サイフォン(本社:東京都武蔵野市、代表社員:大橋正司)は、アニメミライ(文化庁の若手アニメーター等人材育成事業)で 平成23年度に制作された『わすれなぐも』を使って、アニメーションの動きの基本を自習できる、 作画ビューアーを搭載したiOS向けアプリ「アニメミライ プラス」v1.0(バージョン1.0)の無料配信を開始した。

■特徴

「アニメミライ プラス」は、アニメーションを構成する特徴的な動きの要素を 「走り」「歩き」「アクション」「エフェクト」「日常芝居」「ふりむき/感情芝居」「動物/メカ・プロップ」に分類し、 実際に『わすれなぐも』で使用された作画とタイムシートから、それぞれ1カットずつ採録し、 指を使ったスワイプ操作を用いて、自由な速度でアニメーションの動きを確認することができるツールだ。

なお、収録されたカットの選定や分類は、平成25年度「アニメミライ」で評価・選定委員を務めたアニメーターの数井浩子氏が担当した。

■開発の背景

これまで、アニメーションの初学者が作画を学習するにあたって、各スタジオが保有している優れた作画資料を自由に見ることができないこと、 資料を閲覧できたとしても、熟達者から適切な指導を受ける機会や手段に乏しいことが問題となっていた。

学習者、特に初学者にとって、「走り」「歩き」「ふりむき」といったアニメーション作画の基本的な動きが、 どのような原画とタイミングで、また、どういったシート指示でつくられているのか、カットの構成要素を直感的に理解する必要がある。

「アニメミライ プラス」を使うと、ユーザーは画面をスワイプしながら作画の動きを確認でき、 実際に使用された作画とタイムシートを確認しながら動きの基本を学べる。

■今後の展開

「アニメミライ プラス」は2015年2月に開催された第一回アニメーション・クリエイティブ・テクノロジー・フォーラム(ACTF)に参考出展しており、 実際のアニメーション制作現場スタッフからも、このような形式で作画を確認できたことはないと、大きな反響があった。 このアプリを用いたアニメミライの教育プロジェクトは、「平成27年度メディア芸術連携促進事業 連携共同事業」のアニメーション分野に採択されている。 今後、日本国内の専門学校・大学等の教育機関のアニメーション学科において、数井浩子氏を中心に、教育手法の開発と実践が進められる予定だ。

■仕様  

対応環境:iOS 7.1以降を使用可能なiPhone、iPad  

価格:無料  

App Store「アニメミライプラス」

■サイフォンについて  

サイフォンはインターフェイス、メディア表現手法などの研究開発を行う、デザインコンサルティング・ファームである。  アニメーション業界においては、作画・演出向けツールとして提供している「JAniCA Watch 1/24秒計ストップウォッチ」が、 使いやすいシンプルなデザインであるとして、幅広く使用されている。

■関連URL  

サイフォン www.scivone.com/index.html  

アニメミライ animemirai.jp