>   >  デザイン~シーン制作までSMDEの集大成、劇場版『新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA-X』
デザイン~シーン制作までSMDEの集大成、劇場版『新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA-X』

デザイン~シーン制作までSMDEの集大成、劇場版『新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA-X』

[PR]

2019年12月に公開された劇場版『新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA-X』について、CG制作を担当した小学館ミュージック&デジタル エンタテイメント(以下、SMDE)に話を聞いた。

※本記事は月刊「CGWORLD + digital video」vol. 259(2020年03月号)からの転載となります。

TEXT_ 野澤 慧、成澤博樹
EDIT_斉藤美絵 / Mie Saito(CGWORLD)、山田桃子 / Momoko Yamada

劇場版『新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA-X』
監督:池添隆博/脚本:下山健人、キャラクターデザイン:あおのゆか、メカニックデザイン:服部恵大、アニメーション制作:OLM、アニメーション制作協力:SynergySP、CGアニメーション制作:SMDE、制作:小学館集英社プロダクション、製作:超進化研究所/配給:東宝映像事業部
shinkalion.com/movie
公式Twitter:@shinkalion
© プロジェクト シンカリオン・JR-HECWK/超進化研究所・The Movie 2019
© カラー

小学館ミュージック&デジタル エンタテイメント
求人情報:詳しくはこちら

単なる移動手段ではなく、日本の平和と安全を守る変形ロボとして活躍する新幹線を描く『新幹線変形ロボ シンカリオン』の劇場版が2019年12月に公開された。『シンカリオン』はジェイアール東日本企画・小学館集英社プロダクション・タカラトミーの3社の企画で、TVアニメ化前のPV・TVシリーズに続き、劇場版のCGもSMDEが担当。2018年夏に企画がスタートし、玩具の開発に合わせて同年秋に劇場版の制作が決定、本格的なCG制作は2019年春頃開始となった。新型車両ALFA-Xのモデリングは2月頃から始まり、実際の車両の確認などを経て5月頃に完成。その間、並行して背景制作等が行われ、アニメーション作業は夏から12月上旬までかけ、約1,100カットのうち300カットほどがCGで制作された。スタッフはTVシリーズからひき続き約15名のチームが参加。ツールはMayaをメインに、TVシリーズで蓄積されたノウハウを活用して制作期間を短縮している。劇中ではTVシリーズの映像も使用されるため、素材設定はそのまま引き継がれた。また、コラボ作品パートは「本物感」を出すために、コラボ元の関係会社に造形や映像制作自体など、作品に深く関わってもらえるよう依頼している。

前列左から、CGプロデューサー・城戸由貴子氏、CGアニメーター・森田光恭氏、CGディレクター・安田兼盛氏、CG背景デザイン/モデラー・工藤望実氏、プロジェクトマネージャー・谷仲里沙氏。後列左から、テクニカルサポート・木村真生氏、CGアニメーター・久能木 亮氏、シンカリオンモデリング/モデリングディレクター・服部恵大氏、CGアニメーター・松本 涼氏、プロジェクトマネージャー・白井真智子氏。以上、小学館ミュージック&デジタル エンタテイメント
www.smde.co.jp

アニメの見せ場に実在の新幹線車両が変形・合体し、敵と戦うシーンがあるが、本作ではALFA-X以外にも、宇宙から襲来する敵の列車が登場。変形シーンを前提に、敵キャラクター・ヴァルドルのデザインも調整された。同作全般のシンカリオンデザインを手がけるモデリングディレクター・服部恵大氏のデザインワークについて「人の形に上手く落とし込むデザインで汎用性も高いですね」とCGディレクター・安田兼盛氏は語る。実在の新幹線や玩具を基にした作品という特徴をもち、アニメのデザインがグッズ展開に使用されるなど「CGだけで終わらない」のはSMDEの強みだ。

<1>実在する車両と玩具のデザインから魅力的なCGアニメ向けのデザインに落とし込む

『シンカリオン』では、TVシリーズから一貫して服部氏がシンカリオンのリデザインからモデリングまでを担当している。その人気は子どもだけに留まらず、劇場には子どもたちの隣で食い入るようにロボを見る大人たちの姿も。世代を超えて愛されているアニメのデザインだが、そこには服部氏なりの信条があるという。「できるかぎり自分の"我"が出ないように心がけています。"デフォルメの効いたプラレール(玩具)のデザインが、実寸レベルの新幹線になったら"を大前提にリデザインしました」(服部氏)。玩具の特徴をキープすることは本作の主題とも言えるポイントだ。その上で、実在する車両という側面もあるため、双方の良さが両立できるようなデザインにすることを心がけているのだという。「とはいえ、玩具や車両あってのアニメのデザインです」と謙遜する服部氏だが、そうして練り上げられたシンカリオンのデザインは、グッズや着ぐるみなどに起用されている。「メカデザイナーに興味がある人が来てくれたら、今後さらなる展開ができそうです。変形モデルも作成できますし、一緒につくりませんか?」と服部氏。アニメの範疇を飛び越えて多方面へ影響を及ぼすデザインの秘密に迫る。

