ユニティ・テクノロジーズは、サンフランシスコで開催中の「Game Developers Conference(GDC)」のデベロッパーデイに、マルチプラットフォーム向け統合開発環境「Unity」の次世代バージョンである「Unity 5」を発表した。
詳しくは こちら



■ 「Unity 5」について

「Unity 5」には、リアルタイムライティングシステム「Enlighten」や物理ベースシェーダといった大規模なアップデートが含まれ、キャラクター、環境、ライティング、エフェクトなどを高品質でレンダリングする能力を備えている。さらに、新しい統合シェーダーアーキテクチャ、エディター内のリアルタイムライトマッププレビュー、そして改良されたアセットバンドル機能により、ワークフローの効率が飛躍的に向上している。また、オーディオデザイナーがダイナミックなサウンドスケープやエフェクトを作成できるよう、オーディオシステムとオーディオミキサーが一新された。
Unity Technologiesは「Unity」のデベロッパーコミュニティに対して、これからも成功のチャンスを提供していく。その一環として、「Unity 5.0」ではUnity Cloud広告シェアリングネットワークを搭載しており、モバイルゲームにおける相互プロモーションを簡単に行えるようになっている。さらに「Unity」のプラットフォーム対応には新たにWebGLが加わり、事実上ほぼすべての主要なプラットフォームで出力ができるようになった。
なお「Unity 5」はUnity Storeから予約可能で、これには「Unity 4」および今後予定されている「Unity 4」に対するすべてのアップデートの使用権が含まれる。



■ 「Unity 5」の新機能や改良点

●物理ベースシェーダー
「Unity 5」には新しいビルトイン物理ベースシェーダシステムが搭載される。新しいシェーダは、ありとあらゆるライティング条件の下で、実在する多種多様なマテリアルをカバーできるように設計されており、さらにはアートパイプラインからUIにいたるまで、ワークフローが大幅に改善されている。また「Unity 5」には完全なディファードシェーディングおよびベイクした反射プローブが導入されており、環境に基づくリアルな鏡面ハイライトを再現できる。

Unity

●Enlightenによるリアルタイムグローバルイルミネーション
Geomericsと提携して、リアルタイムグローバルイルミネーション技術「Enlighten」を「Unity 5」に搭載。Enlightenは現行のPC、家庭用ゲーム機およびモバイル機のゲーム向けに完全なダイナミックライティングを提供できるよう最適化された、唯一のリアルタイムグローバルイルミネーション技術だ。Enlightenの技術により、ライトのアニメーション、マテリアルのエミッシブ特性、環境光のコントロールがリアルタイムで可能に。また「Enlighten」のリアルタイムテクノロジーによってワークフローも大幅に改善されており、アーティストやデザイナーは「Unity 5」のエディターを使って、どんなスタイルのゲームでもリアルで説得力のあるビジュアルを制作できるようになった。

Unity

●リアルタイムのライトマッププレビュー
Imagination Technologiesとの提携によって同社のPowerVR Ray Tracingテクノロジーを搭載した「Unity 5」は、開発プラットフォームとしては業界に先駆けて、エディター内にリアルタイムライトマッププレビュー機能を実装した。この機能を使うことでエディター上に正確なグローバルイルミネーション用ライトマップのプレビューを瞬時に表示することができ、完成版のゲームでどう見えるかを確認しながら調整できる。アーティストは最終的なライトマップのアップデートとベイクを行いながら、環境のイテレーションと改良を並行して続けることができ、シーンのビジュアル調整に必要な時間を劇的に短縮できる。

Unity

●オーディオの刷新
「Unity」のオーディオパイプラインは全面的に刷新され、より効率的で柔軟になった。リニューアルの過程で最初に導入された重要機能はオーディオミキサーで、非常に複雑なリアルタイムのリルートやエフェクトシナリオに対応するよう設計されている。デザイナーはミキサー設定のスナップショットを作ることができるので、ゲーム中にシーンに合わせてサウンドのミキサー設定をダイナミックに遷移させることができる。

Unity

●WebGLアドオン早期アクセス
Mozillaとの協力により、WebGLとasm.jsがUnityのサポート対象に加わった。デベロッパーは「Unity 5.0」のリリースと同時にWebGLアドオンへの早期アクセスが可能となり、対応する最新のブラウザを使用することによって、プラグインなしに実行できるインタラクティブ作品を制作できるようになる。GDCに参加している人は、UnityブースにてWebGLで動作するMadfinger Gamesの『Dead Trigger 2』を体験できる。

Unity

●Unity Cloud
「Unity 5」では、相互プロモーションネットワーク「Unity Cloud」が開始される。これはモバイルゲームのデベロッパーが、ゲーム上で全画面のスプラッシュ広告を表示させたり、広告ユニットをほかの「Unity」デベロッパーと交換することが可能なもので、総計で5億インストールを超えるモバイルゲームの相乗効果を無料で利用することができる。

さらに「Unity 5」では、そのほかにも数多くの追加や改良が実施される。
・Unityはついに64 bitに
・さらなるマルチスレッド化を実現するジョブスケジューラー
・NVIDIA PhysX 3.3
・アセットバンドル作成がより簡単になり、逐次的な作成を可能に
・新しい2D物理 エフェクター
・SpeedTreeとの統合
・NavMesh の改善
・Mecanimステートマシンビヘイビア
・ローディングの最適化
・そのほか、多数の改善ポイント
「Unity 5」は現在、Unity Storeから予約可能。なお「Unity Pro 5」を予約すると、ただちに「Unity Pro 4」も利用できる。また「Unity 4x」系の最新バージョンとなる「Unity 4.6」には、待望の改良型 GUIが含まれている。



■ 関連 URL

・「Unity 5」について
 http://japan.unity3d.com/promo/unity5
・ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社
 http://japan.unity3d.com