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20年以上の社歴を誇り、様々なジャンルでゲームを開発してきたエイティング。 スマホゲーム、位置ゲー大手のコロプラ傘下となる事を発表し、新たなスタートを切った。 新作VR格闘ゲーム『STEEL COMBAT』を皮切りに、ハイエンドなVRゲーム開発を進めていくという同社に、求める人材像について聞いた。
今後はUnreal Engine 4をベースにさらにハイエンドなVRゲームを開発
アーケード・コンシューマ・スマートフォンと、市場の変化にあわせて多様なゲーム開発を手がけてきたエイティング。 20年以上の社歴を誇る開発スタジオで、特に対戦格闘ゲームでは高い評価を得ている。 その同社がスマホゲーム大手のコロプラグループに入り、本年7月に発表した新作が『STEEL COMBAT』だ。 Oculus Rift向けに開発された世界初のVR格闘ゲームで、8月に配信を開始した。
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亀井康孝氏 (取締役/デザイン制作部長/沖縄スタジオ所長) - 同社でデザイン部署のリーダーを務める亀井康孝氏は「今年はVR元年ともいわれ、様々なVRハードやVRコンテンツが登場しています。 そんな中、他社に先駆けてエイティングの強みである『対戦格闘』で新作を発表できました。 VR専用タイトルで、ここまでガチなゲームはしばらく出てこないのではないでしょうか」と胸をはる。 快適なVRゲーム体験を保証するため90fpsを維持し、ネット対戦にも対応したほど。 開発はひと筋縄ではいかなかったが、それだけに内容には自信があると語った。
既存のゲーム開発ラインはそのままに、新規プロジェクトではハイエンドなVRゲーム開発に注力していきたいと語る亀井氏。 親会社のコロプラでもVRゲーム開発に意欲的で、先兵の役割も期待されている。 『STEEL COMBAT』はUnityベースで開発されたが、今後は開発もUnreal Engine 4ベースに移行する計画とのこと。 物理ベースでの画づくりをはじめ、ハイエンドなビジュアル表現をめざして、人材を幅広く募集中だという。
スマホゲーム大国の日本市場で、コンシューマのハイエンドなプロジェクトは減少中だ。 その一方でハイエンド指向の開発者も業界に多いのではと亀井氏は指摘する。 「エイティングは新領域に果敢に挑戦していくのが社風です。 UE4でVR、しかも『ハイエンド』で『ガチ』なゲームをつくりたい人がいたら、ぜひ私たちと一緒にゲームをつくりませんか?」(亀井氏)。
Creator 01
"VRらしさ"を実現するメカデザイン
‐水元省二氏(デザイナー)‐
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水元省二氏(デザイナー) メカデザインとグラフィック全般の統括を担当 - VRで格闘ゲームをつくるというコンセプトの下で、どのようなゲームをつくるか......。 企画会議の結果、攻撃を受けて装甲部分のパーツが立体的にはじけ飛ぶ演出が加われば、「VRらしさ」が演出できるのではないかと考え、ロボット格闘ゲームというテーマが固まりました。 そこで装甲が弾け跳んだときに見えるように、内部フレームまでしっかりとデザインしています。 一方でワールドワイドでの販売をみこして、あまり日本のロボットアニメ的にしないようにも注意しました。 他にテクスチャのデータ容量を抑える、ボーン数を減らすなど、ルックは豪華に、でもCPUの処理負荷は下げるように、様々な最適化を施しています。
Creator 02
世界を丸ごと作りこむ面白さ
‐藤村太輔氏(デザイナー)‐
- イメージイラストを下に、近未来のアリーナをCGで作成しました。 モデリングやライティングなどを担当しています。 一般的なゲームと異なり、VRゲームでは空間が360度見えてしまうため、背景を一枚絵でごまかせません。 そのため遠景のビル群もしっかりと3DCGで作成しています。 一方で描画量が多くなるとフレームレートが落ちてしまうため、バランスに気を遣いました。 特にライティングについては処理負荷に直結するため、動的ライトはメインとサブの1つずつに絞って対応しています。 他にサーチライトやエアカーなども追加して動きを演出しました。
