ボーンデジタルは2023年11月18日(土)、Houdini Master Class 2023」セミナーを都内で開催する。当日はスウェーデンEmbark StudiosからリードアーティストのErik Hallberg氏とエンバイロメントアートリードのDarko Pracic氏を招聘。今年3月に開催されたGDC 2023( Houdini HIVE)での講演「Embark Asset Processor」と「Embark Landscape Creation」をさらに掘り下げて紹介する。

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Embark Studiosとは

スウェーデンのEmberk Studiosは、2018年に元DICEとEA Seedのベテランが設立した新興ゲームスタジオ。

Embark Studiosが現在開発中のゲームタイトル「THE FINALS」クローズドベータ2トレーラー

本セミナーに招聘するリード3DアーティストのErik Hallberg氏は、GDC2023のHoudini HIVEで「Embark Asset Processor」セッションを担当。

Erik Hallberg氏

社内で開発したAsset Processorを活用してHoudiniの複雑なプロセスをバックグラウンドで実行することで、ゲームアセットの作成時間を大きく短縮したという。本セミナーでも、そのストーリーと詳細な技術解説を披露する。

エンバイロメントアートリードのDarko Pracic氏もまた、Houdini HIVEにおいて「Embark Landscape Creation」セッションを担当。

Darko Pracic氏

本セミナーでも、Houdiniを使用したUnreal Engine用のリアルな景観生成方法を詳細に解説する。アーティストによるLiDARデータとGaea bridgeを使ったワールド生成のワークフロー紹介、社内のHightfieldユーティリティHDAのデモなどを実施予定だ。

イベントへの参加は無料だが、セミナーへの申し込みには、開催日までにボーンデジタルとの間でHoudiniの有効なライセンス契約が必要となる。なお同社は現在、2023年末まで期間を延長し、Houdini 最大25%OFFセールを実施中だ。

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ボーンデジタル主催の「Houdini Master Class」セミナーとは

ボーンデジタルとの間にHoudiniのライセンス契約のあるユーザーに対して特典として提供される「Houdini Master Class」。海外ゲームスタジオが開発したAAAタイトルでHoudiniがどのように使われたのかについて、VFXアーティストやテクニカルアーティストを日本に招き、その裏側をじっくりと堪能できるセミナーイベントだ。以下、2018年と2017年に開催したセミナーの概要を紹介する。

『FarCry5』制作陣が達成したHoudiniを用いた地形自動生成とは?Part 1(2018年開催)

UbisoftテクニカルアーティストのEtienne Carrir氏が来日し、FarCry5におけるHoudiniを活用した開発パイプラインを詳細に解説。開発で使用された内製のDUNIA2エンジンとHoudiniおよびHoudini Engineの連携、入出力の詳細を丁寧に説明してくれた。

DUNIA2からHoudiniに地形データが送られた様子

また、テーマのひとつとして崖の自動生成方法も解説された。地形を読み取って崖のジオメトリをリメッシュして緊密化し、ジオメトリを横にスライスして各層に着彩するというながれだ。

崖の自動生成
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『バトルフィールド1』のエフェクトはこうして作られた――HOUDINIが可能にするモダンなワークフロー(2017年開催)

EA Digital Illusions CE(EA DICE)のVFXアーティスト、アンドレアス・グラッド氏が来日し、『バトルフィールド1』におけるHoudiniの活用内容を紹介。

シングルプレイヤーモードとシネマティクス(カットシーン)」でのエフェクトを担当した同氏は、「再利用可能なアセット生成」、「高品質なPBR対応エフェクト」、「高速なイテレーションを可能にするツール生成」の3テーマでVFX開発の裏側を紹介してくれた。

また、自らの体験をもとに、AAAプロジェクトで働くことと、フリーランスで働くことの違いや、メリット・デメリットについても言及。HoudiniやUnreal Engineのような高性能なツールが登場したことにより、映像業界にもリアルタイム3DCGが波及しており、フリーランスのVFXアーティストにとって良い時代になってきたと語った。

アセットの再利用の例。「まったく同じシミュレーションキャッシュを使って、シェーディングとライティングを変えるだけで、煙と炎を再現しています」(アンドレアス氏)
空中戦ステージで用いられた雲は、単なるエフェクトではなく実質的にはレベルデザインとなった。Houdiniでスポーンメッシュを使用して作成したクラウドをゲームエンジンに出力するというながれ
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