新宿ピカデリー他にて大ヒット上映中のオムニバス映画『SHORT PEACE』。実に約9年ぶりのアニメーション新作となる大友克洋監督作『火要鎮』をはじめ、サンライズ荻窪(現、練馬)スタジオが総力を結集して作り上げた珠玉の短篇が揃っている。そんな本作の公開を記念して、『九十九』の森田修平監督インタビューに引き続き、今回は『GAMBO』の監督であり、日本のアニメーション制作現場へのデジタル技法の導入に黎明期から尽力してきた安藤裕章氏のインタビューをお届けしよう。
オムニバス映画『SHORT PEACE』
新宿ピカデリー他にて全国で上映中!
©SHORT PEACE COMMITTEE
©KATSUHIRO OTOMO/MASH・ROOM/SHORT PEACE COMMITTEE
絵画をアニメーションさせる
CGWORLD(以下、CGW):今日は改めて、安藤さんのキャリアについてもお聞きしたいと思っております。まずは、アニメーション業界に入ろうと思われた動機をお聞かせください。
安藤裕章(以下、安藤):きっかけは高校時代にまでさかのぼるんですが......当時、部活で自主制作アニメを作っていて、卒業後はアニメーターになることを希望していました。でも親族一同の猛反対にあって(笑)。
CGW:ははは(笑)。
安藤:それで、株式会社Tooに就職しました。学生の時期から画材を買いに「いづみや(Tooの旧社名)」にはお世話になっていたんですが、入社した当時はDTP先駆けの時代で、Macintochを扱う部署があり、東京への配属を希望しました。理由は社内報に載っていた Macromedia Director(現在のAdobe Director)の記事を見て「これで、アニメーションをつくれる!」と。
CGW:デジタルへの抵抗はなかったのですか?
安藤:父親が配電盤の設計技師で分解されたテレビが普通に転がっているような家庭だったんですよ。それと中学、高校の時期にマイコンブームがあり、ハンドアセンブルをするような子供だったので抵抗感はあるはずもないです。それとアニメーションを自主制作していた時、大変だったのは、絵の具代にフィルム代、撮影に使うカメラ代といった実費に加えて、色を塗るために膨大な労力を費やさなくてはいけなかったことでした。それら全てをデスクトップでできるなんて、とても魅力的だなと思いました。
CGW:なるほど。
安藤:会社としてはDTP(DeskTop Publishing)に注力していたんですが、自分はDTV(DeskTop Video)を見据えていました。極めて個人的な関心からだったのですが、上司からは「積極的な奴」と思われていたかもしれませんね、勝手に勉強してたんで(笑)。
CGW:素晴らしい関係です(笑)。
安藤:ただしDirectorは、アンチエイリアスの部分などで「放送品質の作品作り」を目指すにはちょっと難しいところがありました。そんなときに出会ったのが、当時発表されたばかりだったQuickTimeのデモ中に紹介されたAfter Effectsです。MACWORLD Expo/Tokyo '92で見たデモ映像で、Directorの弱点を克服して放送品質の映像が作れると感じました。
『SHORT PEACE』予告編 新宿ピカデリー他全国で上映中!
『AKIRA』『STEAMBOY』の大友克洋最新作。日本のアニメーションの最先端にあり、その先にありうる表現の方向性を模索しているトップクリエイターたちが結集したオムニバス映画
CGW:そこからアニメ業界へはどのように?
安藤:Tooでは販売店の強みとして様々なツールに触れる機会がありましたが、やはり売るよりは使う側になった方が楽しいと思い、比較的早い段階でクリエイターになろうと決めていました。そもそも、東京の部署配属を希望したのも上京を親族に納得させるためで、いつかはアニメ業界へ......という思いが最初からありましたし(笑)。
CGW:凄い熱意です!
安藤:そんな感じでTooにいた頃は、3DCGを導入したいと考えていた会社にデモに行ったり、相談を受けながら、自分なりのデジタルアニメーションの手法、「アニメ制作をデジタル化する方法論」を固めていきました。
CGW: そして、デモに行かれたプロダクションのひとつがSTUDIO4℃さんだったと?
