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『Fate/Grand Order』でも大活躍! ディライトワークスが超重要視する役割「プロジェクトマネージャー」は何をする仕事なのか?

『Fate/Grand Order』でも大活躍! ディライトワークスが超重要視する役割「プロジェクトマネージャー」は何をする仕事なのか?

2月27日(水)、スマートフォン向けゲーム『Fate/Grand Order(以下、FGO)』などの企画・開発・運営で知られるディライトワークスがゲーム開発者向け技術勉強会「DELiGHTWORKS Developers Conference(略称:DDC)」を開催した。第3回となる今回のテーマは「ゼロから始めるプロマネ生活」。DELiGHTWORKS SWALLOWTAIL Studios プロジェクトマネージャーの戸田圭祐氏より、ディライトワークスが考える「プロジェクトマネージャー(PM)」像が語られた。

TEXT&PHOTO_安田俊亮 / Shunsuke Yasuda
EDIT_小村仁美 / Hitomi Komura(CGWORLD)、山田桃子 / Momoko Yamada

<1>プロデューサー、ディレクターに並ぶ役割

ディライトワークスにおける「PM」は、社内でもかなり重要視されているポジションだという。直訳的な意味では「プロジェクト管理者」となるが、ディライトワークスでは特に「円滑にプロジェクトを進行させる役割」を担っている。


戸田圭祐氏(DELiGHTWORKS SWALLOWTAIL Studios プロジェクトマネージャー)

PMがどれほど重要とされているかは、ディライトワークスの開発体制からも見て取れる。通常、開発チームの管理責任はプロデューサーとディレクターの2つのポジションにあることが多いが、ディライトワークスではさらにPMを管理責任者の1人として置いている。

つまり、プロデューサー、ディレクター、PMという3人体制でプロジェクトを進行させていく。金銭や契約などの管理はプロデューサー、作品のクオリティ管理はディレクター、そしてチームやスケジュールの管理がPMにまかされているというわけだ。


ディライトワークスの開発チームイメージ

<2>クリエイターが開発に集中できる環境を

ではなぜPMが必要なのか。簡単に言えば、開発スタッフたちが本来するべき仕事、つまりゲーム開発に集中してもらうためだ。

PMの仕事は、プロジェクトの進捗管理、データ管理、機材管理、人員管理など多岐にわたる。しかしこれらに共通するのは、「開発外」の仕事ということ。

またどんなプロジェクトでも問題の発生はつきものだが、ゲーム開発では「開発外」の問題も多い。例えば、スタッフ同士の意見の食いちがいなどのコミュニケーションの問題、新ツール導入などの環境整備の問題、またスタッフがケガや病気で長期離脱するなどのアクシデントもある。

こうした「開発外」タスクは常日頃から多く発生し、必ず誰かが解決しなければならない。そこで登場するのがPMというわけだ。開発以外の仕事をPMが率先して引き受けることで、クリエイターが開発に集中できる環境が整う。環境が整えば、ゲーム開発をより成功に導きやすくなる。これがディライトワークスが考えるPMの役目だと戸田氏は説明した。


<3>『FGO』イベントでタスクを分解・管理

では具体的に、PMはどのような動きをするのか。例えば戸田氏が携わっていた『FGO』のタスク管理では、管理ツール「Jira Software」などを使って「誰が、どのくらい、どのステータス」でタスクを保持しているかを管理していったという。この状況を毎日、朝会でチーム全体に共有することでプロジェクトが進められていった。


またイベントのリリースに向けては、タスクの分解も含めたチケット管理を行なったとした。例えば『FGO』のイベントリリースに向けて「新機能を実装する」というタスクが生まれたら、プログラマーと相談しながら「機能Aの実装」、「機能Bの実装」などとタスクを分解していく。

細分化されたタスクは個別で開発が進められ、バグを潰し、それぞれが「QA可能」となってはじめて結合試験をするようにしていたという。ひとつの実装ごとに、優先度やラベル、バージョン設定など細かく管理を行うことで、漏れがないように気をつけていたそうだ。

しかし、ここまで管理しても「実装漏れ」がQA期間中に発生したことがあったという。通常の開発では間に合わず、先送りにもできない機能だったが、このケースでは実装方法を変更し何とか間に合わせることができたとのこと。

戸田氏は、プロジェクトを成功に導くためにPMが行うことは、「計画通り進まないことを受け入れ、遅延・変化したタスクを管理すること」だと話し、こうした突発的な問題への対処もPMの重要な役割だとした。



<4>花形ではないが必要不可欠な仕事

戸田氏は、「PMは決して花形の役割ではないが、開発現場になくてはならない重要な仕事」だと語る。チームメンバーの協力の下、課題解決のために周りを巻き込みながら物事を進めていく。そのイメージから、PMは「自走する歯車」なのだと説明した。

PMに必要な能力は様々だが、中でも大事なのは「物事を正しく把握・理解し、正確な情報を相手に伝える能力」。PMは開発スタッフのハブとして動くため、自身が周りに受けいれられることが何より大切なのだとした。

ディライトワークスではPMの需要が日々高まっており、新たなPMを募集しているという。戸田氏自身はアニメ制作会社で制作進行を経験しているものの、PM業務には同社に参加してから初めて携わっており、未経験者も歓迎とのこと。戸田氏は「もし興味が湧いたのなら、ぜひPMへの扉を叩いてみてください」と語った。


会場で配られたPMの仕事を説明する冊子「プロジェクトマネージャーガイドブック」。戸田氏はPMとして制作に関わっている

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