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福岡でCG系の人材育成セミナー「CGで次代が変わる、アニメと映像のこれから」開催

福岡でCG系の人材育成セミナー「CGで次代が変わる、アニメと映像のこれから」開催

5月14日(土)、福岡市のアクロス福岡にてクリエイティブ・ラボ・フクオカ、イマジカデジタルスケープ、ボーンデジタル、CG-ARTS協会によるCG系の人材育成をテーマにしたセミナー「CGで次代が変わる、アニメと映像のこれから」が開催された。アニメCGと実写映像の2ジャンルに分けるかたちで2つのトークセッションが行われたが、本稿ではアニメCG系の講演を中心にふりかえる。

TEXT & PHOTO_真狩祐志



<1>アニメCG系〜「ぼくらはこう考える!これからのアニメ」

第1部のCGアニメセッション「ぼくらはこう考える!これからのアニメ」では、グラフィニカから取締役・チーフプロデューサーの吉岡宏起氏、サンジゲンから代表取締役の松浦裕暁氏とCG作画部統括マネージャーの瓶子修一氏が登壇。この顔合わせは昨年5月に札幌で開催された「『CGの表現のいま-アニメ制作動向』サンジゲン、カラー、グラフィニカが語る -クリエイターに求められる能力とは-」と同じということで(※瓶子氏は当時、カラーにCGIプロデューサーとして在籍していた)、終始打ち解けた感じで盛り上がりをみせていた。
第1部のセッションは両社が制作した作品や互いのスタジオの様子を紹介しながら進んだ。ちなみに福岡市内にはグラフィニカは関連会社のバンブーマウンテンが、サンジゲンは今年から始動した福岡スタジオをかまえている。

福岡でCG系の人材育成セミナー「CGで次代が変わる、アニメと映像のこれから」開催

左からグラフィニカの吉岡氏、サンジゲンの松浦氏と瓶子氏

アニメ業界内の話では、手描き(2D)が単価でCGが月給であることにも言及。「手描きの作画はフリーランスなので単価で報酬をもらうことになる。プロとしてのクオリティが出せるようになるまでは納品を受け付けてもらえない」(瓶子氏)、「上手い人でも下手な人でも1枚4,000円(テレビシリーズ案件における原画の平均的な単価)だけど描くのが遅いと稼げない。自分が描き続けられればいいから新人を育てられない」(松浦氏)といった意見が聞かれた。
そうしたながれから人材育成の話に。「サーバーとかソフトウェアを揃えようと思うと組織化せざるをえない」(松浦氏)と、インフラ面における3DCGの利点に挙げた。それを受けて、「固定費で雇うと新人を育てなきゃいけないってなってくる」と吉岡氏も続いた。

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「会社に所属してないということは、新人を育てるのではなく自分の仕事を分けることになる」(松浦氏)

採用に関する話題として、松浦氏は「面接だけでは情熱と耐性を誤魔化すことができてしまう。『何でもやります!』とか言えるし、辛いときがあったら『乗り越えます!』って言えてしまう」と指摘。「本当に情熱を抱いているのか。どんな仕事でも辛いのは当たり前。戦略をもってやろうとすると(見映えや格好ばかり気にしてしまうと)かえって落とされやすい。そういうことよりも、一緒に働いたときの具体的なイメージをどのようにして相手(採用する側)に抱いてもらおうか、といったこを考えた方が良い」とサンジゲンを志望する場合に関してのアドバイスをよせていた。

また、グラフィニカの吉岡氏は「とにかく『ガールズ&パンツァー』が好き」と応募してきた人のエピソードを披露。「どういうところが好きなのかと聞くと『戦車の名前を全部言える』とか。何をやりたいのかと聞くと『とにかくガルパンがつくりたい』と。それでは、お互いの目指すとこがちがうなということで採用を見送りました」と語っていた。

終わりの方で松浦氏は、製作への出資や制作費を回収するためのビジネスモデルがセルパッケージの販売から配信型へとシフトしていることにも言及。「配信業者がお金をドンドン出している。例えばBlu-rayやDVDなど従来型の製作サイドからの出資が3割弱なのに対して、配信サイドは8割ちかいといった案件も現れ始めている。クライアントが変わればつくるアニメも変わってくる。Blu-rayやDVDを購入してくださるのはどうしても国内のアニメファンが主体になりがちだが、今後は変わってくるだろう」と、期待を込めてコメントしていた。

<2>実写映像系〜「インタラクティブ映像制作におけるコラボレーションワーク」

第2部のCG映像セッション「インタラクティブ映像制作におけるコラボレーションワーク」では、モンブラン・ピクチャーズから映像ディレクターの村上ヒロシナンテ氏、テクニカルディレクター兼プログラマーの吉田真也氏、ディレクター兼モーショングラフィックデザイナーの猪口大樹氏が、あのラボから代表/メディア・アーティスト/デザイナー/研究者と多彩な顔をもつ藤岡 定氏とプログラマー兼アーティストの岩谷成晃氏が登壇した。
こちらのセッションでは、熊本の高森湧水トンネル公園における常設型プロジェクションマッピング『ミライズン』や熊本城内にある加藤神社で催された「Ultrabook™ presents Clap for Dream ~社で会いましょう~」、福岡のキャナルシティにおける「キャナルシティ博多みらいクリスマス」といったインタラクティブ系コンテンツの事例を紹介するかたちで進められた。

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左から岩谷氏、猪口氏、村上氏、藤岡氏、吉田氏

5名はいずれも九州が地元である。「出身もほぼ九州芸術工科大学(現:九州大学)なので、そうした背景も作品に出ているのかな。専門もありつつ守備範囲外のことをして面白いことを創り出そうとしている」(藤岡氏)、「映像は1つの手段でしかなくて、それが最適な回答ではない場合もある。無理やり映像をやっても仕方ないので楽しい正解を選びたい」(村上氏)、「自分の興味をキャリア的にも軸足をどこまで延ばせるか。映像の会社にいるからこそ出てくる知識みたいなものがすごく重要」(吉田氏)など、映像のみで完結しない新たなエンターテインメントのありようが垣間見える講演であった。

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