KitBash社のクリエイター向けポートフォリオサイト「ArtStation」は9月3日(木)、プラットフォーム上の作品を無断の生成AI学習から保護するための新たな施策を発表した。今回、全作品に対してAI学習を拒否する設定「NoAI」をデフォルトで有効化したほか、セキュリティインフラ企業Cloudflare社の技術を活用して、自動プログラムによるデータのスクレイピング(抜き取り)を遮断する強固な防衛策を導入。クリエイターからの長年の要望に応え、作品保護体制を大幅に強化する狙いがある。

新しい運営陣下での方針刷新

ArtStationは今回、新規投稿だけでなく過去にアップロードされた全ての作品に対して、AI学習を拒否する「NoAI」タグを自動的にオンにした。従来はクリエイター側が作品ごとに手動で拒否の設定をする必要があったが、初期状態で保護が有効化される運用へと切り替えている。

さらに、Cloudflareのツールを活用し、AIモデルの学習用に画像データをインターネット上から自動で大量に収集するスクレイピングボットのアクセスを、作品データに到達する前の段階で遮断する対策を講じた。あらゆるクローリングを完全に防ぎ切ることは技術的に困難であるとしつつも、単なるタグ付けによる意思表示だけでなく、システムレベルで物理的にアクセスを阻止する技術的な防衛層を追加している。

施策の背景には、8月10日に発表したプラットフォームの運営体制変更がある。運営側は、不適切な投稿やアカウントの取り締まり基準といった、過去のモデレーションがコミュニティに強い不満と信頼の崩壊をもたらした事実を受け止め、クリエイターとの信頼関係を再構築するための第一歩として、今回の即時対応に踏み切ったとしている。

ユーザーの反応

今回の対応について、コミュニティからは「具体的な行動を起こしてくれた」「素晴らしい第一歩だ」といった前向きな評価が寄せられている。その一方、「対応に数年かかるのはあまりに遅すぎる」「プロのポートフォリオがすでにAI企業に吸い上げられた後では手遅れだ」といった手厳しい意見もある。

また、多くのユーザーが求めているのが、作品展示エリアやマーケットプレイスに氾濫するAI生成コンテンツそのものへの直接的な処置である。「NoAIタグの標準化だけでなく、サイト内からAI生成作品を完全に排除してほしい」という要望が多く寄せられている。さらに、AI利用のラベル付けを意図的に隠蔽して同じアセットを画像を変えて販売する悪質なアカウントへの対策として、ユーザー単位でのブロック機能の追加や、通報システムの強化、目的の作品を適切に見つけ出せる検索機能など、具体的な改善点を挙げる声もある。

ArtStationの公式SNSアカウントは、こうした意見や要求に対して、KitBashファミリーへの参画から日が浅い新体制であることを説明したうえで、過去のアカウント停止などの管理基準を再検証していることや、検索の適合性向上や作品発見機能の改善に積極的に取り組んでいることを表明している。

■AI Updates from ArtStation(公式ニュース)
https://magazine.artstation.com/2026/09/ai-updates-from-artstation/

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https://cgworld.jp/flashnews/01-202608-Kitbash-Artstation.html