今週から短期企画として掲載している『GW直前スキルアップ応援特別企画』。
本日は『トム・バンクロフトが教えるキャラクターに生命を与える技術』より"身体の動きの仕組み〜ドラッグ〜"を掲載します。
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トム・バンクロフトが教える
キャラクターに生命を与える技術
著者:トム・バンクロフト
序文:アダム・ヒューズ
翻訳:株式会社Bスプラウト
ISBN:978-4-86246-193-3
総ページ数:176
発行・発売:株式会社 ボーンデジタル
価格:3,024 円(税込)
アーティストのみなさんからよく受ける質問の1 つが、「静止画で動きを表現するにはどうすれば良いか?」という質問です。これはなかなか難しいものです。ディズニーで10 年以上アニメーターをしていたので、動きについてはかなり研究する必要がありました。何を研究する場合にも言えることですが、研究すればするほど腕は磨かれていくものです。より自然に見えるポーズや動作を描くためには、人々の様子、スポーツの試合、動物の動きなどをよく観察しましょう。また、鏡の前でさまざまなポーズをとるのも良い方法です。ポーズを観察して目に焼き付け、それを描くのです。ポーズをとりながら、各部位がどのような状態になっているかを分析しましょう。
ドラッグ
「ドラッグ」(のこし)という言葉は、本書では物理学から派生したアニメーション用語として使っています。キャラクターの主たる動きに続いて、後からついてくるゆっくりと流れるような動きを指します。ドラッグの概念は紐付きのボールを考えるとよくわかります。ボールを投げると、紐はボールの後に続き、ボールと同じように弧(軌跡)を描きます。下の絵に示している2 つの例で、紐がボールの軌跡をたどっている様子に注目してください。また、紐が直線になっているボールのほうが速度があるように感じられる点にも着目してください。ドラッグの描く線が直線に近いほど、主体である物体が速く動いているように感じられます。これも物理法則に則した表現です。
図A、B、C は走っている同じポーズの少年を描いたものですが、ドラッグの表現が異なります。ドラッグを使える要素はたくさんあります。髪、シャツの袖、裾のほか、それほど大きな動きではないにしろズボンの裾にもドラッグを使えます。最も速く感じられるのは、どのポーズですか?
ドラッグは、キャラクターのポーズにも適用できます。ドラッグを表現するには、動いている本体よりも軽い、細い、長い、またはエネルギーの低いものが後に追従している必要があります。はずみや勢いがついていると、人体の各部位に自然にドラッグが生じます。
ドラッグありとなしの両方で、いくつかのポーズや状況を描いたスケッチを示します。
顔面にパンチをくらう
ボールを投げる
空飛ぶヒーロー、急降下
身をかがめてよける
最後のポーズでは、他の3 つとは異なる、面白い方法でドラッグが使われています。動き終わった時点というより、動きの最中を見ている感じになるため、アクションの力強さを強調したいときには、この手法が最も効果的に作用する場合があります。勢いとドラッグを使うと、ポーズの動感、重量感、本物らしさが格段に増します。
書籍情報
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トム・バンクロフトが教える
キャラクターに生命を与える技術
著者:トム・バンクロフト
序文:アダム・ヒューズ
翻訳:株式会社Bスプラウト
ISBN:978-4-86246-193-3
総ページ数:176
発行・発売:株式会社 ボーンデジタル
価格:3,024 円(税込)