2023年9月27日、Blender 4.0 ベータ版がリリースされた。アルファ版からの移行により、安定的な利用が可能となったこのベータ版の注目ポイントを、紹介しよう。

■Blender 4.0 ベータ版のポイント

ライティング、レンダリング、アニメーション周りが大きく変化し、アップデートされた。ライティングでは今までBlenderになかったライトリンク、シャドウリンクがようやく実装された。

EEVEEはEEVEE Nextにアップデートされ、作業描画も飛躍的に美しくなった。またCyclesのプレビュー、レンダリング速度も大きく改善されている。

アニメーション周りには、前バージョンとの互換性のない大幅なアップデートが入っている。過去のプロジェクトの引き継ぎには注意が必要だ。

■リリースノートより注目の新機能を抜粋

アニメーション&リギング

・Bone CollectionsとBone Colors
従来の番号付きレイヤーとボーングループの代わりに、名前付きボーンコレクションが導入された。これまでのアーマチュアレイヤーとボーングループが、ボーンコレクションに置き換えられた形だ。また、ボーングループがなくなったことにより、ボーンカラーは各ボーンに対して個別に指定されるようになった。

・Bendy Bones
ポーズの曲率を考慮した変形用に、頂点をBボーンセグメントにマッピングする新しい方法が追加された。新しいマッピングは計算速度が遅くなるが、レストポーズでBボーンが強く湾曲している場合(例えば口角など)に、より良い変形を生成するという。

  • Straight Mapping (Default)
  • Curved Mapping
Deformation

wiki.blender.org/wiki/Reference/Release_Notes/4.0/Animation_Rigging

Cyclesにライトリンク・シャドウリンクが実装

ライトリンクを使えば、ライトはシーン内の特定のオブジェクトだけに影響を与えるように設定できる。シャドウリンクはさらに、どのオブジェクトがライトのシャドウブロッカーとして機能するかをコントロールできる。

このように物理法則を破ることで、ライティングによりアーティスティックな演出を加えることができるようになった。例えば、ショットの環境とキャラクターは、異なるライトのセットアップをもっているかもしれない。キャラクターを目立たせるために、専用のリンクされたリムライトをもつことができ、周囲のオブジェクトがそれをブロックしないよう、シャドウリンクを使用することができる。

wiki.blender.org/wiki/Reference/Release_Notes/4.0/Cycles

この他、アップデート内容の詳細は以下URLより。
wiki.blender.org/wiki/Reference/Release_Notes/4.0

■正式版のリリースは?

公式サイトで公開されているスケジュールによると、正式リリースは2023年11月7日に予定しているとのことだ。

projects.blender.org/blender/blender/milestone/7

協力:KATASHIRO+ますく