建築家・黒川紀章氏が設計したメタボリズム建築の代表作「中銀カプセルタワービル」(東京・銀座)の解体工事が始まった。解体着工を前に、名建築の価値を後世に残すため、gluon(グルーオン)を中心に「3Dデジタルアーカイブプロジェクト」が始動し、プロジェクトメンバーで中銀カプセルタワービルを3次元で計測し、実空間の情報をまるごと3次元データ化。活動資金を募るためのクラウドファンディングもスタートし、支援者にはスマートフォンで建物を手元に召喚することができるAR(拡張現実)も公開された。
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■プロジェクト概要
建築家・黒川紀章氏が設計したメタボリズム建築の代表作「中銀カプセルタワービル」(東京・銀座)。解体着工を前に名建築の価値を後世に残すため、gluonを中心に3Dデジタルアーカイブプロジェクトが始動し、プロジェクトメンバーで建物を3次元で計測し、3Dデータによる保存活動が行われた。「中銀カプセルタワー」の記録には、ミリ単位で正確な距離を計測できるレーザースキャンのデータと、一眼レフカメラやドローンによって撮影した2万枚以上の写真データを組み合わせて建物全体をスキャンすることで、実空間の情報をまるごと3次元データ化。平面的な写真や図面だけでは記録しきれない複雑な形状や立体的な構造を記録することで、建築形状を正確に把握し、デジタルアーカイブとして後世へ残していく。
広がる3Dデータの活用方法
計測した3次元データは、空間へのより深い理解を促すための立体的な建築教材としての活用をはじめ、ARやVR、3Dプリンターを用いた模型製作など多様なメディア形式で再現・活用することが可能だ。クラウドファンディングでの支援が目標金額を達成した場合は、多くの人に役立つよう3次元点群データをオープンソースとしてウェブサイトで無償で公開し、学術研究や新たな創作活動へ繋がる機会を創出するという。
プロジェクトページ:https://motion-gallery.net/projects/3dda-nakagin