オートデスクは現地時間の3月23日(木)、同社が手がける教育用3Dツール「Tinkercad」に物理シミュレーションの機能セット「Sim Lab」を追加した。3Dシーンに対して手軽に物理シミュレーションを実装し体験できるのが特徴で、楽しみながらダイナミクスについて学ぶことが可能だ。

TinkercadのWebサイトではSim Labを使ったプロジェクトが複数公開されている。プロジェクトをコピーして設定を見たり、改変したりといった使い方もできる。

公開プロジェクト「Dominoes v2
公開プロジェクト「Straw Roller Coaster for Marbles
公開プロジェクト「Knock Down the Targets」。このようなゲーム形式のコンテンツも制作できる

Sim Labでは3Dオブジェクトに対して、プラスチック、コンクリート、ゴム、鋼鉄などの現実のマテリアル特性を割り当てることができる。リストから選択するだけでテクスチャや摩擦係数、質量といった物理特性が一発で適用され、物理シミュレーションに反映される。

マテリアルの変更

Tinkercadとは

Tinkercadは幅広い年齢層向けに教育用として提供されている無償の3Dデザインツール。Webブラウザから利用するWebアプリ、またはiPadアプリで利用できる。

本ツールでの3Dデザインは、プリミティブをベースにして拡大縮小や回転、ブーリアン演算を使ってモデリングしていくというながれ。3Dプリンタでの出力に対応していることから、ルーラーを使った正確な寸法入力が可能だ。

3Dデザイン

Tinkercadは教育用途ということもあり、電子回路の設計機能も備えている。あらかじめ用意されたコンデンサやLEDなどの電子パーツを組み合わせて回路を設計し、シミュレーションを実行して動作を確認できる。

回路設計

また、コードブロックの組み合わせによるコーディング機能もある。回路設計においてインタラクティブな条件分岐を加えることが可能なほか、変数ブロックと関数ブロックに3Dプリミティブ生成ブロックを組み合わせることで、プロシージャルモデリングまで行える。

コードブロックによるプロシージャルモデリング(DNAらせん)