VR/ARコンテンツ、BIM、建築ビジュアライゼーションを制作する株式会社積木製作は、より臨場感のある高精度なバーチャル体験を可能とする高画質CGのクラウド配信サービス「Luxstream(ラグストリーム)」を開発した。今回、分譲マンション販売用ツールとして初めてこのサービスを東京建物株式会社に提供する。
詳細はこちら

■概要

「Luxstream」は、数多くのクラウドゲームで使われているブロードメディア株式会社のクラウドゲーム配信技術「Gクラスタ」を活用し、積木製作の高精度なCGを体験できるサービスである。クラウドゲーム配信技術のパイオニアである「Gクラスタ」をゲーム分野以外で活用したインタラクティブサービスであり、高精度なCGやVRを手持ちのタブレットやスマホ、自宅のパソコンなど、そのデバイスの性能にかかわらず手軽にストリーミング再生できるようになった。これにより、マンション購入検討者は、自宅のパソコンやスマートフォンなどで、高精度な完成前の建物の各住戸内や共用部分を実際に歩き回っているかじみたVR体験ができるほか、これまで以上に室内や共用部分の仕様や質感を感じることができる。

現在、コロナ禍の分譲マンション販売における接客スタイルとして、非対面によるオンライン接客と販売センターでの対面接客のハイブリット化が進んでいる。「Luxstream」により、顧客はオンラインでも販売センター来場時と同等の接客を受けられ、スムーズに住まいの比較検討を行える。

■「Luxstream」について

(1)開発の背景
分譲マンションの場合、物件が竣工する前から販売が開始されるという特有の商習慣から、完成前の建物の室内空間や共用部分をイメージすることが難しく、販売員と顧客の認識齟齬が発生したり、モデルルームに行かなければ購入検討も進まなかったりというケースも見受けられた。加えて、昨今の状況から非対面のオンライン接客を望む顧客も増えている。

ただ、高品質で広域なCGであればあるほど、グラフィックスの精度を担保するため、その再生には高性能でハイスペックなPCが必要となる。ただし、ハイスペックPCの導入には費用負担が大きく、使用できる場所が制限されてしまう場合もある。

これらのことから、自宅のPCやスマホ、タブレットなどの性能に左右されずに、販売センターでも遠隔地でも高品質なCGコンテンツを手持ちの端末で手軽に再生できる「Luxstream」の開発に至った。高性能なPCは不要で、インターネットの接続さえあれば、専用のアプリケーションのインストール無しに高品質なグラフィックスの閲覧が可能となる。

(2)活用事例
東京建物では、コロナ禍において気軽に販売センターへ来場できない状況の中、顧客が安心してマンションを検討できる取り組みとして、オンライン接客など、販売手法のDX化を強化している。今秋より、「Brillia Tower 池袋 West」(豊島区池袋三丁目、総戸数230戸、2024年1月竣工予定)の販売センターに「Luxstream」を提供する。同販売センターでは、「Luxstream」により、3D都市モデル「PLATEAU(プラトー)」を活用して、大都市の主要駅周辺をこれまでにないクオリティでリアルに再現している。VRウォークスルーは、首都圏の広域エリアを美しいグラフィックでバーチャル体験できるよう、バーチャル空間の池袋上空から計画地や近隣建物、新宿や富士山までの眺望をモデルルームではもちろん、顧客が自宅に居ながらにして案内できるようになる。

接客イメージ

(3)「Luxstream」の特長
1 高品質なCGコンテンツ制作からクラウド配信までワンストップサービス
建築や販売用CG/VRコンテンツの制作後、成果物はクラウド上のサーバーにアップします。クラウドレンダリングのサーバーを顧客自身で用意する必要はない。
2 マルチデバイスで動作可能
Windows向けに開発したコンテンツはマルチデバイスに対応しており、Webブラウザ、タブレット、スマートフォンなど、すべて同じ品質で配信される。
3 低コストと安心サービス
リーズナブルな価格で提供する通常プランとライトプランの他、一時的にURLを発行し、使用した分だけ料金が発生する従量課金制もある。使用頻度に合わせたプランを選ぶことができるので、無駄ないランニングコストで活用できる。また、分譲マンションやハウスメーカーなどは長期的な販売プランが多いため、解約月を予め設定することなく、その月に解約すれば月末で利用が終了となる安心サービスとなっている。

高精度CG/VRイメージ

■積木製作の今後の取り組み

近年、建設や不動産業の領域においてDXへの取り組みが進み、デジタルツイン、メタバースといったテクノロジーの活用が注目され始めている。これまでモデルルームや販売センター(ゲストサロン)といったリアルな販売現場や模型を実際に見て触れるという概念が一般的だったが、2020年から続くコロナ禍で、オンライン商談へのバリアフリー化が進んでいる。顧客の利便性向上を図る新しいユーザー体験を可能にすることで、オンライン商談の場では、顧客自身が自宅から自由にバーチャル見学、モデルルームなどの場所にとらわれず、手軽にスマホやタブレットで、様々な場所でエンドユーザーに美しいグラフィックスを堪能することを想定している。

積木製作の高いグラフィックスCG製作技術と、マルチデバイスに高品質なクラウド配信を可能にするブロードメディアのクラウドゲーム配信技術「Gクラスタ」を組み合わせることで、建設や不動産業のDX推進を加速させ、顧客へのプレゼンテーションをいっそう臨場感のあるものにし、今後もより手軽で高品質なソリューションを分譲マンションの販売現場へ積極的に提供していく。