけるというものです。こちらのカリキュラムや教材開発についても、秋山さんにご協力いただく予定です。

秋山:自分たちの世代は自己流で学んできたので、しっかりと身についた反面、習得するまで時間もかかりました。学生のうちからリアルタイムVFXについて学べる環境を整えることで、業界全体の開発力向上につなげられればと思います。

ーーまさに国産のリアルタイムVFXツールを開発されている岡村さんと、VFXアーティストのコミュニティを運営されている秋山さんならではの組み合わせですね。

秋山:お互い、第一線のVFXアーティストとしても活躍していますので、その知見を活かしつつ、充実したものにしていきたいですね。

岡村:スパークを創業して3年が経過し、ようやく次のステップに進めるようになりました。「日本のリアルタイムVFXってすごい!」と世界中から言われるようになるために、今後も精進していきます。

RPGゲーム『CARAVAN STORIES』の開発画面。手書きのようなグラフィックの実現するためのハッチング処理、リッチな水面表現などのシェーダー開発もスパーククリエイティブで開発している
CARAVAN STORIES ©Aiming inc. caravan-stories.com

TEXT_小野憲史

問い合わせ先

  • スパーククリエイティブ
    エフェクトに限らず、モデリング、スカルプティング、アニメーション など、全てのクリエイティブワークを手がける統合 VFXスタジオとして設立。コンシューマやモバイルゲーム、VRの制作に加え、社内ツールやシェーダ開発等、アートとテクノロジーの枠を超えたプロダクトの開発を行なっている

    sparkfx.jp


  • フライポット
    デジタル・フロンティアにて様々なエフェクト制作業務に従事し、子どもの誕生を機に独立。スマートフォンゲームエフェクトの受託制作をメイン業務とし、Unity (Shuriken)、Unreal Engine(カスケード)、BISHAMON、SPARK GEAR等の制作ツールに対応可能

    flypot.jp


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