Unity Technologies社とNVIDIA社は10月6日(火)、産業向けOpenUSDワークフローツール「Unity USD Toolkit」をGitHubで公開した。製造業、ロボティクス、シミュレーション分野を対象に、UnityとIsaac Simなどのアプリケーション間でUSD形式の3Dシーンをやり取りできる。実行中のUnityアプリケーションからのUSD入出力に加え、Omniverse Kitを使用してIsaac Simとオブジェクトの位置・回転などを双方向同期する試作拡張機能を含む。また、10月14日(水)付の0.8.0-exp.1では、MaterialX対応の拡充、USDの構成情報を保持するエクスポート、テクスチャのストリーミング処理などの機能も追加されている。ソースコードは公開されているが、ライセンスにはUnity製品との併用を条件とする制限がある。
We’re excited to announce our collaboration with @nvidia on OpenUSD! Today, we're releasing the Unity USD Toolkit, purpose-built for industrial teams in manufacturing, robotics, and simulation to bring OpenUSD workflows into Unity. The toolkit includes a prototype NVIDIA Omniverse Kit extension for exploring live scene-transform sync between Unity and NVIDIA Isaac Sim. Learn more and get started: https://t.co/eGrMoPwgBW
— Unity (@unity) October 6, 2026
UnityのランタイムでOpenUSDファイルの読み書きに対応
「Unity USD Toolkit」は、OpenUSDをUnityに統合するためのツールキット。.usd、.usda、.usdc、.usdzの読み書きに対応し、中間形式への変換を介さずにUnityとIsaac Simなどでシーンを交換できる。内部にはOpenUSD 26.05のネイティブライブラリを使用し、C++で実装されたラッパーをC# APIからP/Invoke経由で操作する3層構造を採用。Unityエディターだけでなく、ビルドしたアプリケーションの実行中にもUSDファイルを扱える。
USDエクスポートでは、UnityのGameObject階層をUSDのシーン構造へ変換でき、オブジェクトのトランスフォームを保持した出力と、形状に変換を焼き込む出力を選択できる。マテリアルはOpenUSDの標準的なシェーダ表現「UsdPreviewSurface」に対応し、ベースカラー、メタリック、ラフネス、ノーマルなどの情報を扱う。テクスチャをPNG形式で併せて出力する機能も備える。
インポートにはUsdImporter.GetPreviewInfoによるメッシュ数、三角形数、座標軸などの事前確認機能を用意。UsdImporter.ImportAsyncによる非同期読み込みにも対応する。また、USD側の上方向軸や単位系をUnityに合わせて補正する機能があり、Z-upを標準とするIsaac Simのシーンも扱える。
Omniverse Kit拡張によりUnityとIsaac Simのトランスフォームを双方向同期
NVIDIA Isaac Simとの連携用には、Omniverse Kit拡張「unity.usd.livesync」を試作版として収録。Unity側でシーンのジオメトリをbase_stage.usdaとして書き出し、Isaac Sim側で読み込んだ後、オブジェクトの位置・回転などの変更情報をTCP通信で送受信する。ジオメトリ全体を毎回送り直すのではなく、変更されたトランスフォームをJSON形式で伝達する仕組みで、ほぼリアルタイムの同期を実現する。
Isaac Sim側で物理シミュレーションによって変化したオブジェクトの姿勢をUnityへ送り返すことも可能。ただし、Unity側でリモート書き込みを許可したオブジェクトに限られ、同一オブジェクトを双方から同時操作した際の競合を避ける設計となっている。
ライセンスと対応プラットフォーム
Unity USD ToolkitのソースコードはGitHubで公開されているが、ライセンスには「Unity Companion License」が採用されている。同ライセンスは、Unityの有効なエンジンライセンスに基づくコンテンツやアプリケーションの制作・配布に関連する用途に限り、無償かつロイヤリティ不要で複製、改変、再配布などを許可するもの。一方、競合製品の開発や競合分析への利用は禁止され、コードそのものを改変して生じた派生著作物の知的財産権についてもUnityへの帰属を定めている。
なお、同梱されるPixar OpenUSDはTomorrow Open Source Technology License 1.0、oneTBBはApache-2.0ライセンスなど、第三者製コンポーネントには個別のライセンスが適用される。
対応プラットフォームはWindows x64、macOS、Linux x64で、ネイティブライブラリの取得にはGit LFSを使用する。Unity USD Toolkitは実験版パッケージとして提供され、Unityは本番環境での利用をサポートしていない。APIも正式版に至るまで変更される可能性がある。また、現時点ではスキニングされたメッシュやアニメーションの入出力、物理演算スキーマの処理などに制限があり、Isaac Simの物理シミュレーション機能そのものをUnityへ移植するツールではない点に注意が必要となる。
■Unity USD Toolkit(GitHub)
https://github.com/Unity-Technologies/com.unity.usd-toolkit
CGWORLD関連情報
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NVIDIAのエンジニア・鈴木剛夫(Masuo Suzuki)氏とAnders Langlands氏が、OpenUSDにおけるレンダリング結果の一貫性と相互運用性を担保するための参照レンダラ「Typhoon」をGitHub上で一般公開。OpenUSDのHydraフレームワーク向けプラグイン「hdEmbree」の拡張として実装され、Linux、macOS、Windowsでのビルドに対応。様々なレンダラやDCCツール間におけるシェーディングやライティングの忠実な再現性を検証する環境を提供することにより、業界全体のパイプライン効率化を目指す。
https://cgworld.jp/flashnews/01-202609-Typhoon.html
●デジタル・フロンティア、「USDをワークフローに取り込んでみてわかったこと」note公開 USDのデータ構造からワークフロー上の課題までを当事者視点で解説
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https://cgworld.jp/flashnews/01-202606-DF-USD.html
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https://cgworld.jp/flashnews/01-202610-Unity-Claude.html