マウスコンピューター「DAIV」のビジュアライゼーションの実力は? 設計製造ソリューション展にて展示されたマシンを、CADデータの読み込みから、高品質なリアルタイムレンダリングまで検証

製造業や建築業における3DCG活用が着実に広がるなか、ボーンデジタルはこれまでゲーム・アニメ・映像分野で培ってきた技術とノウハウを新たな市場へ届けるべく、設計製造ソリューション展に初出展した。テーマは、「製造業ユーザーがお手持ちのCADデータをどのようにして高品質なビジュアライゼーションへと変換できるのか」。
会場では、CADデータの変換・最適化から各種ソフトへのインポート、コンテンツ制作までの具体的な手順を、実機によるデモンストレーションで紹介。
展示を支えたのは、マウスコンピューターのクリエイター向けPC「DAIV」シリーズ。限られたブーススペースでも安定した性能を発揮し、静音性や拡張性も含めて製造業ユーザーに適した環境を提供した。その現場での評価と活用の手応えを、担当スタッフに聞いた。
――今回、設計製造ソリューション展に出展された理由と展示内容を教えてください。
ボーンデジタル 黒河 健(以下、黒河):私たちはこれまで主にゲーム・アニメ・映像といったエンターテインメント業界のお客様に向けて、3DCG関連ソフトウェアの販売や技術サポートを行ってきました。
しかし近年では、製造業や建築業でも3DCG活用の事例が増えています。特に製造業のビジュアライゼーション分野は、私たちが長年培ってきたノウハウを活かせる領域だと考え、今回の出展を決めました。

黒河:展示のテーマは「製造業ユーザーがお手持ちのCADデータを、いかに高品質なビジュアライゼーションへ変換できるか」です。実際には、CADデータの変換・最適化から各種ソフトへのインポート、コンテンツ制作までのワークフローを実演し、来場者の方に自社での活用イメージを持っていただけるよう工夫しました。

――来場者の反応はいかがでしたか?
黒河:狙いとしていた「ワークフローの全体像を理解してもらう」点については、「流れがよくわかった」という声を多くいただきました。フォトリアル表現の容易さに驚かれる方も多く、3DCGのハードルが下がったと感じていただけたのではないかと思います。
また、既に知識のある来場者からは、より実務的な応用や高度な活用方法に関する質問を多くいただき、展示を通じて活発な情報交換ができました。
――デモンストレーションでは、どのようなソフトウェアやワークフローを紹介されたのでしょうか。
黒河:主なソフトは、3ds Max、VRED、Twinmotion、Unity、Substance Painter/Designer、Adobe FireFly、RizomUVです。
例えば、Unity Asset Transformer(旧Pixyz)でCADデータをポリゴンモデルに変換・最適化し、そのデータをUnityやTwinmotionにインポートしてアニメーションやインタラクションを追加。
VREDではより高精度なレンダリング、3ds Maxではリギングやカメラワークなどを解説しました。テクスチャ制作ではRizomUVとSubstance Painter/Designerを組み合わせ、取り込み先ソフトに合わせた高品質素材作成の方法も紹介しました。

――今回の展示で使用されたマウスコンピューター「DAIV」の構成や選定理由を教えてください。
黒河:使用したのはDAIV KM-I7G70とDAIV FX-I7G70の2モデル。いずれもカスタムなしの標準構成で、GPUはGeForce RTX 5070を搭載しています。今回は大規模データを扱う想定ではなかったため、中規模シーンを快適に動かせる標準的なスペックを選びました。それでも、リアルタイムレンダラーやゲームエンジンのビューポートを滑らかに動かせる性能を発揮してくれました。
――それぞれのモデルの特徴や使い心地を教えてください。
DAIV KM-I7G70

黒河:とにかくコンパクトなのが魅力です。展示ブース1画(奥行700mm × 幅3600mm)に4台設置したのですが、すごく収まりがよかったです。奥行と高さが抑えられているので、設置場所の検討がしやすいと思います。高さ控えめなので、いい意味で存在感を消している印象でした。音も静かなので存在が気になりませんでした。
UnityやTwinmotionのビューポートもサクサク動きましたね。メモリ32GBだとシーンの読み込みに多少の時間を要したり、複数ソフト開いてブラウザ開いてとすると容量がすぐひっ迫するので、メモリ64GBあるとよりよいですね。
小型化されたことでパフォーマンスや静音はどうかなと思いましたが十分な品質かと思います。
DAIV FX-I7G70

黒河:フルタワーゆえの冷却性能と拡張性が強みです。キャスターとハンドル付きで搬入・搬出がしやすく、高負荷・長時間の運用でも安定して動作します。重量はありますが、据え置きで使うには理想的です。

――製造業のユーザーにとって、DAIVシリーズはどのようなメリットがありますか?
黒河:高性能CPUとGeForce RTX搭載で、CADデータの読み込みやレンダリング、簡単なアニメーション制作がスムーズにこなせます。
初期投資を抑えつつも十分なパフォーマンスが得られ、必要に応じてメモリやストレージを増設できる拡張性も魅力です。デザインは落ち着いていて、オフィスにも自然に馴染みますし、静音性が高いので作業環境を乱しません。
――最後に、今回の展示を振り返っての感想をお願いします。
黒河:製造業分野へのアプローチは、私たちにとって新しい挑戦でしたが、多くの来場者に3DCGの可能性を伝えることができたと思います。
そして、その挑戦を安定したパフォーマンスで支えてくれたのがマウスコンピューター「DAIV」でした。今後もこうした機材とともに、新しい分野での3DCG活用を広げていきたいです。