第一線で活躍するアーティストや専門家が登壇するスキルアップイベント『CGWORLD MASTERCLASS ONLINE』。今回は「背景アートのロジック」と題し、8名のアーティストが登壇します。

アイデアの出し方から、構図や色の選び方、ツールの活用方法まで、背景制作における考え方とテクニックが学べる4日間。背景アートをロジックで紐解き、クリエイティブのヒントや、明日から実践できるTipsをお届けします。

今回は、『CGWORLD MASTERCLASS ONLINE』プロデューサーの西原に、各セッションの見どころを聞きました。

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    ――今回の「背景アートのロジック」というイベントについて、まずはプロデューサーとしてこの企画の趣旨をお聞かせください。

    西原: 背景アートを描かれているクリエイターさんの中には、「いつも感覚で描いていて再現性がない」とか「どこか違和感があるけれど、原因がわからない」といった悩みを抱えている方も多いと思います。今回のイベントは、そうした悩みを感覚ではなく、「ロジック(論理)」で紐解いて解決しようという趣旨で企画しました。

    単なるテクニックの詰め合わせではなく、アイデアの出し方からツールの活用、そして感情に働きかけるための演出まで、一連の流れとしてスキルアップをお手伝いできるようにカリキュラムを設計しています。

    土台となる「発想の設計」と「パースの苦手意識の克服」

    ――1日目は「アイデア論」と「パース術」のセッションですね。

    西原: アイデアが枯渇して、どんどんアウトプットの幅が狭まってしまう……というお悩みはあるあるだと思います。そこで、まずはアイデアを形にする土台の部分にフォーカスしたセッションを考えたいと思いました。

    講師を担当いただくのは、MVのイラストやコンセプトアート、ゲーム背景などの制作を手がけているsmileです。smile氏はご自身の発想のプロセスを分析して、再現性のある設計方法として確立されています。直感や思い付きだけに頼るのではなく、自分に合った発想方法を見つけるヒントにしていただきたいですね。

    ――アイデアの後に、「パース」の講義が来るわけですね。

    西原: 背景を描くうえで、パースに苦手意識のある方も多いと思います。そこで、アシスタント背景美塾の塾長であるMAEDAX氏にご相談しました。

    このセッションでは、「ストレスを感じる背景パターンと解消法」をテーマに、「よく見ると“座らせることができていない”構図」や「オーバーパースが不自然に見えてしまう理由」といった事例を挙げて解説いただきます。どのように修正すれば自然になるか、という具体的な解決策も紹介いただくので、すぐに使えるテクニックを学ぶことができます。

    説得力を生む「現実世界のルール」と「色彩の根拠」

    ――アイデアや構図に関するセッションを経て、2日目はどのようなテーマに移っていくのでしょうか。

    西原: 次は、画面に圧倒的な「説得力」を与えるフェーズです。ここでは新しい引き出しとして、風景写真家の萩原れいこ氏をお呼びしました。

    イラストレーターの視点だけではなく、「写真家がどう風景を捉えているか」というロジックを取り入れてみようと。レンズやフィルターによる印象操作はもちろん、気象現象の発生要因や、地形の成り立ち、植生の生態まで踏み込んでお話しいただきます。「現実世界がどのように成り立っているか」という根拠を知ることで、リファレンスの見方や、画面構成の矛盾のなくし方が変わるのではないでしょうか。

    ――根拠を追及することで、説得力を深めるということですね。それは「色」についても言えそうです。

    西原: 色選びに悩んでいる方も本当に多いですよね。そこで、大学でも教鞭をとられている岩瀬由布子氏に、クライアントワークの事例をもとにした「根拠のある色選び」を解説していただくことになりました。

    例えば「赤色」をテーマにした一枚絵を描くとき、無数にある赤の中から「どの赤」を選び、どこに配置して、どう強調するか。ラフやボツ資料、動画も交えてお話しいただきます。「センス」という言葉で片付けられがちだった色彩を、根拠を持って選べるようになるためのセッションです。

