批評誌『エクリヲ』が、最新号となるvol.16で「リミナルスペース」を特集している。同誌は通販(BOOTH)、および全国の書店で販売中だ。

「リミナルスペース」とは

リミナルスペース(Liminal Space)とは、“境界/移行(liminal)”という語が示すように、「本来“通過するだけ”の場所が、静止した時間とともに不気味な存在感を帯びる」、そんな日常と非日常のあいだにある曖昧な空間を指すインターネット美学の一種。

リミナルスペースの例
・夜の学校の廊下
・人のいないショッピングモール
・廃れた公民館
・空っぽのプール
・どこまでも続くホテルの廊下

近年、このリミナルスペースは、『8番出口』で代表されるように映像作品・ホラーゲームなどでも使用され、新たなビジュアル言語として確立しつつある。

『エクリヲ vol.16』では、こうしたリミナルスペースを多角的に掘り下げ、空間が持つ「気配」や「記憶の構造」に光を当てる一冊となっている。

コラム10本+論考5本で「リミナルスペース」を多層的に分析

『エクリヲ vol.16』の特集では、作品・写真・都市空間の要素からリミナルスペースを分析する10本のコラムと、美学、ホラー、都市計画、ゲーム批評など多分野にわたる5本の論考を収録している。

・コラム
リミナルスペースの境界に触れる10のコラム
ドア/写真/点/潜在/匿名性/死角/触れる/郷愁/悪夢/蛍光灯
アンリアルで照らすリミナルスペース
高井 くらら
・論考
「リミナルな感知術——脱リミナルな社会に抗して、境界の横断術を取得する」難波優輝
「リノリウムの床が軋むとき——リミナルスペースの下の怪物たち」横山タスク
「リミナルスペースと私(たち)」木澤佐登志
「都市の不気味の谷——二〇世紀末以降のアーバニズムと〈リアリティ〉の行方」吉江 俊
「リミナルスペースからもつれ合う「結び目」へ――『8番出口』、『DEATH STRANDING』、中国東北」楊 駿驍

『エクリヲ vol.16 特集:リミナルスペース』
発行・編集:エクリヲ編集部
発売:送り絵
定価:1,980円(税込)
発売日:2025年11月23日
ページ数:112ページ(カラー26ページ含む)
判型:判型:A5
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通販:BOOTH
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