新世代、GeForce RTX 5000シリーズ搭載のDAIVは買いか?Arnold、Cyclesなど主要ツールで徹底検証!

2025年1月、GPUの新世代モデルであるNVIDIA® GeForce RTX™ 5000シリーズが登場。
リアルタイムCGの需要が高まる一方で、画像生成AIや3Dスキャニング技術を活用した新たな表現も次々に登場し、3DCG制作のワークフローや機材環境は急速にアップデートを迫られている。そんな中、最新GPUを搭載したPCは、果たして現場にどれほどのインパクトをもたらすのか。
今回は、レンダリングスペシャリスト・澤田友明氏(コロッサス)を迎え、NVIDIA® GeForce RTX™ 5080を搭載したマウスコンピューターのクリエイター向けPC「DAIV FX-I7G80」の実力を徹底検証。Maya+Arnold、Blender+Cycles、RealityCapture、Stable Diffusionなど、制作現場で実際に使用されている主要ツールを用い、現行環境で広く使用されているGeForce RTX 3000シリーズとの比較を通して、パフォーマンスの進化を明らかにした。

澤田友明氏
株式会社コロッサス CGデザイナー
コロッサスの現役CGデザイナーでありながら、日本電子専門学校の講師も務める。レンダリングのスペシャリストとして広く知られるとともに、PCのハードウェアにも精通する。
cls-studio.co.jp
DAIV FX-I7G80

- 型番
FXI7G80B8AFDW101DEC
- OS
Windows 11 Home 64ビット
- CPU
インテル® Core™ Ultra 7 プロセッサー 265K
20 Cores(8 P-cores 12 E-cores)コア/20スレッド/3.90GHz(P-cores)3.30GHz(E-cores)/最大5.50GHz(P-cores)4.60GHz(E-cores)/30MBスマートキャッシュ
- GPU
NVIDIA® GeForce RTX™ 5080
- メモリ
32GB(16GB×2/デュアルチャネル)
- ストレージ
2TB(NVMe Gen4×4)
比較検証機
- OS
Windows 10 Pro
- CPU
インテル® Core™ i7-10700KF
- GPU
NVIDIA® GeForce RTX™3080 10GB
- メモリ
32GB
- ストレージ
SSD 1TB+HDD 2TB
検証1:Maya+ArnoldでのGPUレンダリング


CG制作における標準的なレンダラであるArnoldを使用し、レンダリング時のパストレーシングを最適化する機能であるグローバルライトサンプリング(GLS)をONにした状態でGPUレンダリングの時間を比較。検証では、澤田氏が制作し、88個もの大量のライトが置かれた解像度4Kの博物館の動画素材ファイルを使用した。結果は12秒の短縮となり、澤田氏はGLSによる高速化に加えてGPUアーキテクチャのちがいに着目。Ampere世代のA4500/A5500とAda Lovelace世代のRTX 6000 Adaで起きている“世代差での高速化現象”が「Ampere世代のGeForce RTX 3080/Ada Lovelace世代のGeForce RTX 4080とBlackwell世代のGeForce RTX 5080でも起きている」と推察した。
検証2:Blender+CyclesでのGPUレンダリング


Blenderの標準レンダラであるCyclesを使用し、GPUレンダリングの時間を比較。Blenderの公式サイトにアップされているデモファイル「Barbershop」を使用し、CUDAレンダリングとOptiXレンダリングの2パターンで検証した。結果をみるとCUDAよりもOptiXでの検証時の処理時間が圧倒的に速く、GeForce RTX 5080とOptiXの組み合わせで最も効率化を図れることが実証された。「OptiXの方が最適化されているので、OptiXを使う方がベターですね」(澤田氏)
検証3: RealityCaptureでの自動生成所要時間


大量の写真データを解析することで、リアルな3Dモデルを生成するソフトウェアRealityCaptureを使用し、解析開始からモデルの自動生成完了までに要する時間を計測。
フォトグラメトリにおける所要時間を10分以上短縮する結果となり、モデルの自動生成もよりスピーディに行えることが実証された。
検証4:Stable Diffusionにおける生成所要時間


