生成AIや3DCGツールを活用し最先端のビジュアライゼーションを展開している日南。所属アーティストは、NVIDIA RTX 6000 Ada搭載の「DAIV FW-X5N60」を駆使し、革新的なプロジェクトを推進している。機材選定の方針やDAIVシリーズの魅力とは?
日南
優れたデザインとデジタル技術を武器に、自動車や工業製品などのモデリング、ビジュアライゼーション、製品化に向けたモックアップ作成などの事業を展開。これまでに培ってきたノウハウと幅広いサービスで、多くのメーカーの製品開発をサポートしている。www.nichinan-group.com/
生成AIをフル活用して1人の人間の“発想の枠”を超える
ーー貴社は、48GBの大容量GPUメモリを搭載した「NVIDIA RTX 6000 Ada」(以下、RTX 6000 Ada)を採用する「DAIV FW-X5N60」を2台導入していますが、きっかけは何だったのでしょうか?
橘田幸一氏(以下、橘田): NVIDIAのオープンプラットフォーム「Omniverse」を使って「自動車のデジタルデザインワークフローを構築しよう」と考えたことが挙げられます。この際に、RTX 6000 Adaを搭載したデスクトップPCを試用する機会があったのですが、その性能の高さにかなり好感をもちました。さらにちょうどその頃、別件で生成AIを大量に扱えるハイスペックなPCがプロジェクトベースで必要になる話が舞い込んできました。そこで、Omniverseでの試用で印象が良かったRTX 6000 Adaを採用するDAIV FWX5N60を導入したというのが、大まかな流れです。
ーー試用で高評価だったとはいえ、DAIV FW-X5N60は決して安い機材ではありません。しかも、それを2台導入するというのはかなり思い切った判断だと感じます。
濱野允之氏(以下、濱野):投資効果の観点から「これはすぐに回収できる」と判断して導入を決めました。例えば、弊社ではAIでの画像生成にStable Diffusionを使っていますが、従来のGPUとRTX 6000 Adaを比較すると、時間当たりの出力枚数は「約5倍違う」と感じます。さらに、AIの学習スピードも段違いで、従来のGPUでは丸1日かかっていたものがRTX 6000 Adaなら「約2時間で終わる」ほどでした。
また年末年始に、別プロジェクトで生成AIを使った実験的な画像生成を行なったのですが、約10万枚(ファイルサイズで約100GB)という圧倒的な枚数を生成してくれました。もちろん、この後の選別作業が重要ではあるのですが、ここまでの進化と実力を目の当たりにすると、生成AIをフル活用すれば「1人の人間が思いつく“発想の枠” を簡単に超えられる」と感じるようになってきましたね。
ワークフローまで変える異次元の性能、他社も「絶対に買った方がいい!」
ーー生成AI以外では、どのようなシーンでメリットを生んでいますか?
濱野:例えば、自動車やヘリコプターなどのプロダクトを丸ごとスキャンし、そのデータを編集してARコンテンツをつくるような案件があるのですが、そのスキャンデータはポリゴンメッシュの量がギガを超えるような代物です。そのため、これまでの機材ではリダクションをしないとフリーズしてしまうことも多く、とても仕事になりませんでした。
一方で、DAIV FW-X5N60はそのままのデータでも難なく作業することができます。これまでのようにリダクションをする必要がないのでストレスなく作業できるほか、高精度なままのデータをそのままマテリアル変換させて見せる、といったことも可能になったことはとても嬉しいポイントです。
ーーVREDではどうですか?
橘田:あまりに高速で「世界が違う」、あるいは「もはや別のツール」といった感覚です。例えば、インテリアなども含めた自動車1台分のデータとなると、最終プレゼンテーション用はかなり大きなサイズになるのですが、DAIV FW-X5N60は単体でもそれをPowerWallでリアルタイムに動かすことが可能です。レイトレーシングでもかなり見られるスピードなので、ノードを組むことなくPCを1台持ち込むだけでそれを実現できるというのは、非常に助かります。
濱野:本当に異次元ですよ。リードタイムが短くなるなどワークフローにも変革が起きているので、こちらとしてはもう「買わない理由がない」ですし、「絶対に買った方がいい!」と他社にもお勧めですね。
Omniverseを核とするワークフロー
トラブルなしの「安定性」と移動が簡単な「可搬性」が魅力
ーーちなみに、RTX 6000 Adaではなく一般的なGeForceシリーズでは駄目だったのでしょうか?
橘田:メインツールとしてAliasを使っているので、オートデスクの認定GPUであるQuadroシリーズを以前から使っていたというのが、理由の1つとして挙げられます。さらに、最近出てきた新しい生成AIの中には要求GPUメモリが30GBというものも登場しており、そういったものを早い段階から使っていくためには大容量GPUメモリを備えたRTX 6000 Adaは絶対に必要でした。
また、現在はセキュリティを担保するためにStable Diffusionをローカルで用いているので、GPUメモリは多いに越したことはありません。実際、現状でも80%ぐらいは使っている状況ですし、AIを回し始めたらそうなってしまいますよ(笑)。
ーーマウスコンピューターのDAIVシリーズで気に入っている点は?
橘田:絶対的な「安定性」です。1回だけ電源が不安定な場所で上手く動かなかったことはありましたが、それ以外はどこに行ってもトラブルなし。これは本当にすごいと思います。
濱野:「可搬性の高さ」も優秀ですよね。社外にPCを持ち出すケースも少なくないのですが、ハンドルとキャスターを標準装備しているので移動が簡単。GPUのズレや脱落を防止するサポートバーまで標準装備なので、とても助かっています。
日南が導入したNVIDIA RTX 6000 Ada搭載の「DAIV FW-X5N60」
- CPU
インテル Xeon w5-2455X プロセッサー(12コア【Pコア 12、Eコア 0】 / 24スレッド / 3.20GHz【Pコア】 / TB時最大4.60GHz【Pコア】 / 30MBキャッシュ)
- GPU
NVIDIA RTX 6000 Ada 世代
- メモリ
128GB(32GB×4)
- ストレージ
NVMe接続 2TB SSD+8TB HDD
- OS
Windows 11 Pro for Workstations 64ビット(DSP)
問い合わせ
マウスコンピューター
TEL(法人):03-6636-4323(平日:9~12時/13時~18時、土日祝:9~20時)TEL(個人):03-6636-4321(9時~20時)
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