ALFA-Xのデザイン化&3Dモデル化

順にALFA-Xのアルファモード、エックスモードのCG用デザイン

E5MkIIオーバークロスALFA-Xは制作スケジュールの関係上デザイン画はなく、版権用画稿の作業を兼ねて進められた。アニメのデザインを基にプラレールがつくられたと思ってもらえるようなデザインを目指したという

完成した3Dモデル。線路など一部のパートを集中的に担当するスタッフもいたため、作業者間でズレが生じないように、リアルスケールでモデリングされた。デザイン画からの変更は最小限に抑えているという

次世代新幹線:ALFA-X

ALFA-Xの車両の写真。シンカリオンたちは、こうした本物の車両の資料やプラレールのデザインを参考に作成されている。本作はALFA-Xが初登場するということで、SMDEでの動き出し前に先行して、タカラトミー側で玩具のデザインが始動。実はTVシリーズが最終話を迎える前におおよその形状は出来上がっていたそうだ。SMDEは昨年2月頃からALFA-Xの作成に着手したが、実際の車両を見ることができたのは5月の記者公開だったという。それまでの期間はジェイアール東日本企画から提供された資料などを見て、イメージを膨らませていったとのこと

機械兵器ヴァルドル

本作の最終ボス、ヴァルドルはTVシリーズ中にデザインされていた初期案から大きく変更されている

初期デザイン案。シナリオ段階で先行して作成された由利 聡氏(バーンストーム・デザイン・ラボ)のデザイン画。細かいギミックまで描き込まれている

モデリングに際して初期案から変更する必要があったため、事前確認用として服部氏が作成したイメージ画。当初はTVシリースの敵であるキトラルザスのイメージカラーに合わせたピンクの配色を提案していた。最終的に、初期案に合わせたブルーの配色となる

モデリング用デザイン案。通常の敵とは異なり、ヴァルドルは列車から変形するため、3つの鉤爪などの初期案に合ったコンセプトは維持しつつ、シンカリオンたちと同様のルールに則って調整していく

完成モデル。池添隆博監督とのSkype会議などを経て、最終的にこの形状に落ち着いた。「紆余曲折ありましたが、この作品のデザインに関わられた方へのリスペクトが少しでもが伝われば幸いです」と服部氏は語る

オーバークロス合体

変形モデル。変形の段取りも服部氏が決めている。CG上で、列車のどのパーツがロボのどこの部分を構成するか検討し、FIXされたものがデータとしてプリビズ工程に渡される

プリビズ。最初は絵コンテを描いていたそうだが、動き等を上手く伝えやすいプリビズを制作することに。どのような順で変形していくかを決める。安田氏がカメラワークやタイミングを検証し、映像として魅力的なながれを探っていく

完成画。迫力のある変形シーンだ。ALFA-Xのオーバークロス合体では、パーツ点数が約600個、通常変形の2倍の総尺となり、過去最大の変形シーンとなったという

次ページ:
<2>アイデア出しから作品の世界をつくり視聴者の心を捉えるシーンを描く

  • 求人情報
    小学館ミュージック&デジタル エンタテイメントでは現在下記職種を募集中です
    【中途採用】
    (1)クリーチャー、メカアクションシーン担当CGリードアニメーター(経験者)
    (2)キャラクターアニメーション担当CGアニメーター(経験者)
    (3)クリーチャー、メカアクションシーン担当CGアニメーター(第二新卒以上)
    (4)メカ、キャラクター、背景美術モデラー(経験者)
    (5)映像制作の制作進行(経験者)

    ■雇用形態
    契約社員(正社員登用制度あり)
    フリーランス契約、プロジェクト契約可能です。多様な働き方があります。
    雇用形態、雇用期間、ご相談ください!
    ■休日・休暇
    年間120日程度(内訳:土・日曜日、祝日、年末年始休暇、夏期休暇、慶弔休暇、有給休暇)
    ■勤務地
    〒101-0051
    東京都千代田区神田神保町2-30 昭和ビル4F

小学館ミュージック&デジタル エンタテイメント
求人情報:詳しくはこちら

特集