CG経験9ヵ月でどこまで上手くなる?CGスクールAlchemyが語る成長のポイントと環境づくり。
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Blenderの普及やDCCツールの学生版ライセンスの登場、さらにはオンライン教材の増加に伴って、個人を中心としてCGスキル習得のニーズが高まっている。優秀な人材を求める業界のニーズと相まって、スキルアップの観点から3DCGの習得に注目するイラストレーターやカメラマンなども増えている。
プレイヤーの増加により、業界の慢性的な人材不足解消に期待がかかる一方で、「個人で学ぶCG」と「仕事で使うCG」の差は歴然として存在しており、ミスマッチの解消には時間がまだまだかかるようだ。
では、就職を目的としたときに、何を意識してCGを学ぶべきなのか?
この問いに答えるのは『優秀な人材の育成と輩出 = 人材不足の解消』を掲げ、長らく業界において即戦力人材を輩出してきたCGスクール「Alchemy」。ツール習得のためのカリキュラムだけではなく、実際のクライアントワークを意識した「課題制作」に重きを置いた指導が特徴だ。
今回は、Alchemyの大澤司氏に教育方針や学びのコツなどを伺った。また、現在スクールで使用しているマウスコンピューターのデスクトップPC「DAIV A9」についてもその魅力を語ってもらった。
3DCG制作における上達の秘訣や就職のポイントとは?
Alchemyでは、学生に“業界に入れるスキル”ではなく“業界で活躍できるスキル”を習得してもらうための独自カリキュラムを採用している点が大きな特徴だ。例えば、基本となる3DCG映像コースのカリキュラムでは、まずステージ1でMayaの基本操作と3DCG制作の基礎を学習する。そこからステージ2、3へと進んでいくわけだが、この両ステージでは課題の制作工程が記されたプリントが学生に配布され、学生はそれを見ながら“自分のペース”で課題を制作していくことになる。
さらに、制作した課題はその都度、講師がチェックし、修正点がある場合はその部分を直してから改めて提出。最終的に講師が合格を出せば次の課題に移ることになるのだが、合格にならなければ当然この修正を繰り返すことになる。このように、実際の制作現場に即した自主的な作業とチェックスタイルを取り入れることで、「現場でしっかりとした戦力になってもらうだけのスキルを学生に得てもらおう」というわけだ。
大澤 司 氏
2004年にエヌ・デザインへ入社し、紀里谷和明氏が学長を務める3DCG専門スクール「Alchemy」の設立に参画する。現在は、3DCGスクールAlchemyにて最高執行責任者/COOとして、3DCGの講師やスクールの運営全般、経営などを担うとともに、3DCGの制作も行う。著書に「作って覚える Mayaモデリングの一番わかりやすい本」(技術評論社)がある。
このような方針にあって、講師も務める大澤氏は、どのような観点で生徒の課題の合否を判断しているのか。この問いに大澤氏は、「企業の採用担当者の視点に立って作品を判断する事が多い」と明かし、最低限の基準として「作品に違和感を感じさせないことが必要になる」と語った。
さらに、この“違和感”を感じさせないための重要なポイントとして大澤氏が挙げたのは「客観的な目線」である。なぜなら、自身の作品は制作中に見慣れてしまい、どうしても「違和感などを感じづらくなってしまう」からだ。このような理由から「客観的な目で見ることを意識する」とともに、講師や友人などからフィードバックを何回も受けて「審美眼を養っていく」ことの重要性を説いた。
そのほかにも大澤氏は、国内外の様々な作品を見たときに、それぞれの作品に対しての印象を「自分自身はどう感じるのか。その感覚も磨くべき」と提案。また、技術的な知識などを教えてもらったり調べたりすることの大切さにも触れ、物の構造や成り立ち(例えば、骨格や筋肉の構造など)を理解していると「説得力のある画が作りやすい」とアドバイスした。
ではもう少し具体的に、3DCG制作が上達するポイントはどこにあるか。大澤氏は、3DCGを制作するにあたって「これまでにどれだけの関連情報をインプットしてきたか」を、大切な要素の1つとしてを挙げる。さらにそのインプットの軸として、ツールの使い方などを覚える「技術軸」と、格好いいや可愛い、ダサいなどの美的なアナログの感覚を鍛える「アート軸」があると説明。この2軸は掛け算の関係にあり、それぞれのインプットを増やせば「成長の伸びしろはより大きなものになる」と指摘する。
