EIZOは、映像制作市場向けにHDR表示に対応したリファレンスモニター「ColorEdge PROMINENCE(プロミネンス) CG3145」を2017年12月に発売する。ColorEdge PROMINENCE CG3145(以下、CG3145)は、31.1型DCI 4K(4096×2160)解像度の液晶モニター。
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■概要

CG3145は、HDR映像の制作工程において、最終色調整(カラーグレーディング作業)に使用する同社初のHDRリファレンスモニター。HDR映像コンテンツの色調整・評価用モニターに求められる、高輝度、高コントラスト比および入出力特性(ガンマ)に対応した。具体的には、1000 cd/m2※1の高輝度や、液晶モニターでは世界初※2の100万:1※1の高コントラスト比を実現。また、HDRの入出力特性である「PQ方式」と、「Hybrid Log Gamma(ハイブリッドログガンマ)方式」の両方に対応している。

■開発背景

映像制作市場では、HDR(ハイダイナミックレンジ)と呼ばれる人間の目に近い見え方を再現する表示技術の導入が進んでいる。HDRでは、被写体の明暗の幅(ダイナミックレンジ)を広く捉えるため、従来の表示技術では再現が難しかった明るい部分と暗い部分が混在する映像を、よりリアルに映し出すことができる。HDR映像のカラーグレーディング作業では、明暗の幅を広く捉えるために、高輝度・高コントラスト比などの表示性能が求められ、これらについての国際標準規格が制定されている。この国際標準規格に適合する製品として、これまでのColorEdgeシリーズとは一線を画す性能を実現したCG3145を開発し、新たなネーミング「ColorEdge PROMINENCE」を採用した。PROMINENCE(プロミネンス)は「卓越」、「傑出」や「太陽の紅炎」を意味する英語に由来し、また、宇宙空間で光り輝く太陽のイメージから連想されるように、明暗比の大きい映像をしっかりと映し出す性能を表す意図もある。

■主な特長

CG3145は、100万:1※1という高コントラスト比と最大1000cd/m2※1の高輝度を実現し、従来のHDRリファレンスモニターが抱える課題を克服した。従来のHDRリファレンスモニターは、バックライトを分割制御することで高いコントラスト比を達成しているが、これが原因で明暗比が大きい部分の輪郭がにじんで見える「ハロー」と呼ばれる現象が発生する場合がある。また、表示内容に左右されて画面の輝度が変動する場合もある。CG3145は、新型のIPS液晶パネルを採用し、専用の高輝度バックライトユニットと組み合わせることで、従来のHDRリファレンスモニターが抱える上記の弱点を克服し、HDR映像のカラーグレーディング作業に正しい色を評価できる環境を提供する。加えて、配信・映画制作向けに規格化されたHDR「PQ方式」と、放送向けのHDR「Hybrid Log Gamma(ハイブリッドログガンマ)方式」の両方に対応した。「PQ方式」は、HDRの国際標準規格であるITU-R BT.2100およびSMPTE ST2084に、「Hybrid Log Gamma方式」はITU-R BT.2100に準拠している。

●液晶モニターとして世界初※2となる高コントラスト比100万:1※1を実現
●31.1型の広い画面スペースに、DCI 4K(4096×2160)解像度
●HDR映像表示に求められる1000cd/m2※1までの高輝度を安定して表示
●明暗比の大きい部分の輪郭がにじんで見えるハロー現象を抑制
●PQ方式、Hybrid Log Gamma方式を含むさまざまな規格のガンマに対応
●専用調整ソフトウェア「ColorNavigator NX」を用いて、ハードウェア・キャリブレーションが可能
●広色域表示で映像の色を忠実に再現
●24-bit LUT(ルックアップテーブル)搭載で高精度の階調・色表示を実現
●さらに豊かな色再現ができる10-bit入力に対応
●HDR映像表示に求められるビデオフォーマットに対応
・DisplayPort入力では50/60pで4:4:4、HDMI入力では50/60pで4:2:2までサポート
●ズーム機能や色域外警告機能など映像制作専用機能を搭載
●ワンタッチで取付けできるマグネット式遮光フードを付属

※1 標準値。保証値ではない
※2 製品としての液晶モニターにおいて。2017年4月現在、同社調べ