安藤:そうです。STUDIO4℃から、アニメに利用する3DCGに関する相談を受け、「それは、こういう方法で実現できますよ」とシステム提案したんですが、それから数ヶ月後にTooを退社しまして、真っ先にSTUDIO4℃へ行きました。それで、「このあいだ提案したあの件、ぼくが作り手になります」と売り込んだら、「じゃ、明日から来なさい」と(笑)。それが、大友克洋監督のオムニバスアニメ映画『MEMORIES』(1995)で、CGI監督として、93年から94年にかけて制作していました。
Hiroaki Ando
1966年愛知県出身。1993年より『MEMORIES』のCG担当としてアニメーション業界に入る。主な作品として『MEMORIES』(1995)、『STEAMBOY』(2004)などのCGI監督を務める一方、『鉄コン筋クリート』(2006)や『FREEDOM』(2006~2008)などに演出として参加。監督作として『ノラゲキ!』(2011)などがある。現在は、『シドニアの騎士』プロジェクトに参加中。
CGW:演出方法について監督として心がけていらっしゃることはありますか?
安藤:自分の求めるものとして「絵画をそのままにアニメーションさせたい」というものが根底にあります。例えば『MEMORIES』での3DCGでは、プロジェクションマップの技法を使っています。3DCGに"パースをもったままの絵 "を投影するように貼り付けてそのまま動かすという手法で、大友さんのオーダーは自分の求める方向と一致したものでした。これは、自分の中では『風の谷のナウシカ』に登場する王蟲のゴムマルチ処理の延長線と考えていて、当時、3DCGといえば立体を表現するのに用いるというのが主な使われ方でしたが、この場合、画像処理のために3DCGを用いるという発想ですね。絵画のタッチを損なうことなくアニメーションさせるためには、こうしたアプローチが適していると思うんです。
CGW:絵画のタッチを損なわずに動きを付けるということですね。
安藤:絵画というと堅い印象があるかもしれませんが、要は漫画を、そのままの絵柄で動かしたいということですね。元来のアニメーション制作のワークフローを考えると、どうしても集団作業で物量を上げなくてはならず、その中で、セル画調のスタイルが作られたようなものと思います。一方、漫画の場合は漫画家や作品ごとにまったくちがう画風、タッチで描かれるわけですが、アニメーション制作ではそういう個性を出しにくい。ですが、デジタル技法の恩恵を活かせば、作風、画風をそのまま映像化し、漫画にあるような「作家性」を担保できるのではないかと考えています。
CGW:確かに。
安藤:考え方としては、DTM(DeskTop Music)のサンプリングの概念と同じものがあるかと思います。生音を導入して、それを再構成して作品を作っていく。それが、手描きの絵を取り込みCGで画面を構成していく手法と似ていますね。自身としては、最初は視聴者としてですが劇場アニメ『ゴルゴ13』(1983)(※1)やテレビアニメ『子鹿物語』(1983~85)(※2)の頃からアニメーションへのCGの利用に興味を抱いていて、「これは良いぞ、この路線はくるな」と強く確信していました。そして『MEMORIES』の制作時期は正にデジタルへの転換の始まりの時期で、好タイミングで3DCGでのアニメ制作に関わり始めることができたと思います。
※1:『ゴルゴ13』(1983)
世界で初めて作中に3DCG表現が用いられた劇場アニメーション長編。3DCG制作はトーヨーリンクス(現IMAGICA)が担当した
※2:『子鹿物語』(1983~85)
JCGL(Japan Computer Graphic Labo)がデジタル作画とフィルムレコーディングを行なった、NHKのテレビアニメシリーズ。第2話は、TVシリーズとしては世界初となる全編がデジタルで仕上げられた
安藤:そうした思いもあり、『GAMBO』では、戦国時代末期という荒廃した世界を映像として表現する上で、銀残しやフィルムの粒子のタッチを加えるといった演出も施しています。ルックという意味では、方向性ははじめから固まっていましたね。......というか実のところ、『GAMBO』は『SHORT PEACE』の中で最後発の企画だったので、あまり迷ってる余裕がなかったわけなんですが(苦笑)。
CGW:ははは。
安藤:ワークフローとしては、まずイメージボードを描き、After Effectsで再現テストを組んでいく、という流れをとっています。絵画調の処理は、STUDIO4℃製作のオムニバス短篇『DIGITAL JUICE』(2001)の一編として監督させてもらった『チキン保険に加入ください』と同様のアプローチです。最後にペイントストロークでタッチを加えるなど調整しています。
CGW:作画か3DCGかといった範疇を超えて、ひとりのフィルムメーカーとしては、今後はどういった方向性にご興味がおありですか?
