Epic Gamesが、Unreal Engineを活用した制作事例として、Sony Pictures Animationが手掛けたアニメーション作品『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』におけるプリビズおよびレイアウト工程の再構築事例を公開した。

記事を読むーEpic Games公式

リアルタイム環境への移行でプリビズ工程を刷新

『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』は、K-POPガールズグループを主人公に、音楽パフォーマンスとアクションを融合させた作品である。高速な戦闘シーンや大規模な観客、コンサート規模のライティングを組み合わせた表現が特徴で、従来のプリビズやレイアウト手法では全体像の把握が難しい制作要件を抱えていた。


本作はSony Pictures Animationが制作し、実制作をSony Pictures Imageworksが担当している。Imageworksは制作初期段階から完成形に近いビジュアルを確認できる環境としてUnreal Engineを導入。アクション、ライティング、マテリアル、エフェクト、カメラワークを統合的に扱うことで、シネマティックな演出を早期に検証できる体制を構築した。


記事内では、韓国の公衆浴場を舞台とした戦闘シーンを例に、その効果が紹介されている。リアルタイムボリュメトリックや反射表現を活用することで、蒸気や濡れた質感を伴う複雑な環境と激しいアクションを両立。レイアウト段階で最終画に近いビジュアルを構築し、シーン全体のトーンや演出意図を早期に確立することに成功したという。




キャラクター表現とライティングワークフロー

メイン キャラクターのカスタムコスチュームや大規模な群衆の作成においては、ブループリント ビジュアル スクリプティング システムやFoliageモードを活用し効率化を実現。コスチュームやアクセサリーを瞬時に切り替え可能なキャラクター システムを構築した。

さらに、Unreal Engine上でアニメーションされたライティングは、USD経由でKatanaへ連携され、Fカーブを保持したまま最終工程へと引き継がれる。これにより、プリビズから最終ライティングまで一貫した表現を維持しながら制作を進行することが可能となっている。

USDとリアルタイム技術でパイプライン全体を最適化

また、Autodesk Mayaとの連携やUniversal Scene Description(USD)の導入により、アセットのやり取りや書き出し時間を大幅に短縮。さらに、コントロールリグやブループリントを活用することで、多数のキャラクターや観客、コンサート照明を効率的に扱う仕組みを構築した。


これにより、プリビズから最終ライティングまで一貫した表現を維持しながら制作を進行できるようになり、レイアウトおよびプリビズ工程において20〜25%の効率化を実現している。


レイアウト工程においても、リアルタイムレンダリングの特性を活かし、シーン全体を即座に確認しながらカメラ配置や構図調整を行なうことが可能となった。これにより、演出意図に応じた柔軟なレイアウト設計が実現している。


また、レンダリング待ち時間の削減により、ディレクターやチーム内でのレビューと修正のサイクルが大幅に短縮。制作初期段階における意思決定の迅速化にも寄与している。