全11作品50カット以上の事例を解説！『10年分のカットから読み解く TROYCA式アニメ撮影テクニック』（ボーンデジタル）

ボーンデジタルは、6月下旬に書籍『10年分のカットから読み解く TROYCA式アニメ撮影テクニック』を発売しました。

『アイドリッシュセブン』シリーズ、『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』、『アルドノア・ゼロ』など全11作品50カット以上の事例を解説し、空気感の作成や水・花火の表現、演出など、TROYCAの妥協しない画づくりの秘訣を惜しみなく披露します。

興味のある方はぜひご購入ください。

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「撮影」に焦点を当てた制作現場に迫る1冊

「撮影」と聞くと写真や動画を想像される方も多いでしょう。実は、アニメーションの制作工程にも「撮影」があります。現在はデジタルによる作業が主流ですが、以前はカメラを使用して実際に素材を「撮影」していたことから、今でも「撮影」と呼ばれています。

アニメ制作の撮影では、セル（キャラクターなどの作画で描かれた素材）や背景、3DCGなどの素材を合成し、様々な効果を加えたり調整したりして、最終的な画づくりを行なっています。最後の砦となる重要な工程でありながら、まだまだ情報が少ない「撮影」にスポットを当てたのが、書籍『10年分のカットから読み解く TROYCA式アニメ撮影テクニック』です。設立から10年の歴史をもつ気鋭のアニメーションスタジオ「TROYCA」の「撮影」について、全3章でまとめました。

第1章　撮影のお仕事

▼本文
第1章では、アニメーションの制作フローの紹介に加え、設立から10年の歴史をもつTROYCAの独自なスタイルや制作環境、デジタル映像部の成り立ち、そしてコロナ禍における対応まで、アニメ制作の舞台裏を詳細に解説しています。

アニメーションの制作フローは、これからアニメ業界を目指す人、アニメ制作のながれを知りたい人にもわかりやすいように、全体のフローチャートと各工程や役職をまとめました。要所要所では、アニメ『アイドリッシュセブン』シリーズの貴重な実際の制作物の掲載もあり、具体的にどのような素材が用いられているのかも見ることができます。

©BNOI/アイナナ製作委員会

第2章　アニメ撮影カット事例

第2章では、TROYCAが10年で生み出してきた作品を題材に、これまで培ってきたこだわりの撮影手法を紹介していきます。関係各社の協力により、全11作品50カット以上の事例を掲載しました。主に撮影を担当したスタッフが自ら執筆し、具体的な作業内容はもちろん、どのようなことを考えて画づくりをしたのか、現場でのエピソードなども交えて解説しています。スタッフの努力と工夫、そしてどのような想いで向き合っていたのかも垣間見えるでしょう。

©アイドリッシュセブン
©DMM・TROYCA/忍の一時製作委員会

第3章　撮影の現場を支える機材とツール

第3章では、限られた予算の中で最高のパフォーマンスを発揮するための工夫を、ハードウェアやソフトウェアの選定や制作環境の整備に焦点を当てて見ていきます。マシン選定のポイントは何か、ソフトウェアのバージョンは？どのようなプラグインを使っているのかなど、機材とツールのリアルをまとめました。

最後に

先述の通り、本書はアニメ制作において「最後の砦」となる重要な工程でありながら情報の少ない「撮影」に注目した書籍です。繊細で大胆な画づくりを撮影で行なっているTROYCAが制作してきた様々な作品における事例を中心にまとめることで、撮影の素晴らしさ・凄さ・技術を伝えています。現役の撮影スタッフはもちろん、これからアニメ業界に入りたい人、個人を含む映像制作者全般の方に役立つ1冊を目指しました。

関係各社の協力がなければ、これだけの作品、カットの事例を一同に掲載することはできませんでした。本書を通じて、普段目にしているアニメーションの1カット1カット、1コマ1コマにどれだけの手数がかけられているのか、想いが込められているのかも伝わりましたら幸いです。

本書ではアニメーションスタジオ「TROYCA」が制作を請け負った映像作品を題材に、アニメーション制作の撮影工程にスポットを当て、メイキングベースで解説していきます。普段は深く掘り下げられることのない「アニメの撮影」ですが、TROYCAの撮影のこだわりをしっかりと紹介します。本書がデジタルアニメーションの撮影技術に興味をもっていただくきっかけとなればとても嬉しいです。
＜書籍『10年分のカットから読み解く TROYCA式アニメ撮影テクニック』「前書き」より一部抜粋＞