一般社団法人VRMコンソーシアム主催にて、VRM Animation正式リリースを記念した「VRM Meetup #3」が3月21日(木)20:00-21:00にオンラインにて開催された。現在はYouTubeから視聴することができる。

VRM Animation とは?

VRM Animationは一般社団法人のVRMコンソーシアムが、2024年2月21日(水)に正式にリリースしたVRMに関する規格のことである。

VRM Animationを利用することで人型モデル向けアニメーションをアプリやアプリケーションをまたいで利用できる。


(VRMコンソーシアムのXアカウント、VRM Animationの正式リリース時のポストより)

VRMアプリ開発者、VRMモデル制作者、モーション・ポーズ等CGアニメーターなど、VRMを使用している方や、VRMに興味がある方向けに開催されたのが本イベントだ。

今回のイベントは「VRM Animation正式リリース記念」ということで、VRMAへの対応を実装した開発者がVRMA対応アプリの紹介や、開発体験について発表が行われた。とみね氏(cluster PM)進行の元、他にもVRM開発ニュースや、昨年集計したアンケート結果の報告など、充実した内容であった。

この度正式リリースされたVRM Animationは、VRMAに対応した機能のアプリやツールがすでに登場しているため、本イベントでは5名のアプリ開発者を募集し、自身のアプリやツールについて発表・紹介する機会が設けられた。

VRM Meetup #3 講演内容


VRM Meetup #3
獏星(ばくすたー)氏

自作ソフト(VMagicMirror)がVRMA対応してる話+実装のTips

t_furu氏

VRMをブラウザで踊らせるやつを作ってみた

どようび氏

BlenderアドオンでVRMAを使用可能な限り紹介しつつエクスポートします!

Elvin氏

VRMAnimationをサポートしてみて感じたこと・体験したこと

けしごむ氏

VRMお手軽ポーズとVRMA

獏星(ばくすたー)氏の講演内容

VMagicMirrorの開発者である獏星(ばくすたー)氏からは、VRM Animationリリース前から独自フォーマットで自前でモーションを実装していた頃の話と、VRM Animationがリリースされたあとの実装時のtipsを発表があった。

獏星(ばくすたー)氏の講演は0:33~

けしごむ氏の講演内容

VRMお手軽ポーズの開発者であるけしごむ氏の発表では、VRM Animationの登場以前は、お手軽ポーズで撮影したものは他のアプリに持ち込むことを想定していない作りであったが、VRM Animationの登場によってポーズデータを他のアプリでも使えるようになったと伝えていた。ユーザーのこだわりが次のステップへ繋がりやすくなったと発表しており、共感した視聴者も多かったようだ。

けしごむ氏の講演は29:00~

イベントの終盤には、VRMコンソーシアム技術委員長・バーチャルキャストCTOのMIRO氏による解説でVRM開発ニュースについて報告があった。


▲MIRO氏による解説の様子

まず国際展開の進捗として、The Metaverse Standards Forumの「Interoperable Characters/Avatars Working Group」が正式にワーキンググループに昇格したことが発表された。

The Metaverse Standards Forumとは?

メタバースのためのオープンな標準規格の開発を促進する世界的な業界団体で、業界をリードする標準化団体と企業が団結し、オープンメタバースの相互運用性を推進する団体。

「Interoperable Characters/Avatars Working Group」は、アバターの総合運用性について議論するワーキンググループとのことで、VRM開発者やアバターを使用するユーザーにとっては今後の活動が気になるのではないだろうか。

MIRO氏によると活動の中では、アバターを使用する様々なユーザーの意見を吸い上げながら落としどころを探っており、VRMコンソーシアムはこのワーキンググループにて共同議長を務めているとの報告があった。

アバターの相互運用性実現のために国際的に建設的な議論を進めているそうで、VRMコンソーシアムの国際展開から目が離せない。


▲アンケート結果はYouTubeの概要欄からダウンロードして確認できる

また、MIRO氏から「VRMの課題に関するアンケート結果」の発表も行われた。アンケート結果についてはダウンロードして内容を確認をすることができる。アンケートの結果の内容は、VRM利用者、モデル制作者、アプリ開発者、VRM開発者ごとの回答結果もまとめられている。

VRM利用者の回答では表現力とカスタマイズ性にあたる項目が票を集めており、利用者目線での期待値と言えるものが分かる結果がうかがえる。また、アプリ開発者の場合は、仕様拡張への懸念など開発者ならではの回答が確認できる。

20ページにも及ぶ見ごたえのあるアンケート結果はYouTubeの概要欄から確認できるのでぜひチェックして欲しい。

本イベントは開発者や利用者同士のコミュニケーションの場となるべく、今後も開催が予定されている。3Dアバター向けファイルフォーマット「VRM」を使ったアプリケーション開発者や、3Dモデル・アバターのクリエイターは次回イベント開催も期待して待とう。