画像生成AI Stable Diffusionでの生成に要する時間についても検証を行った。モデルデータはJuggernautXLを使用。バッチカウント12回で所要時間を計測したところ、GeForce RTX 3080搭載機に比べて1分以上短縮する結果となった。「画像生成AIにおいても、処理速度が2倍近く早くなっています。GPUメモリの使用量も10GB程度だったので、16GBを搭載したGeForce RTX 5080だと安心ですね」(澤田氏)
高精細なモデル制作を支える、頼れる味方になり得る「DAIV FX-I7G80」
CGWORLD(以下、CGW):今回は、多岐にわたる検証へのご協力ありがとうございました。検証結果を踏まえ、まずは率直な感想をお聞かせください。
澤田友明氏(以下、澤田):GeForce RTX 5080のパフォーマンスの高さはかなり魅力的ですね。私は個人的にRTX A5500を搭載したPCを使用する機会もありますが、今回検証したDAIVはさらに作業を効率化してくれると感じました。コロッサス社内においては現状GeForce RTX 4070搭載機が最もスペックが高く、GeForce RTX 3060などの3000シリーズを使っているスタッフも多いので、仮に導入したらかなりインパクトが大きいと感じます。
CGW:澤田さんの実務において、DAIV FX-I7G80を導入した場合特に効率化が図れそうな作業にはどのようなものがありますか?
澤田:検証でも扱いましたが、RealityCaptureにおけるフォトグラメトリです。コロッサスでは、貴重な文化財をデジタルアーカイブ化するプロジェクトに携わることが多いのですが、文化財のフォトグラメトリ作業には非常に時間を要します。単純なデジタル化、ではなく、本物と見紛うようなクオリティの高精細なコンテンツをつくっているため、かなり大きなサイズのデータを取り扱うのです。

CGW:特にどの工程で、PCに大きく負荷がかかるのでしょうか。
澤田:やはりRealityCaptureで画像を結合していく処理ですね。長いとPCを一晩中回し続けることもあります。特にGPUの性能が低いと全然動いてくれないので、どちらかといえばCPUよりもGPUの方を重要視しています。
膨大な数の写真データを繋げようとした場合、1回の処理では上手く繋げられないケースも発生します。その場合はモデリングの段階で手作業で直していくのですが、当然手間がかかります。RealityCaptureの処理速度が上がればフォトグラメトリ段階でのイテレーションが容易になりますので、効率化の観点でこれは非常に心強いです。
一方で、スキャンデータの手直し作業自体にはそれほどパワーは求められません。主にZBrushを使っているのですが、現状のPCでも問題なく作業できていますね。ただし、データをセーブする回数がかなり多くなってしまうので、ストレージの容量や性能が重要だと日々痛感しています。
CGW:その他に、検証においてDAIVに感じた印象はありますか?
澤田:静音性にとても優れていると感じました。例えば、私が自宅で使っているPCはケースの上面に排気用の穴が開いていることもあり、高負荷な作業を行っている間は結構うるさいのです。今回検証した、DAIVは背面排気ということもあってか、高負荷で回し続けても静かだったのが印象的でした。
それから、キャスターがついていて可搬性にも優れているのも良いですね。たまに社内で席替えがあるので、そういった際にわざわざ持ち上げる必要がないのは便利ですし、思わぬ事故が発生することも防げて安心です。
安心、という側面でいうと、内部にGPU用のサポートバーを標準装備している点も非常に良いと思いました。最近はGPUが大型化して重量がありますから、ズレや脱落による故障・破損をしっかり防いでくれる点が好印象でした。
DAIV FX-I7G80
DAIV FX-I7G80は、新世代のBlackwellアーキテクチャを採用した最新モデルの上位GPUであるGeForce RTX 5080を搭載。さらに、CPUにも新アーキテクチャの最新デスクトップ向けCPUのインテル Core Ultra 7 プロセッサー 265Kを採用したハイスペック仕様のデスクトップPCだ。メモリは標準で32GB、ストレージは2TBを搭載し、総合的に優れたパフォーマンスを発揮することでクリエイターの快適な作業をサポートする。

DAIV FX-I7G80
価格:539,800円(税込)~
CPU:インテル® Core™ Ultra 7 プロセッサー 265K
GPU:NVIDIA® GeForce RTX™ 5080
メモリ:32GB (16GB×2/デュアルチャネル)
ストレージ:2TB (NVMe Gen4×4)
OS:Windows 11 Home 64ビット
お問い合わせ
株式会社マウスコンピューター
TEL(法人):03-6636-4323(平日:9~12時/13時~18時、土日祝:9~20時)
TEL(個人):03-6636-4321(9時~20時)
メールアドレス:houjin@mouse-jp.co.jp
お問い合わせフォーム:www.mouse-jp.co.jp/store/business/contact.aspx
TEXT_近藤寿成/Toshinari Kondoh
EDIT_Mana Okubo(CGWORLD)
PHOTO_弘田 充/Mitsuru Hirota