    効率的なワークフローを実現する「フォトバッシュ」と「3D」

    ――3日目は、より実践的なデジタルツールの活用に関するセッションですね。

    西原: 効率とクオリティを両立させるためには、ツールの有効活用も欠かせません。まずフォトバッシュですが、以前から「素材が上手く馴染まない」「使いこなせない」という声も多く、tmt氏に講義をお願いしました。

    クライアントワークで求められるアウトプットの考え方から、表現スタイルに合わせた画面の組み立て方を紐解いていただきます。素材選定から馴染ませ方のノウハウ、既存の作品に新しい素材を合成するプロセスをデモンストレーションで見せていただくので、明日から試せるテクニックが満載です。

    ――近年ユーザーが増えているBlenderのセッションについてはいかがですか?

    西原: ここでは、背景イラストレーターのカミワダテル氏に登壇いただきます。強調したいのは、これは「Blenderの操作チュートリアル」ではないという点です。

    あくまで「イラストレーターが3Dツールを使うメリットや表現の発見」に特化しています。3Dにおけるパースとモデルの活用、リアルな質感表現など、初心者の方にも分かりやすく「3Dベースの絵作りの強み」を解説していただくので、これから挑戦したい方や、絵のクオリティをもう一段上げたい方にぜひ見てほしいです。

    表現の拡張、そして最後は「ロジックを超えた心地よさ」へ

    ――4日目には、ピクセルアートに関するセッションもラインナップされていますね。

    西原: 面白い表現の切り口のひとつとして、今回はピクセルアーティストのAPO+氏に、背景イラストの観点から深く掘り下げていただきます。

    Blenderを使ったラフとライティングから、Photoshopでの実制作、アニメーション化までの流れを解説いただきます。ワークフローの紹介にとどまらず、そもそも「何をもってしてピクセルアートなのか」という考え方やルールの部分まで踏み込んだ話をしていただけるので、表現の幅を広げるヒントになるはずです。

    ――そして最後のセッションを「心地よく見せる」をテーマとして掲げています。

    西原: さまざまな視点から背景アートの表現をロジックで紐解いていきましたが、最後のセッションでは、そこから一歩先を踏み出すアウトプットをテーマにしたかったんです。加藤オズワルド氏には、空気感と空間の描き方として、“気持ちよさ”と“印象”を最優先した空間表現を解説していただきます。

    「あえてパースからずらす」「広角と望遠を同居させる」といった、一見ロジックに反するような表現もあります。観る人、そして描いている本人が「心地よい」と感じる空間演出。基礎を理解したからこそできる、人の心を動かす絵づくりのエッセンスを学べるでしょう。

    すべての線と色に、確固たる理由が持てるようになる4日間

    ――最後に、受講者の方にメッセージをお願いします。

    西原: アイデアの発想から始まって、パース、レンズやフィルター、色彩、フォトバッシュ、3D、ピクセルアート、そして最後の空気感の演出まで、すべてのテーマが地続きになっています。この8つのセッションを通して、普段の悩みを解消するヒントが見つかったり、新しい表現の引き出しが増えたり、明日からの制作活動がより良いものになることを願っています。

    また、6/21まで早期割引として20%OFFでチケットが購入できるキャンペーンをやっています。1枚のチケットですべてのセッションを受講できるので、気になっている方はぜひチェックしてみてください。

    開催概要

    開催日:2026年6月22日(月)~25日(木)
    時間:18:00~21:30

    価格:21,120円(税込)※早期割引(6月21日まで)
    ※早期割引以降は26,400円(税込)となります。
    ※チケットは1種類で4日間のすべての講義が視聴可能です。

    開催方法:オンライン配信
    ※アーカイブ配信(3か月間の期間限定)は後日準備ができ次第のご案内となります

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