安藤:やっぱりおさえておきたいのはノンフォトリアルですね。技術的にだいぶ成熟してきた感もありますが、やりきれていないことがまだまだたくさんあると思います。例えば漫画を題材するにしても、漫画の表現自体が多種多様ですし、日本の漫画家には「動かしたら楽しいだろうな」という画がたくさんありますから。自分の原点にある大友さんや松本零士さんの絵、さらに松本大洋さん、五十嵐大介さんなど、自分が好きな作家さんの絵を動かしてみたいです。
CGW:3DCGとしては王道のフォトリアルな表現に対してはご興味ありませんか?
安藤:リアル方向については、すでにとても高い技術レベルに達していると思います。シェーダをちょこっといじっていた立場としては、本当に頭が下がるほど、素晴らしいものがありますから。ですが、自分でやるならやはりノンフォトリアルですね。
CGW:動き、アニメーションそのものについてはいかがでしょう?
安藤:動きの演出という点では、ハリウッド映画のような" 凄い動き"に、アニメとして対抗したいという気持ちがあります。こんなことを言うと「同じことやってどうする」って、大友さんに叱られそうですが(笑)。
CGW:具体的に意識された作品はありますか?
安藤:近年では、『アイアンマン』や『リアル・スティール』など、日本の漫画やアニメの影響を感じるハリウッド映画が増えていますが、ああいった漫画的な作品の" 動き"を実写として興醒めしないクオリティにまで作り込まれた作品は素晴らしいと思います。ともすればギャグのように見えてしまう動きが、" 凄いもの"として仕上げられている。そういったハリウッド映画を目にすると「日本のお株を奪われているんじゃないか?」といった危機感を抱いてしまいますよね。
『GAMBO』の先にあるもの
CGW:『GAMBO』はメインキャラクターも3DCGで描かれていますね。
安藤:3DCGで描かれているのは、GAMBO(白い熊)と鬼、そして人間ではカオと二元次(ニゲンジ)ですね。3DCGを得意とするサンライズ荻窪(現・練馬)スタジオの企画ということで、最初からメインキャラは3DCGで作ることが決まっていました。結果的には、作画だと大変だったであろうアクションシーンを盛り込むことができ、3DCGで正解だったと思っています。
『GAMBO』
<あらすじ>
16 世紀末。戦国時代末期。東北地方(最上領)の山中に天空より何かが落下した。直後、寒村に一匹の巨大な鬼のような化け物が現れ略奪の限りを尽くす。時を同じくして寒村に暮らす少女カオは白い熊と出会う。人の言葉を理解するその神秘的な熊にカオは救いを求めた。かくして鬼と白熊との激闘がはじまる。新機軸のバイオレンス作品たるべく、荒く力強い画面を3DCGの技術を活用し描き出す。
<主要スタッフ>
監督:安藤裕章/原案・脚本・クリエイティブディレクター:石井克人/キャラクターデザイン原案:貞本義行/キャラクターデザイン・作画監督:芳垣祐介/CGI監督:小久保将志/CGアニメーションチーフ:坂本隆輔/コンポジットチーフ:佐藤広大
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CGW:確かにクライマックスの格闘などは、「これでもか!」というくらい動き回っていました。
安藤:人間キャラクターの3DCG化にあたっては、デザイン原案を貞本義行さんにお願いしたときから、「アニメだけど記号化しすぎないでください」と、こだわりました。アニメは記号化した絵の世界なんですが、もともとの生身の部分、骨だったり肉だったりを、なんというか"匂うように "してほしいと。そういう"生っぽい "部分が残るように意識して進めてもらいました。日本のアニメキャラクターは可愛い絵でありながらもフェティッシュな"生っぽい "部分があるのが魅力だと思うんです。アニメーターにはそんなフェティッシュな絵が描ける方が多くいますが、貞本さんはその中でも特に優れた方だと思います。
『GAMBO』のキャラクターデザイン原案を手がけた貞本義行氏が描いたヒロイン「カオ」の決定稿(表情パターン)
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CGW:3DCGキャラクターの制作について、もう少しお聞かせください。
安藤:鬼とGAMBOについてはCGI監督の小久保(将志)さん自らが担当しています。彼とは『STEAMBOY』からの付き合いで私のフェティッシュな性格もよく知っているので、小久保さんに任せておけば安心でした(笑)。カオについては、モデリング担当の北仙さんがとても上手い方なのですが、それゆえに通常通りに作っていただくと可愛くなり過ぎてしまったんです。なので、あえて「もうちょっと不細工にして」という酷なオーダーをしました。頬のラインや顎の筋肉などのディテールをあえて作ったりと......私自身はそういった不細工なところも可愛いと思うんですね。それが先ほどお話した"匂い "の部分なのかなと思います。
CGW:キャラクターアニメーションについては、いかがでしょう?
