アニメ、ゲーム等のCG映像制作をはじめ、遊技機開発、プラネタリウムなどの番組制作、VFX制作など、様々なジャンルのコンテンツ制作に携わってきたDML(デジタル・メディア・ラボ)が、映像制作業界への就職を希望する学生を対象として、CG作品の添削会を通年で実施中だ。

就職活動に向けて、改めて自分のレベルを確認し、更なるレベルアップのためのアドバイスを得られる貴重な機会となっている。「プロに自分の作品を評価してもらいたい」「就職活動に向けてポートフォリオのブラッシュアップをしたい」と考えている学生には、ぜひこの機会を逃さず応募してもらいたい。

添削事例

これまでも「DML添削会」は実施されており、以下はその実例だ。提出された学生の作品に対し、複数のDML所属のアーティストがプロならではの視点でフィードバックを行っている。フィードバックの内容は、下記Xの投稿のリプライ欄に掲載されている。

(事例1)

【アニメーターサブマネージャーからのフィードバック】
参考にしているであろう写真を見ると構図、ラティング、角度がほぼ一致していますが、 もっと合わせる事は出来るのではないかと思います。質感に関してはブラケット撮影だと思われるので実物よりはやや違和感のある色調になってますがそのあたりも再現するのであれば改善の余地があるかと思います。現状は全体的にアンバーよりな色調になっているのでもう少し壁面のテクスチャーにコントラストがつくよう調整してみては如何でしょうか?

あと建物だけが若干露出が高くハレーションしているような印象も受けます。一番気になるのは川面に均一な小波が発生している点に違和感がありました。 海のような雰囲気と硬さも感じますし情緒が感じられませんでした。川が画の大部分を占めていますので、 写真にあるような一筋の風の流れを感じるような波の表現や建物の映り込みを拘って制作してみては如何でしょうか。右端にある赤いオブジェクトが何であるのか気になってしまいます。別の角度からの写真を見るともっと大きな救命道具だと思われますが、 現状かなり小さな物体がノイズとして映り込んでしまっただけのように感じますので無い方が良いかと思います。

夕景については光源に違和感を感じました。画面中央の大きな窓付近に関しては実際どこからかスポットライトが当たっているようですが、 左の壁面が少し明るくなっている点は嘘っぽさを感じました。あと建物上部から川面にかけてトーンが落ちるようなグラデーションをかけると深みが増すかもしれません。川面への映り込みが鏡のようになっているため川を感じる事ができません。 多少なりと流れているはずなのでそれを感じる程度のブレや、 色調を微かに落とすような事をするとリアルに見えるかもしれません。

個人的には模写で終わらず、 生き物や灯りを工夫して街の営みが感じられる表現があると素敵だなと思いました。あれこれと指摘してますが、 そもそもかなりの再現度だと関心しております!以上自分では作れないアニメータからの一言でした。

(事例2)

【関西室長からのフィードバック】
ぱっと見関節部分の構造が硬く感じるので動きや稼働パーツを考えた構造や質感を意識するとよりリアルに近づきます。関節部分が黒い金属のようにも見えてしまうので、 伸縮性のあるラバーっぽい質感を強調するなど。あと汚しや傷などについても地面と接する足や地面と近い部分などについては傷や汚しなどを入れて使用感を出せばよりよくなります。どういった環境でそういった活動していたのか、重さや大きさなどでも傷や汚れの入り方も違ってくるのでそのあたりも考えて作ると説得力が増します。 汚れや傷などにはそうなった理由があるはずなのでそこを考えるのも大事です。

全体的な絵作りについてですが、単純な白っぽいライティングになってしまっているので環境の色味などを考えたライティングやカラコレを意識すると雰囲気が出ます。例えば薄暗い倉庫の中といった設定で暗めにして明部と暗部で色を変えるだけでも雰囲気が出ます。ざっくりとトーンカーブでいじったやつ添付します。こういった感じで少しカラコレするだけでも雰囲気を変えることができるのでそういった雰囲気作りも意識するといいです。

(事例3)

【モデルリードアーティストからのフィードバック】
・もう少し陰影感があると、 神聖なイメージに近付くのかなと思います。
・朝をイメージするのであればライティングを少し弱めにしつつ、モデルの質感も多少しっとり感があった方が良いかもしれません。

【モデリングアーティストからのフィードバック】
・メインライトが真上からの印象があるため朝というより昼間くらいのライティングに見えます。そのため、少しライトを低めの高さから当ててあげると朝っぽっくなるかな思いました。
・テクスチャーの汚しもただ入れるだけではなく汚れの原因や経過を考えると説得力のあるものになります。資料の観察時にもなぜこの汚れはできたのだろう?とか考えることで説得力の増した汚れをいれることができます。

応募方法

添削会への参加希望者は、XにてDMLの公式アカウント@DML_JPへDMを送信するか、同アカウントの作品募集のポストにリプライを送ることで申し込むことができる。