2023/2/10、株式会社HIKEがグラフィックブランド「Trigono」(トリゴノ)を設立した。

同社は従業員数250人超の総合エンターテインメントカンパニーだ。HIKEのデジタルアニメーションスタジオ「100studio」は先日、2024年春に放送予定のTVアニメ『この世界は不完全すぎる』のアニメーション制作を担当することを発表。ゲームパブリッシングではローグライトアクション『METALLIC CHILD』、ターン制RPG『ARIA CHRONICLE』を世に送り出している。ほかにも同社は、ゲーム開発スタジオ「Novus」、オンラインくじサービス「KuZiPA!」などの機能を備えている。こうしたコンテンツの企画からマネタイズまで一貫して行える事業体制はHIKEの強みといえるだろう。

そんな同社が新しく設立したグラフィックブランド「Trigono」について、グラフィックブランドとは?、どうやってグラフィックを制作するのか?、そしてこれからの展望について、同ブランドのマネージャーである鯉登氏に話を伺った。

鯉登数人氏

Trigonoブランドマネージャー。キュービスト時代よりグラフィック事業部の責任者を務める。

グラフィックブランド「Trigono」とは?

HIKEが新設した「Trigono」は、同社内におけるグラフィック制作事業である。
2Dイラストの受託制作をメインに、60名規模の社内スタッフと10,000名を超える提携クリエイターとで、企業のグラフィック領域における課題の解決を試みる。

同ブランドは、2022/8/1に合併したキュービスト、カラフル、Panda Graphicsの3社が母体となっており、これまでも一事業部として活動してきたが、最強のクリエイティブ集団として最高のアートを世の中に届ける」をミッションに、今回Trigonoとしてブランド名が設定された。

高クオリティでのイラスト納品を可能にした制作フロー

Trigonoの業務領域について、鯉登氏はこう語る。
「Trigonoゲーム用キャラクターの立ち絵制作や背景イラストを得意としています。メインの2Dイラスト制作に加え、Live2D、Spineを利用した2Dアニメーション、3Dモデルなどにも対応可能です」

約15名のディレクター、約10名のアートディレクター、約35名の内製クリエイターが現在従事しており、ディレクター、アートディレクターが各案件に対して相性が良い内製、提携クリエイターをアサインすることで高品質なグラフィック制作を行う。また、台湾にも拠点を有しており、日本国内で受託した案件はもちろん、海外クライアントからの直接の依頼にも対応している。

内製クリエイターは作画、線画、着彩の3工程でチームが分かれており、工程毎でクリエイターを分けることで、イラスト1点毎のクオリティのばらつきを抑え、イラストを複数納品する際にクオリティを担保することを可能にした。多い月では300点、平均では120~130点ほどイラストを制作し納品するとのことだ。




Trigono内製クリエイターの制作風景

事業部を超えたグラフィック作りを

現在は社外からのイラスト制作の受託をメインで行っているTrigonoだが、社内の他事業部との連携も少しずつ動き出している。
HIKEが展開するゲーム事業やマーチャンダイジング(MD)事業などにおけるイラストや3Dモデルのアセットといった、幅広いグラフィック制作に関わることで、Trigonoのビジョン「あらゆるエンターテインメントにグラフィックで彩りを加える」の達成に近づくことが予想される。

コンテンツの企画から制作、マネタイズの部分まで、様々な角度でIPに関わるビジネスに取り組むHIKE。その中で事業部間の垣根を超えて、IPのグラフィック面を大きくリードするTrigonoのこれからに期待だ。