安藤:3DCGでキャラクターをアニメーションさせるとき、サーフェスモデルの場合は上手に動かさないとすぐに風船みたいになってしまう。要するに、骨や肉の入っていない、ただの袋みたいな動きになってしまうんですが、そこを今回はアニメーターの力で補ってもらったと思います。これは筋肉だけでなく、着物の袖の表現なども同様です。油断すると、すぐにゴムのような動きになってしまう。なので曲がったとき、「布で、縫製はこうだから、ここにはこれくらいのシワが入る」という感覚が身についていないと、正しくアニメーションさせられないんです。
CGW:アニメーターにとって必須の素養なわけですね。
安藤:自分の場合、こうした筋肉や骨やあるいは布の量感といった部分にフェティシズムを感じるんですが(笑)、アニメーターであれば当然知っているべきことだと思います。
SHORT PEACE『GAMBO』15秒PV
CGW:監督が3DCGに取り組みを始めた頃と今とを比べて思われることはありますか ?
安藤:自分が始めた頃は、3DCGでアニメーションを作るというというよりは、その前段階としてアニメーション制作のデジタル化に取り組むという感じでした。ですので『STEAMBOY』では、3DCGによるキャラクターアニメーションにまでは踏み込んでいません。大友監督が当時のあるインタビューの中で「『STEAMBOY』のラストシーンで、主人公の影が回り込むカットを3DCGで表現しようとしたら、安藤に止められた」と愚痴られているのですが(苦笑)、あえて3DCGの役割を限定していました。と言うのも当時は、3DCGよりも作画の方が高いクオリティをだせる、3DCGでは不十分だと思ったからです。過渡期の時代だったからこその選択ですね。
CGW:お話を聞いて、安藤さんたちの世代がアニメーション制作へのデジタル技術の導入を進めてきたのだなと、改めて思いました。
安藤:『FREEDOM』などのサンライズ作品を通じて、森田(修平)さんが" 3DCGでアニメーションできるアニメーター"を育ててくれていたことはとてもありがたかったです。自分では手が回っていなかった制作環境を準備してくれたということで、頭が下がります。
CGW:3Dと2D(作画)の使い分けについては、どのように行なっていますか?
