XR・メタバース・VTuber専門のメディア「Mogura VR」を運営する株式会社Moguraは2023年12月18日(月)から22日(金)までの5日間、XRとメタバースをテーマにしたカンファレンス「XR Kaigi 2023」を開催した。また12月20日には、XRの普及に貢献している取り組みを表彰する「XR kaigi Award」の授賞式も執り行われた。

本イベントは2019年に初開催され、5回目の今年は過去最大規模。「最新の技術や事例を学習したい」、「最新の技術や事例を元に新規ビジネスを創出したい」、「最新の技術や事例を元に自社のマーケティング活動を活性化したい」、「多くのバーチャル領域の企業とネットワーキングしたい」、「バーチャル領域への就職/転職を検討したい」という5つのニーズに応えることを目指し、多数のセッションや出展(エキスポ)、就職・転職相談コーナー、300名規模のネットワーキングパーティ(懇親会)などで構成された。

キーノート「さらに未来に続く10年へ」

12月18日(月)のイベントの幕開けには2時間にわたるオープニングキーノートを実施。クラスターCEOの加藤直人氏やNiantic VPの川島優志氏など、業界を牽引する8名のキーパーソンたちが、「さらに未来に続く10年へ」をテーマに、XRとメタバースの現在と未来を語った(下記よりアーカイブ視聴が可能)。

XR Kaigi Award-Adobe Substance 3Dが優秀賞を受賞

そして12/20にはXR Kaigi Award 2023の表彰式が執り行われた。これはXR Kaigiの出展全ブースを対象にし、XR普及に貢献する取り組みを表彰するアワード。デバイス部門、アプリケーション・プラットフォーム部門、アクティビティ部門、U-25 ヤングスター部門の4部門にてそれぞれ最優秀、優秀賞を選出。今年はアプリケーション・プラットフォーム部門の優秀賞はアドビの「Adobe Substance 3D」が受賞した(下記よりアーカイブ視聴が可能)。

アドビの福井直人氏は表彰に際して、「大変光栄です。xRやVRの制作に携わるクリエイターの皆さんにとって、データの軽量化とリッチなルックを両立するのは非常に大切なこと。その場面でわれわれのSubstance 3Dがお役に立てているのだなと思っています」と語った。

アドビ 3Dアーティスト&ソリューションコンサルタント 福井直人氏

その他、デバイス部門の最優秀賞にはUltraleapの「リープモーションコントローラー2」が、アプリケーション・プラットフォーム部門の最優秀賞にはミラクルマイルの「Marinne(マリネ)」が、アクティビティ部門の最優秀賞には福岡XR部が、U-25ヤングスター部門の最優秀賞にはTSUYAOTOの「TSUYAOTO Surround System」がそれぞれ選出された。

5日間にわたって60以上のセッションが開催

業界動向から特定の技術の詳細なノウハウまで、様々な視点の講演が凝縮されたXR Kaigi 2023のセッション。その数は60を超え、国内外のトップランナーが一同に介してXRとメタバースに関する最先端の知見を披露するという、貴重な場となった。

12/22のセッション「Adobe Substance 3Dを活用したメタバースデザイン」。XRに興味を持つデザイナーやクリエイター、エンジニアなど向けにSubstance 3Dの可能性を探る

アドビのセッションではSubstance 3D Modelerとillustratorを連携した3Dモデル制作、Substance 3D Painterの目玉アップデートである3Dカーブ機能やそのほかのアップデート情報、Substance 3D Painterで制作したデータをGLBに変換したのちAfter Effectsでのコンポジット、の3点をデモンストレーションを交えながら紹介した。

12/22のセッション「Unity x XR 最新情報 2023冬」。UnityでのxRコンテンツ開発のながれや、Unityの今後のロードマップと最新情報を紹介
12/21のセッション「Niantic Lightship ARDKを使った公園探索AR『Hinaあつめ』制作秘話」。ARアプリ「Hinaあつめ」のアイデア出しからアプリ実装までのブレイクダウンとチーム作業の大切さについて紹介
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80以上のブースでにぎわうエキスポ

東京都立産業貿易センター 浜松町館で開催されたエキスポは80以上の企業や団体が集結。イベントの特性上、デバイスやコンテンツの体験が行えるブースも10以上あり、事前予約やブースでの整理券配布などでにぎわいを見せた。

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