>   >  スクープ! 日本のVFXを新たなステージへ導くのか、『GAMERA』(ガメラ生誕50周年記念映像)で石井克人監督がめざすもの。
スクープ! 日本のVFXを新たなステージへ導くのか、『GAMERA』(ガメラ生誕50周年記念映像)で石井克人監督がめざすもの。

スクープ! 日本のVFXを新たなステージへ導くのか、『GAMERA』(ガメラ生誕50周年記念映像)で石井克人監督がめざすもの。

10月8日(木)(日本時間10月9日(金))に米ポップカルチャーの祭典として知られる「ニューヨーク・コミコン 2015」で、KADOKAWA「ガメラ」生誕50周年記念映像を初公開した。そして日本でも直後より「ガメラ生誕50周年」特設サイトがオープンし、新たなプロジェクトの胎動が明らかとなった。
CGWORLDでは、いち早く本記念映像を手がけた石井克人監督へのインタビューが実現できたのでここにお届けする。

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「ガメラ」生誕50周年記念映像「GAMERA」SHORT VER.公開!!

新時代の『GAMERA』プロジェクト始動!

『ガメラ』は、1965年公開の第一作『大怪獣ガメラ』を皮切りに、これまで12本の映画を製作する人気シリーズである。それは『ゴジラ』と並んで日本を代表する怪獣映画のひとつで、中でも金子修介監督が手がけた平成ガメラ三部作は、現代に怪獣が現れたら実際に起こり得ると思わせる迫真の演出と特撮によって今なお高い評価を得ている。しかし、2006年の『小さき勇者たち〜ガメラ〜』以降、残念ながらその新作がつくられることはなかった。

ところが近年、『パシフィック・リム』(2013)『GODZILLA ゴジラ』(2014)など、ハリウッド流怪獣映画とも言うべき作品群が立て続けに上陸し、日本でも特撮を再評価する気運が高まってきた。
2004年に完結編を謳った『ゴジラ FINAL WARS』から12年ぶりに復活する庵野秀明脚本・総監督/樋口真嗣監督・特技監督の最新作『シン・ゴジラ』もその現れだろう。そうしたながれの中で、突如「ニューヨーク・コミコン 2015」にて衝撃的な帰還を果たしたのが、今回の生誕50周年記念映像ならびに新プロジェクト『GAMERA』なのだ。

『GAMERA』(ガメラ生誕50周年記念映像)石井克人監督

© GAMERA/KADOKAWA

監督に抜擢されたのは、CMディレクターとして幅広いジャンルで活躍する鬼才・石井克人氏だ。コミコンのために渡米する直前、石井監督に企画の経緯を訊いた。
「これはいわゆるパイロット版と言っていいと思います。自分たちもそのつもりで制作していました。僕らは基本的にCMのチームなので、大規模な映画は簡単には制作できません。けれど、今回は当初から4〜5分程度の短編ということでオファーをいただきました。特撮展のようなところで上映するものを50周年記念でつくるという企画だったんですよ」。

『GAMERA』(ガメラ生誕50周年記念映像)石井克人監督

© GAMERA/KADOKAWA

特撮の展示映像と言えば、『巨神兵東京に現わる』(2012)を連想する人も多いはず。あの短編にはミニチュア特撮の魅力を再発見する面白さがあり、その手法は『進撃の巨人』二部作(2015)にも活かされている。3DCGをはじめとするデジタル技法によって大きく変わりつつある"特撮"の現在を、石井監督はどう考えているのだろうか。

「ハリウッド版ゴジラを観たお客さんからすると、オーソドックスな着ぐるみによる特撮では驚いてもらえないと思い、本作のガメラをはじめとする怪獣はフル3DCGで制作しました。着ぐるみも使い方次第では全然アリなんですが、今回は予算的にもスケジュール的にもかえって高コストになってしまうと判断したのです」。

『GAMERA』(ガメラ生誕50周年記念映像)石井克人監督

© GAMERA/KADOKAWA

こだわったのは、ガメラたち怪獣モデルのディテール、手付けによるアニメーション、そして物理シミュレーションによるリアルなエフェクトですね。フルCGでつくるとなると、物量的にハリウッドには勝てないのですが、キレイすぎる(フォトリアルすぎる)のはどうかというのもあって、着ぐるみとはまたちがった意味で、手づくりの味が残る映像を目指しました。そして、CGと実写をいかになじませるのかというが、技術的に大きなテーマとなりました」。

  • 『GAMERA』(ガメラ生誕50周年記念映像)石井克人監督
  • 『GAMERA』(ガメラ生誕50周年記念映像)石井克人監督

アニメーションに対してはケレン味や動きの気持ちよさを求める一方、東京都心を舞台に大規模なロケセットを組んだかのような精緻な美術も本作の見どころ。これは、見た目のそれらしさを徹底的に排除しよう(=正確なパースに基づくレイアウトの徹底など)という、美術監督・都築雄二氏の方針によるものだというが、一貫したリアリズムで構築された画面がフルCGに生じやすい違和感を払拭し、結果としてガメラという虚構の存在に説得力をもたらすことに成功している。

『GAMERA』(ガメラ生誕50周年記念映像)石井克人監督

© GAMERA/KADOKAWA

この記念映像は、ニューヨーク・コミコンでフルバージョン(約4分半)を発表後、50周年特設サイトで「特報」(約30秒)を公開中だ。また、「第28回 東京国際映画祭」日本映画クラシックス部門でも『ガメラ』4作品の上映に際して、60秒版が併映されることが決まったという。

さらに、11月10日(火)発売予定の月刊「CGWORLD vol.208」では、引き続き石井克人監督インタビューを独占掲載し、全世界に先駆けて『GAMERA』特集をお届けする予定だ。ご期待いただきたい。

『GAMERA』(ガメラ生誕50周年記念映像)石井克人監督

© GAMERA/KADOKAWA

TEXT_桑島龍一 / TEXT_Ryuichi Kuwajima
EDIT_沼倉有人(CGWORLD) / TEXT_Arihito Numakura(CGWORLD)
PHOTO_弘田 充 / PHOTO_Mitsuru Hirota

  • 『GAMERA』(ガメラ生誕50周年記念映像)石井克人監督
  • 「ガメラ生誕50周年」記念サイト
    www.gamera-50th.jp

    第28回 東京国際映画祭
    「日本映画クラシックス部門」にて、『ガメラ』シリーズ4作品も上映! 10月10日(土)よりticket boardにてチケット発売開始
    <上映作品>『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』(1967)デジタル・リマスター版:/『ガメラ 大怪獣空中決戦」(1995)4Kデジタル・復元版/『ガメラ2 レギオン襲来』(1996)4Kデジタル・復元版/『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』(1999)4Kデジタル・復元版
    ※「平成ガメラ」3作品の4Kデジタル・復元版は、ここが初上映

Profileプロフィール

石井克人/Katsuhito Ishii

石井克人/Katsuhito Ishii

映画監督、アニメーション監督、CMディレクターとして幅広く活躍。主な作品に『鮫肌男と桃尻女』(1999)、『PARTY7』(2000)、『茶の味』(2004)、『ナイスの森 THE FIRST CONTACT』(2005)、『山のあなた〜徳市の恋〜』(2008)、『REDLINE』(2010/原作・脚本)、『スマグラー おまえの未来を運べ』(2011)、『ハロー! 純一』(2014/監督・脚本・企画プロデュース)などがある。

株式会社ナイスレインボー

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