安藤:取り組む案件によって分け隔てなく、ケースバイケースで制作スタイルを変えるようにしています。『GAMBO』で言えば、メインキャラは3DCGですが、それ以外では作画も使っていますし、二元次も1カットは作画でした。また3DCGレイアウトは半分くらいです。最終的な美術原図には全て自分で手を入れさせてもらいましたが、3DCGと作画を上手く混ぜることができたんじゃないでしょうか。『GAMBO』では「3DCGでアクションをやろう」というのが主軸としてあったんですが、キャラクターを動かすことに関しては、作画と3DCGのどちらが主軸とは考えておらず、やはり案件次第で使い分けることが重要だと思いました。
CGW:作品テーマがあってこその"表現 "ですものね。
安藤:当たり前のことですが、作画と3DCGそれぞれの魅力、持ち味があるわけですしね。ただし日本のアニメのスタイルとして、3DCG表現がセルアニメを追いかけているということは、確かにあります。ですが、自分としては日本のアニメ表現の根底にあるのは漫画だと思っていて、3DCGはパーフェクトにセルアニメを模倣する必要はないと思うんです。3DCGならではのアプローチから、漫画をアニメーションすればいいじゃないかと。戦略的に、今は「セルアニメと見分けのつかない3DCG」を売りにした方が受けが良いのですが、それをずっと売りにするつもりはない、という気持ちもあります。
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CGW:ぜひ、3DCGなりの漫画の解釈を追求してください! ところで、若い制作者に向けてアドバイスをいただけませんか?
安藤:自分が幸運だったなと思うのは、過去に勉強したことが全て役に立っているということです。高校時代は漫研で絵を描いたりしてましたが、理系だったもので、そのとき学んだ数学が3DCGに関わるようになって多いに役に立っています。座標変換など、数学の考え方は、3DCGの基礎知識としてトラブル解決の糸口になるんです。例えば『MEMORIES』やケン・イシイMV『EXTRA』の制作時は、カメラマップ(プロジェクションマップ)がメインで使っていた3DCGソフトには用意されていなかったのですが、代替手法を考案する上で役立ちました。
CGW:3DCGには理数系の知識があって損をすることはないですよね。
安藤:また、人物の"肉や骨の感じ"を表現する上で一番勉強させてもらったのは高校のときに買ったA. ルーミスの『やさしい人物画』(マール社刊)です。それに、『GAMBO』の美術設定でも参考にしているA.ワイエスに出会ったのも、高校の頃でしたね。アニメを作るにあたって、アニメ以外のものが肥やしになるということはよくあります。画面構成やカメラワークで言えば映画が参考になりますし、画作り、ルックなら漫画、テンポで言えば音楽といった具合に。ですからアドバイスとしては、いろんなことを経験して実人生を充実させろ、ということでしょうか(笑)。あとは、書店にある美術書や映像系の書籍なんてたいした量じゃないんだから「全部読んでおく」くらいの姿勢はほしいかなと思います。
CGW:最後に、改めて『GAMBO』をはじめとする『SHORT PEACE』プロジェクトの感想をお聞かせください。
安藤:自分はどうもバランスに欠いた人間で、細部にこだわりすぎてしまったりして、尻を叩かれながらでないと作品を作れないようなのです。そんなところで最もお礼を言いたいのは、制作担当の方々です。『SHORT PEACE』プロジェクト全体の制作デスクを務められた高山(清彦)さんにはいつもご迷惑をおかけしてますし、『GAMBO』の制作進行を担当してくれた元山(怜桐)さんには本当に感謝しています。また、本作はオムニバス短篇ですが「もっと観たい!」というお客さまの声があれば、続編もあるかと思います。大友監督と話していて、最近はポッと出てくるような人がいないよね、という話になったんですが、そのとき監督は「(自分みたいに)みんなもっと好きなことをやって好きなものをつくってみたらいいのに」とおっしゃってました。ですので「おれにもつくらせてよ!」という人がいれば、ぜひ手を挙げてみてください。
INTERVIEW & EDIT_岸本ひろゆき、沼倉有人(CGWORLD)
PHOTO_大沼洋平
オムニバス映画『SHORT PEACE』
新宿ピカデリー他にて全国で上映中!
『火要鎮』_脚本・監督:大友克洋、CGI監督:篠田周二
『九十九』_脚本・監督:森田修平、CGI監督:坂本隆輔
『GAMBO』_監督:安藤裕章、原案・脚本・クリエイティブディレクター:石井克人、CGI監督:小久保将志、CGアニメーションチーフ:坂本隆輔
『武器よさらば』_原作:大友克洋、脚本・監督:カトキハジメ、演出:森田修平、CGI監督:若間 真
オープニングアニメーション_デザインワーク・作画・監督:森本晃司、CGI:篠田周二、吉野功一
アニメーション制作:サンライズ
配給:松竹
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