また、就職する際にポイントとしては、会社との相性や自身の性格などは当然あるものの「3DCG制作に取り組んできた時間や意欲は、やはり重要だ」として、「アウトプット」の重要性も強調。課題制作の際に本気で悩んで考えることや、講師からのレビューをきちんと理解することが、スキルアップや表現力の向上(=上達の早道)につながるだけに、大澤氏としては「在学中の日々の生活がCG漬けであって欲しい」と学生に期待する。実際、在学中に伸びる人はやはり「自宅でも自主的に調べ、3DCG制作に楽しんで取り組んでいる」そうだ。
教育機関がPCに求めるのは「安定性」と「バランス」
こういった学生の制作意欲や向上心を削ぐことなく、快適に作業してもらうためにも、Alchemyとしては、学生が課題制作で利用するPCの選定がとても重要となる。大澤氏によれば、PC選定でもっとも重視するのは「安定性」と「性能とコストのバランス」とのことだ。
これに加えて、様々なツールで利用する点も、3DCGスクールならではのポイントとなる。Alchemyの場合は、基本の3DCG映像コースではMayaに加えてPhotoshopやAfterEffectsなどを使用するほか、別途実施している単発のセミナーや講座(現在はコロナ禍のため休止中)では、Unreal EngineやCinema 4D、ZBrush、Substance Painter、Houdiniなども利用する。そのため、それぞれのツールで「やや負荷の高いエフェクトやシミュレーションなどを実行しても耐えられる」(大澤氏)だけの優れたスペック構成も必要となる。このような理由から、Alchemyでは2020年に、マウスコンピューターのデスクトップPC「DAIV A9」を10台導入した。
マウスコンピューターのPCを選んだ理由について、大澤氏はまず業界での「DAIV」シリーズの知名度を上げる。3DCGを手掛けるフリーランスの知人なども「マウスコンピューターのPCを使っている」ことから、現場での満足度の高さも実感しているそうだ。そういった背景もあり「実際の現場で利用されているのであれば、教育現場に導入しても不安はない」と付け加えた。
また「筐体デザイン」にも注目し、デザイン性の高さを評価する一方で、とくに気に入った点として挙げたのが、上部の取っ手や下部のキャスターなどによる「移動のしやすさ」である。Alchemyでは、地震などによる危険性の観点からPCはデスクの下に設置しているのだが、そうなると「通常のPCでは掃除やメンテナンスの際に何かと不便」(大澤氏)なのだという。
しかし、取っ手やキャスターを備えたDAIV A9であれば出し入れや移動が簡単で、そのような際の不便さは皆無である。しかも、掃除やメンテナンスは「故障にも直結する」ことから、教育機関ではなおさら「そういった利便性の高さはありがたい」と大澤氏。総合的な観点から、「次回もぜひマウスコンピューターを選びたい」と満足げだった。
導入された「DAIV A9」の機材構成とポイント
Alchemyが導入したDAIV A9は、2020年当時の上位モデルとなる8コア/16スレッドのCPU「AMD Ryzen 7 3700X プロセッサー」やGPU「GeForce RTX 2070 SUPER」、64GBのメモリなどを搭載。導入時はRyzenシリーズの評判が良く、スペックと価格のバランスも非常に優秀だったことも「決め手の1つとなった」(大澤氏)。現在でも問題なく利用できるハイスペック構成で、生徒からの不満もまったくないとのこと。さらに、国内生産や各パーツの品質の面からも安心度は高く、大澤氏の評価は高い。
- 価格
約25万円(税込)
- CPU
AMD Ryzen 7 3700X プロセッサー(8コア / 16スレッド / 3.60GHz /最大ブースト・クロック4.4GHz / L2キャッシュ4MB、L3キャッシュ32MB)
- GPU
GeForce RTX 2070 SUPER / 8GB
- メモリ
64GB
- ストレージ
NVMe接続1TB SSD+3TB HDD
- OS
Windows 10 Home 64bit
- マザーボード
AMD X570 チップセット(ATX / SATA 6Gbps 対応ポート×6 / M.2スロット×1)
- 電源
800W (80PLUS TITANIUM)
※本構成は2020年度当時の構成・価格となります。
DAIV A9の後継機種の詳細はこちらから問い合わせ
株式会社マウスコンピューター
TEL(法人):03-6833-1041(平日:9~12時/13時~18時、土日祝:9~20時)
TEL(個人):03-6833-1010(9時~20時)
https://www.mouse-jp.co.jp/store/brand/daiv/
TEXT_近藤寿成(スプール)
PHOTO_弘田 充