AR体験に使える3DCGモデルをEC用の写真だけで生成する技術を開発した、元Apple社員やStanford PhDで立ち上げているシリコンバレー発のベンチャー企業「Threedy.ai」と、スマートフォンに映し出される自分の部屋に、CGでつくられた家具や雑貨が実際に置いてある様に見えるAR技術を使ったルーム・コーディネート・アプリ「RoomCo AR(ルムコエーアール)」を開発した日本のベンチャー企業「LivingStyle」が、業務提携を結んだ。
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■概要

例えば、家具のCGモデルをつくる場合、CGデザイナーがかなりの時間と費用をかけて作業をしていくことになる。結果、EC売上増加にARを積極採用する米国のオンライン家具メーカーでさえ、自分の部屋に擬似的に家具を置いてみる楽しみを、全体商品の数%でしか提供できていない。この問題を解決するのがThreedy.ai。同社は、EC用の写真と、縦/横/高さのサイズから、デザイナーがつくるCGほど完璧ではなくても、AR体験を楽しむには十分なレベルの3Dモデルを、安く・早く・大量に生成することができる。

写真とサイズだけから3DCGモデルを生成する過程には、画像認識・機械学習・人工知能がフル活用されている。元Appleの技術系CEOの元に、Stanford PhDなど優秀なエンジニアが集まり、開発して改善を繰り返しているのがThreedy.aiだ。シリコンバレーのVCとして、米国のPlug and play Tech Centerと、SV Frontierが投資しており、今回は、SV Frontierが日米間の事業開発を行なったことをきっかけに、この業務提携が成立した。

家具/雑貨のECでは、自分の部屋に合うかをイメージできるかが購入の鍵となる。そのためHouzz(インテリア写真を大量に集めてECも行うサイト)、Wayfair(家具やインテリアに特化したECサイト)、Overstock(余剰在庫を安く売るECサイト)などが、ARを積極活用しており、Houzzは11倍の効果があったと発表している。

SV Frontierは、投資先Threedy.aiと、その提携先LivingStyleの事業開発を支援することで、ARを使ったマーケティングで大きな障害となっている「CGモデルをつくるのに費用と時間がかかり過ぎる問題」を解決していくことを目指している。両者の連携では、家具インテリア領域を中心に実証実験を繰り返し、先々には国内20以上の主要ブランドに提案していく予定だ。