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プロフェッショナルな3Dトレーナーであり、リギングの巨匠でもある Jahirul Amin 氏に、インスピレーションの源泉、学生への実践的なアドバイス、そして、その著書『MAYA キャラクタークリエーション -プロが教えるフォトリアル人体制作術-』について、語っていただきました
▲Jahirul Amin は、英国ロンドンの Double Negative(ダブル・ネガティブ)の 3Dトレーナーです。NCCA(National Centre for Computer Animation) での3Dコンピュータアニメーションの講師経験も活かして、 3D Artist magazine や 3DTotal.com に定期的に寄稿しています。
▲アニメーションチュートリアルの一部(3D Artist magazineより)
---こんにちは、Jahirul。インタビューを受けてくれてありがとう。まず、あなた自身について教えてください。今、どこで何をしていますか?
こんにちは、このような機会を持ててうれしいです! 現在、ロンドンの Double Negative で3Dトレーナーをしています。勤務時間外(子どもたちの面倒をみる時間は除く)は、CGの制作プロセスについて執筆しています。チュートリアルを書いたり、レビューしたり、最近では、書籍『MAYA キャラクタークリエーション』を出版しました。
▲さまざまなライティングでシェーダを素早くテスト(『MAYA キャラクタークリエーション』より)
---前からアーティストになりたいと思っていましたか? なぜ3Dを始めたのですか?
いつも何か描いて動かしてみたいと思っていました。「アニメーションにおいて、アーティストが単一イメージをどうやって動かしているか」を理解するため、よくTV番組のフレームごとに動きをトレースしました。ディズニーの 『ジャングル・ブック』 からは多大な影響を受けています。何度もレンタル、そして、もしかすると3回以上購入しているかもしれません。その動きを見て分解し、自分の経験にしたかったのです。
3Dスキルを身につけるのは、簡単な道のりではありませんでした。若くして子どもを育てなければならなかったので、CGの仕事に転職できるように、レストランの仕事を辞める必要がありました。退職後は、コンピュータアニメーションの修士号を得るため、ボーンマス大学の NCCA に進みました。
▲サイが壁にぶつかるとどうなるでしょう?
---あなたにとって刺激になっている人や物事はありますか?
そうですね。私がいつも刺激と受けている人々は、Scott Eaton、Alessandro Baldasseroni、Jason Schleifer、Josh Carey、Brad Clark、Carlo Sansonetti、そして、現在 Double Negative で共に働いている才能豊かなアーティストたちです。
歴史的な観点と、私がアーティストとして継続開発している分野で考えるなら、ルノワール、モネ、コンスタブル、ダ・ヴィンチ、グレン・キーン、エリック・ゴールドバーグ、ロバート・ビバリー・ヘイル、レイ・ブストスの作品から多大な影響を受けました。さらに重要で最大のインスピレーションの源泉は、妻と4人の娘(と1匹の猫)です。
---書籍『MAYA キャラクタークリエーション』が出版されました。この書籍について詳しく教えてください。まず、執筆の目的や動機を。そして、読者は何を学べますか?
私の考える最高のCGとは「現実に根ざしているもの」です。つまり「現実世界の基本原則を分析・分解して研究を始めること」がCGを学ぶ学生にとっても重要だと思います。本書『MAYA キャラクタークリエーション』では、パイプラインのすべての段階で、まず、現実世界の例を示します。これは、コンピュータで取り組むすべての要素に通じるものです。例えば、キャラクターのモデリングとスカルプトに関する章では、まず、人体解剖学を解説します。このように本書を通して、私は「ボタン操作の裏にあるセオリーを理解してもらうこと」を目的としています。それによって、知識を広げて、柔軟に実践できるようになります。
▲さまざまなライティングでシェーダを素早くテスト(『MAYA キャラクタークリエーション』より)
▲ポーズをつけて、目的に合致しているかを確認(『MAYA キャラクタークリエーション』より)
▲リグのテスト(『MAYA キャラクタークリエーション』より)
---3Dを学ぶ学生にとって、もっとも重要なアドバイスは何ですか?
繰り返しになりますが、私から送る最大のアドバイスは「現実世界を観察して自身の作品に取り入れること」です。私はいつも、他人の作品や手法を調べることを勧めていますが、自信を持って独自の方法を見つけてください。
▲Mayaの環境シーン(3D Artist magazineのために作成)
▲機関車のリグ(3D Artist magazineのために作成)
▲チュートリアルシリーズ(3DTotal.comのために作成)
---将来的にあると嬉しいツール、テクニック、スキルはありますか?
いつも夢中になれる新しいツール、テクニック、ワークフローを探しています。しかし、テーマそのものを大事にしたいので、解剖学と運動生理学の知識を向上させる努力を続け、人体デッサンのスキルも開発しています。テクノロジー面では、ライティングとルックデヴで重宝する強力なツール Clarisse iFX、そして、ドローイング&ペインティングツール Corel Painter に慣れていきたいですね。
---良いポートフォリオを作成するアドバイスやヒントはありますか?
好きなものを作ることです。そして、自分にとってやりがいのあるプロジェクトに時間を費やしてください。そうすれば、必ず作品を成し遂げることができるでしょう。 私たちは絶え間なく批評にさらされる世界で生きています。良い批評、悪い批評もあるでしょう。神経質にならず、気楽にかまえるようにしてください。
▲イカのリギング(3D Artist magazineのために作成)
▲サソリのリグ(UARTSYのために作成)
---最後に最も重要な質問です。自由な時間には何をして楽しんでいますか?
ベタな答えになりますが、家族がいるので、妻や子どもたちと一緒にいるときが至福の時間ですね。
翻訳:STUDIO LIZZ(TK) 編集:3DTotal.jp