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藤村太輔氏(デザイナー) 背景を担当
Creator 03
立体感、奥行きを感じさせるエフェクト設計
‐望月奈緒氏(デザイナー)‐
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望月奈緒氏(デザイナー) エフェクトを担当 - 攻撃時のヒットダメージや、ロボットの爆発、ロボットやミサイルの噴射といったエフェクト全般を担当しました。 最初は一般的な格闘ゲームと同じく、ビルボードによるパーティクル表現でエフェクトをつくっていたのですが、Oculus Riftの実機で自分でもチェックできるようになってから考え直しました。 ビルボードだけではエフェクトが平面的に見えてしまい、没入感が削がれてしまったからです。 そこで視点の変更やカメラの回り込みに耐えうるよう、ビルボードと3Dモデルを組み合わせるなど、エフェクトの構造自体を見直しました。 また爆破など主要なエフェクトでは、より立体的に見えるようにシェーダを工夫したりもしています。
Creator 04
創意工夫で爽快感のある動きを創り出す
‐深谷淳(デザイナー)‐
- モーションの全体的な進行と品質管理を担当しました。 格闘ゲームとして各キャラクターに適した、格好良く爽快感のある動きを表現することを心がけました。 その上でキャラクターを画面奥から手前に向かって吹き飛ばしたり、キャラクターの登場時や勝利時に画面手前に向かいつつ演技をさせるなど、VRならではの臨場感が感じられるように動きを工夫しています。 これまで弊社では様々な規模のプロジェクトで、手付けモーション作成からモーションキャプチャのデータ加工、演出など、さまざまな形でモーション業務に携わってきました。 企画仕様を遵守したうえで、自分の工夫次第でより爽快感がある、格好良いモーションが作成できたときの達成感が仕事の醍醐味だと思います。
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深谷淳(デザイナー) モーションを担当
Creator 05
遊びやすさと現実感が共存するUI
‐竹原雄飛(デザイナー)‐
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竹原雄飛(デザイナー) UIを担当 - 中途入社でエイティング札幌スタジオに入社し、スマートフォン向けの案件を経て、本案件のUIを担当しました。 本案件はVRゲームということで、没入感やリアリティを重視するために、UIにはかならず「発生源」を設定しました。 格闘ゲームで最も重要なゲージ類についても、ステージの周回モニタに埋め込む形で表示しています。 プレイヤーの見やすさだけを考えれば、通常のゲームのように空中に表示してもいいと思いますが、それではVRゲームの没入感が削がれてしまいます。 そのため、アリーナに実際に観客がいると仮定し、彼らにも見やすい現実感のあるゲージのデザインを考えたんです。 本作のゲージはこのように、プレイヤーに見やすく、没入感を削がないという、二つの条件を共に満たせるように工夫しています。
Creator 06
デザインしたキャラが動いた時の喜び
‐井上奈美氏(デザイナー)‐
- VRゲームではユーザーが自由な視点からロボットを見ることができるため、指・バーニア・関節など細部のパーツまで、処理負荷やデータ容量を考慮しながらつくり込みました。 同じようにモデル形状のごまかしがあまりできないため、稼働時におけるパーツ同士の干渉を抑えるように、整合性のあるモデリングが要求されましたね。 装甲が弾け跳んだ時に出現する内部フレームも、爆発時に付着するであろうススの表現を加えたり、装甲に段階的にダメージ表現を入れるなどして、リアル感を増すための工夫を行なっています。 自分が作成したモデルが実際に動いた時の喜びはこの職ならではの魅力ですね。 また本作では沖縄スタジオのメンバーと共同作業だったため、ボイスチャットなどで密接なやりとりを行いつつ、作業を進めたのも印象に残っています。
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井上奈美氏(デザイナー) キャラクターモデルを担当
TEXT_小野憲史
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