3月8日、東京・秋葉原のUDXシアターにて「VFX-JAPANアワード2018」の表彰式が開催された。本稿ではその模様をレポートする。

TEXT_真狩祐志 / Yushi Makari
EDIT_山田桃子 / Momoko Yamada
PHOTO_弘田 充 / Mitsuru Hirota

2012年に設立されたVFX-JAPANでは、CG・VFX技術の活用を推進し、CG・VFX業界の発展と活性化を目標として活動を行なっている。主な活動内容は、新技術や先端映像表現に関するセミナーや会員間のコミュニケーションを促進するイベントの開催、海外情報の提供や国内業界動向などの情報収集だ。「VFX-JAPANアワード」もその一環として2013年から実施されている。


「VFX-JAPANアワード2018」8部門

同アワードは、VFX-JAPANの会員が推薦・応募した作品の中から各部門の優秀賞作品を選出、3月8日の表彰式にて各部門の最優秀賞が発表された。

劇場公開実写映画部門 最優秀賞『海賊とよばれた男』


劇場公開実写映画部門の受賞作品

劇場公開実写映画部門にて優秀賞に選ばれていたのは『海賊とよばれた男』、『東京喰種 トーキョーグール』『亜人』の3作品。その中から『海賊とよばれた男』が最優秀賞となった。最優秀賞に選ばれた『海賊とよばれた男』にて表彰を受けたのは白組のVFXディレクター・渋谷紀世子氏。渋谷氏は「現場のスタッフとポスプロのスタッフ、みんなのアイデアと行動力でいただいた賞だと思っております」とコメントした。

劇場公開アニメーション映画部門 最優秀賞『BLAME!』


劇場公開アニメーション映画部門の受賞作品

劇場公開アニメーション映画部門にて優秀賞に選ばれていたのは『ひるね姫~知らないワタシの物語~』『BLAME!』『夜明け告げるルーのうた』の3作品。その中から『BLAME!』が最優秀賞となった。最優秀賞に選ばれた『BLAME!』にて表彰を受けたのはキングレコードのプロデューサー・矢田晶子氏。矢田氏は「本質を損なうことなく素晴らしい映像技術で表現してくださったポリゴン・ピクチュアズの監督・制作陣・プロデューサー各位に、製作委員会を代表してこの場を借りて御礼申し上げます」とコメントした。

テレビ番組 VFX部門 最優秀賞「連続テレビ小説『ひよっこ』タイトルバック」


テレビ番組 VFX部門の受賞作品

テレビ番組 VFX部門にて優秀賞に選ばれていたのは『精霊の守り人 シーズン2 悲しき破壊神』、「連続テレビ小説『ひよっこ』タイトルバック」の2作品。いずれもNHKの放送番組であったが、その中から「連続テレビ小説『ひよっこ』タイトルバック」が最優秀賞となった。最優秀賞にて表彰を受けたのはMORIEのプロジェクトマネージャー・大野陽祐氏。大野氏は「会社を設立してまもなく入った大きな仕事だったので、社員一同、感慨深い作品です」とコメントした。

テレビ番組 アニメCG部門 最優秀賞『宝石の国』


テレビ番組 アニメCG部門の受賞作品

テレビ番組 アニメCG部門にて優秀賞に選ばれていたのは『正解するカド』『スナックワールド』『宝石の国』、『Lost in Oz』の4作品。その中から『宝石の国』が最優秀賞となった。最優秀賞に選ばれた『宝石の国』にて表彰を受けたのはオレンジの代表/チーフディレクター・井野元英二氏と制作部プロデューサー・和氣澄賢氏。井野元氏は「オレンジとしては初の元請けでつくった作品です。環境が整ってないまま制作がはじまりましたが、様々なアドバイスをいただき乗り切りました」とコメント。和氣氏は「これまで作画をやっていたのでCGでの制作に全くなじみがなかったのですが、やってみてわかったのは作画もCGも、絵的なちがいでしかないということでした」とコメントした。

ゲーム映像部門 最優秀賞『グランツーリスモSPORT』


ゲーム映像部門の受賞作品

ゲーム映像部門にて優秀賞に選ばれていたのは『人喰いの大鷲トリコ』『GRAVITY DAZE 2/重力的眩暈完結編』『グランツーリスモSPORT』の3作品。その中から『グランツーリスモSPORT』が最優秀賞となった。最優秀賞に選ばれた『グランツーリスモSPORT』にて表彰を受けたのはポリフォニー・デジタルのシニアCGアーキテクト・高野修一氏。高野氏は「PlayStation 4 ProやVRといった最先端のものに取り組んだことで、こういった賞をいただけることになったのかなと思います」とコメントした。

CM・プロモーションビデオ部門 最優秀賞「新幹線YEAR2017『四季を走る新幹線』」


CM・プロモーションビデオ部門の受賞作品

CM・プロモーションビデオ部門にて優秀賞に選ばれていたのはきゃりーぱみゅぱみゅ『原宿いやほい』関門PRムービー『COME ON!関門!』CRAZYBOY『NEOTOKYO』新幹線YEAR2017『四季を走る新幹線』の4作品。その中から、新幹線YEAR2017『四季を走る新幹線』が最優秀賞となった。最優秀賞にて表彰を受けたのはKhakiのオンラインエディター・水野正毅氏。水野氏は「本日はこのように名誉な賞をいただきありがとうございます。この作品では最後の仕上げを担当させていただきました」とコメントした。

ショートフィルム部門 最優秀賞『ブレードランナー ブラックアウト 2022』


ショートフィルム部門の受賞作品

ショートフィルム部門にて優秀賞に選ばれていたのは『Beyond the Moment of Beauty - Into the Galaxy』『ブレードランナー ブラックアウト 2022』『ZOIDS FIELD OF REBELLION』の3作品。その中から『ブレードランナー ブラックアウト 2022』が最優秀賞となった。最優秀賞に選ばれた『ブレードランナー ブラックアウト 2022』にて表彰を受けたのはCygamesPicturesの取締役・鹿嶌 舜氏とルーデンスの代表取締役/CGIディレクター・増尾隆幸氏。鹿嶌氏は「『ブレードランナー ブラックアウト 2022』は(CGというよりも)作画をメインとした作品なので、正直選ばれるとは思っていませんでした」とコメント。増尾氏は「『ブレードランナー』に関わることができ、素晴らしい経験でした。この作品も才能豊かな監督がいて良い作品になり、参加できてとても光栄でした」とコメントした。

先導的視覚効果部門 最優秀賞『第67回 NHK紅白歌合戦 都庁中継』


先導的視覚効果部門の受賞作品

先導的視覚効果部門にて優秀賞にて選ばれていたのは「ONWARD presents 劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season風 Produced by TBS」、『第67回 NHK紅白歌合戦 都庁中継』、『COCOLORS』の3作品。その中から『第67回 NHK紅白歌合戦 都庁中継』が最優秀賞となった。最優秀賞に選ばれた『第67回 NHK紅白歌合戦 都庁中継』にて表彰を受けたのはNHKの日高公平氏(技術協力)。日高氏は「正直、ほかの作品を見ていてとても五感に訴えるものがあるとビックリしていたので、まさか自分達がこのような賞をいただけるとは思っていませんでした」とコメントした。



  • 「VFX-JAPANアワード2018」授賞式
    日:2018年3月8日(木)
    場所:秋葉原UDXシアター
    vfx-japan.jp