アドビは4月12日(米国時間)、業界をリードするビデオコラボレーションプラットフォームであるFrame.ioを数百万にのぼるAdobe Creative Cloudメンバーに提供開始し、After EffectsのM1ネイティブサポートを含むAfter EffectsとPremiere Proの最新バージョンをリリースしたことを発表した。Frame.ioをAdobe Creative Cloudに組み込んだ「Frame.io for Adobe Creative Cloud」を活用すれば、プロデューサー、代理店、クライアントなどの主要なプロジェクト関係者がクラウド上で映像編集者とシームレスにコラボレーションできるようになる。これは業界初の、ポストプロダクション特化型のレビューおよび承認ワークフローであり、制作者が最終承認を得るまでのプロセスをこれまでになく迅速かつ容易なものにするという。
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■「Adobe Creative Cloud」について

●Adobe Creative Cloud(https://www.adobe.com/jp/creativecloud.html)サブスクリプションの一環として提供されるこの機能が映像制作者にもたらすメリットは以下のとおり。

●制作進行中の作品を世界中のレビューアー(人数無制限)と共有できる

●Premiere ProとAfter Effectsのタイムラインを離れることなく、レビューアーからコメントや注釈をビデオのフレーム単位で直接取得(https://www.youtube.com/watch?v=AUXCZ3PhBII)(英語)できる

●Frame.ioの高速ファイル転送技術により、100GBのFrame.io専用ストレージを介したメディアの高速アップロードとダウンロードが行える

●最大5つのプロジェクトに他のリモートユーザーと同時に取り組むことができる

●映像編集者やモーションデザイナーなどの作業担当者にカメラからのフッテージを最速で、最も簡単かつ安全に受け渡せる「Camera to Cloud」ワークフローが使用できる

■「After Effects」アップデートについて

●Apple M1へのネイティブサポート(https://www.youtube.com/watch?v=UFU3ViMyVfQ)(英語)により、M1 Macでは、Intel 10-Core搭載のiMac Proと比較して起動が最大7倍高速化し、コンポジションのレンダリングも2倍速くなった。これにより、モーションデザイナーのクリエイティビティの可能性が広がり、これまで以上に高速に反復改善のプロセスを回せるようになった

●Adobe Sensei搭載の「シーン編集検出」機能は、編集済みクリップに含まれるシーンの繋ぎ目を自動的に検出し、シーンを個別のレイヤーとして配置したり、編集ポイントにマーカーを作成して、プロジェクトのセットアップを迅速化する

●「拡張ビューア」ではドラフト3Dプレビューを有効化した際に、フレームの外側にある2Dおよび3Dオブジェクトも表示されるようになり、デザインの確認、3D空間のナビゲート、3Dレイヤーの移動がより簡単に行える。フレームからはみ出た部分を隠したり透明度を変更することで最終的なショットの見た目を確認することも可能だ

●3Dレイヤーの「ビン化インジケーター」(https://www.youtube.com/watch?v=cY1tiK9cV1Q)(英語)は同じ3D空間で一緒にレンダリングされ、互いに交差したり影を落としたりする3Dレイヤーのグループ(ビン)を示すので、After Effectsで2D・3Dの各レイヤーがどのように合成されるのかを視覚的に把握しやすくなる

■「Premiere Pro」アップデートについて

●読み込み・書き出しエクスペリエンスの刷新とヘッダーバーUIの追加。先行的にパブリックベータ版に搭載されていたこれらの強化により、コアワークフローのデザインが一新され、より直感的かつビジュアルなものになった
・新しい読み込みモード(https://www.youtube.com/watch?v=ep179vzJY1g)(英語)は、従来のように新規プロジェクトの仕様設定から始まるのではなく、異なる場所に保存されたファイルをブラウズしたりプレビューしながら読み込むファイルを指定していく、よりメディアにフォーカスしたワークフローを提供する。これにより、映像のプロはより速く、初心者ユーザーはより簡単にプロジェクトを始めることができる
・ヘッダーバー(https://www.youtube.com/watch?v=MYbTBbxnG5o)(英語)UIの追加により、読み込み、編集、書き出しの各主要タスクをすばやく切り替えられるようになり、より整理された集中型ナビゲーションが実現
・新しい書き出しモード(https://www.youtube.com/watch?v=5q0MTIqHPmA)(英語)では、YouTube、Facebook、Twitterなどの人気SNSに作品をすばやく、直接アップロードできる。エンコーディングなど各SNSに合わせた推奨書き出し設定から選べるスマートプリセットを搭載しているので準備の手間も省かれ、初心者ユーザーも映像のプロも簡単にコンテンツを投稿できる

●Adobe Sensei(https://www.adobe.com/jp/sensei.html)搭載の「オートカラー」(https://www.youtube.com/watch?v=-121PYXXqSw)(英語)は、AIを使用して経験の浅いユーザーでも迅速にカラーコレクションを行えるようにする。初心者ユーザーにはカラー調整に慣れる環境を提供する一方で、経験豊富なユーザーには肌色や空色の微調整に入る前段までの作業を簡素化して、カラーコレクションが迅速に行えるようになる。この機能は、2021年のPremiere Proパブリックベータ版で初めて「オートトーン」という名称で導入された

●パフォーマンスとワークフローの改善には、カラー分類によるマーカーの表示/非表示機能、オーディオクリップのリミックス処理の進捗インジケーター、トリムモードにおけるループ再生の改善などが含まれる

●Adobe Stockの無料アセットも追加提供される。数千もの新しいHDビデオ映像やモーショングラフィックステンプレートなどにアプリから直接アクセスできるので、際立つビデオが制作できる